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導入事例

「学校教員向け」の次世代リーダーアセスメント研修と中堅層向け研修を実施

学校法人 山脇学園 山脇学園中学校・高等学校

「学校教員向け」の次世代リーダーアセスメント研修と中堅層向け研修を実施
  • 公開日:2024/04/15
  • 更新日:2024/05/01

事例概要

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背景・課題

学年部長(管理職)にリーダーシップを発揮してもらうために、リーダーシップやマネジメントスキルを高める研修を実施したいと思っていました。また、そのなかから教頭に登用する候補者をより客観的に評価するアセスメントも行いたいと考えていました。学年部長候補の中堅教員に対しては、主体性やリーダーシップを高め、管理職になる意識を持ってもらう研修を実施したい想いがありました。

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検討プロセス・実行施策

2023年8月に学年部長向けにアセスメント研修(R&CI)を、10月に中堅教員向けに中堅層向けプロフェッショナル研修(S-BT)を実施しました。前者では3日間、自分の強み・弱みを棚おろししながら、マネジメントスキルの向上を目指してもらいました。受講前、ほとんどの学年部長はワクワクよりも不安の方が勝っていました。後者は、「自分たちが学校をつくっていくのだ」という主体的な意識を持ってもらうために行いました。

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成果・今後の取り組み

学年部長向け研修の3日間が終わったときには、学年部長たちが仲良くなり、お互いに弱みをさらけ出せるまでになっていました。ここまでポジティブな変化が起こるとは思わず、ビックリしています。中堅教員向け研修を経て、中堅教員たちの主体性やリーダーシップも高まっています。やる気に火がついて明らかに目つきが変わった教員もいるほどです。すでに本校に欠かせないプログラムです。

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背景・課題

学年部長や中堅教員のリーダーシップ強化と、教頭候補者の評価をしたかった

竹内:私たち山脇学園は、中期三カ年計画に「自走する生徒を育てる」というテーマを掲げています。そのためには、まず教員自身が自走することが欠かせません。当然ながら、探究学習やアクティブラーニングなど新たな教育手法については、どの教員も主体的に学び、自走的に実践してきました。山脇学園は「探究的手法を用いた志を育てる教育」を推進しています。しかし一方で、教員はマネジメントについては十分に学んでおらず、私たちもマネジメント研修や階層別研修を行ってきませんでした。

インタビューの様子(1)

西川:教員は専門職であり、一人ひとりが独立したプレイヤーだと考える傾向があります。学年や教科の壁も高く、誰もが他の専門領域にはあまり踏み込まないようにしています。そのため、マネジメントの意識が弱いのです。しかし、山脇学園中学校・高等学校をさらに良くしていくためには、約120名の全教員が、学年や教科の壁を乗り越えてお互いの理解を深めながら、目線を揃えて同じゴールに向かうことが欠かせません。

そうした集団になるためには、校長・教頭だけでなく11名の学年部長(管理職)に大いにリーダーシップを発揮してもらう必要があります。私は、彼らのリーダーシップやマネジメントスキルを高める研修を実施したいと思っていました。

竹内:学年部長に関しては、スキルを磨いてもらうだけでなく、自分たちで未来の学校をつくっていく意識を醸成し、教頭や校長を目指してもらうことも大切です。私たちはこれまで、教頭に登用する者を総合的判断で決めていましたが、もう少し客観的な指標を加味して評価したいという想いがありました。そこで、学年部長に対しては、マネジメント研修とアセスメントを同時に行いたいと考えていました。また学年部長候補の中堅教員に対しては、主体性やリーダーシップを高め、管理職になる意識を持ってもらう研修を実施したい想いがありました。

このように階層別研修を導入する背景には、もう1つの意図があります。日本では今、教員不足が顕著になりつつあります。優秀な教員を採用して確保することは、学校経営の死活問題になってきているのです。階層別研修を整備し、能力開発できる学校になることで、教員から見た学校の魅力も高めていく必要があると考えています。

西川:学校の質を決めるのは教員です。私や竹内は、どうしたらもっと優れた学校組織をつくれるかをいつも考えています。その結論として、学年部長・中堅教員向けのリーダーシップ育成研修の導入を決めたのです。

検討プロセス・実行施策

企業マネジメントの事例ケースで研修を実施

インタビューの様子(2)

竹内:学校がマネジメント研修や次世代リーダー育成研修を実施することは珍しく、他校を参考にすることはできませんでした。そこで、私はインターネットで各社の研修を一から調査しました。教員は教えられることに抵抗感を持つ傾向があるため、インプット中心よりもアウトプット中心の研修を希望していました。そのなかで、リクルートマネジメントソリューションズは本校に寄り添った提案をしてくれました。

特に、学年部長向けアセスメント研修のなかで、1人の講師が11名の学年部長を3日間観察したうえで評価してくれる点が私たちの希望に合致しており、お任せすることに決めました。2023年8月に学年部長向けアセスメント研修(R&CI)を、10月に中堅教員向けプロフェッショナル研修(S-BT)を実施しました。

西川:学年部長向けアセスメント研修は3日間、学校外の施設で行いました。開始前に「この研修にワクワクしていますか?」と質問したところ、ワクワクしていると答えたのは2名だけでした。終了後の面談では、学年部長のほとんどが正直に「自信がありませんでした」と話してくれました。

竹内:この研修では、3日かけて、マネジメントスキルの向上を目指してもらいました。学年部長一人ひとりに自分の強み・弱みの棚おろしと、企業マネジメントを事例にしたケースに取り組んでもらいました。学校を事例にしたケースでなかったため不安でしたが、かえってこのケースの方が、全員が横並びで取り組めたので大変良かったと思っています。研修後には11名全員が校長と1対1で面談し、今後のアクションなどについて話し合ってもらいました。

西川:中堅教員向けプロフェッショナル研修は、次期管理職候補として、学年部長任せにするのではなく、「自分たちが学校をつくっていくのだ」という主体的な意識を持ってもらうために行いました。プロフェッショナルの基礎知識を学んだうえで、企業マネジメントをテーマにしたケースに取り組み、最終的には職場実践につなげていく研修プログラムです。

成果・今後の取り組み

学年部長たちが、お互いに弱みをさらけ出せるまでになった

インタビューの様子(3)

西川:学年部長向けアセスメント研修の3日間が終わったときには、学年部長たちの交流が深まり、お互いに弱みをさらけ出せるまでになっていました。その後は学年部長同士の壁がなくなって、提案し合ったり、助け合ったりするようになりました。意思疎通もずいぶん速くなっています。ここまでポジティブな変化が起こるとは思わず、ビックリしています。

研修後の私との面談では「研修で力を発揮できなかった」と漏らす学年部長が多かったのですが、私はむしろ自分の現状を把握してもらえたことをプラスに捉えています。学校事例ではなく企業事例をテーマにしたのも、アセスメントの公平性という意味で良かったと考えています。

竹内:学年部長向けアセスメント研修は、講師や分析ツールも含めて完成度や精度が高いと感じました。受講者本人たちも、自分たちの評価に納得していました。

中堅教員向けプロフェッショナル研修は欠かせないプログラムに

竹内:一方で、中堅教員向けプロフェッショナル研修を行うときには、より教育現場との接続を意識したプログラムの方が効果が高まるかもしれません。企業と学校では組織機能がいろいろと異なるからです。企業事例からの学びを現実適用する時間を多めに設ける、学校事例を用意するなど、さらなる工夫が必要だと感じました。

西川:私も竹内と同意見ですが、それでも効果は十分にあったと感じています。実施してよく分かったのですが、受講前の中堅教員たちは、未来の学校をつくっていく主体は自分たちである、という意識が弱かったように思います。ところがこの研修を経て、中堅教員たちの主体性やリーダーシップが総じて高まっています。なかには、やる気に火がついて明らかに目の輝きが変わった教員もいるほどです。中堅教員向けプロフェッショナル研修は、すでに本校に欠かせないプログラムだと考えています。私たちだけでなく、学校教員に必要な研修ではないかと思います。

竹内:教員たちはとても忙しく、日々仕事に追われています。だからこそ、こうした研修の場を用意して、振り返ったり内省したり、経験や知識を棚おろししたりする時間をつくることに大きな意味があるのです。今回、そのことがよく分かりました。

採用時に「研修体系が充実しているから、本校で働きたい」という候補者が現れた

竹内:それから、受講後に教員何名かが「このような研修の場を用意してくれて、ありがとうございました」と挨拶に来てくれました。マネジメント研修や次世代リーダー育成研修を実施する学校は決して多くありません。こうした研修を実施することが、学校からの期待の表れだと受け取り、モチベーションを上げた教員が少なくないのです。また、採用面接時に「研修体系が充実しているから、本校で働きたい」という教員候補者も現れました。階層別研修は、採用優位性につながる可能性があります。

今後、学年部長にも中堅教員にも、さらに高みを目指してもらいたいと思います。心理的安全性を重視して相手を尊重しながら、伝えるべきことをしっかりと伝えて、人格で周囲をリードする理想的な管理職に少しでも近づいてほしいと願っています。そのために私たちも必要に応じて、こうした研修の場を継続的に用意し、彼らの後押しをしていきたいと考えています。

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ソリューションプランナーの声

ソリューションプランナー 定久 陽太

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー
定久 陽太

学校教員の方々は職業・組織特性上、担任から管理職へのトランジションには多くの壁があると考えています。

階層を細かく区切り、一定のプレマネジメント経験を積んでから管理職に昇格していく(企業における主任や係長のイメージ)わけではなく、管理職になった途端、担当業務や利害関係者が大きく変化します。

そのような現状のなかで、今回は“管理職育成”をテーマに以下2階層にそれぞれのねらいをもって研修を企画しました。

現管理職(学年部長・分掌部長)対象:
一般的に管理職に求められる役割や行動を学び、その基準に照らして自身の強みや課題を認識することで行動改善につなげる

管理職候補(中堅教員)対象:
視野視界を広げる(上司の仕事を知るetc)ことで、中堅教員として主体的に学校運営に携わる
意識を醸成する

山脇学園様は教員向けの階層別研修の必要性を感じられており、成長機会や期待を伝える機会として位置付けることで働く方々のモチベーション向上や採用優位性につながると考えていらっしゃいます。成果としてそのような効果が出始めているという声も頂戴しており、今回の施策は学校法人という業界全体においても意義のある取り組みであると感じました。

山脇学園様は素敵な学校であると強く感じていますが、教員の皆様、生徒・保護者の皆様にとってより一層魅力的な組織をつくっていくため、今後も全力でお力添えさせていただきます。

取材日:2024/04/15

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企業紹介

学校法人 山脇学園 山脇学園中学校・高等学校

「自ら求め、深く学ぶ(自主・探究)」「志を抱き、未来を拓く(立志・展望)」「互いに思いやり、仲間とともに創る(互恵・協働)」を教育目標に掲げ、中学時代の「総合的な学習の時間」と、本校独自の教科である「探究基礎」を土台に、探究的手法を用いた志を育てる教育を展開している。また、英語運用能力を高める教育を行う「イングリッシュアイランド」、科学への志と技術を育むためのさまざまなプログラムを行う「サイエンスアイランド」、情報を得る・交流する・考えをまとめる・表現するという4つの機能を備え、生徒の主体的な学びを支援する「ラーニングフォレスト」など、特色あるプログラムや拠点を駆使して、コミュニケ-ション力や課題発見力を解決するための思考力を育んでいる。2024年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に認定された。

※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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