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導入事例

「若手活性化共育プログラム」という「場」を準備したら、若手社員の顔が変わった

株式会社フィッツコーポレーション

「若手活性化共育プログラム」という「場」を準備したら、若手社員の顔が変わった
  • 公開日:2022/06/06
  • 更新日:2024/11/07

事例概要

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背景・課題

2020年3月、完全リモートワークに移行しました。10月頃、「今年の新人は元気がない」「関わり合い方が分からない」といった相談が各所から寄せられました。主体的に、「当事者として」成長に向き合う若手社員が減っていたのです。彼らに再び元気になってもらうには、今の社会人生活に欠けている機会を、創ってあげる必要があると考えました。

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検討プロセス・実行施策

2021年3~4月に、オンラインの「若手活性化共育プログラム」を実施しました。すぐに、「私たちにはこうした場が必要だったのだ!」と分かりました。若手社員たちが、自分の仕事についてイキイキと誇りを持って語り合っていたからです。2~3週間に1度の間隔で「3時間×3回」の研修を行いましたが、研修実施→実践→振り返りのリズムがちょうど良かったです。

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成果・今後の取り組み

研修直後、やる気や姿勢に変化が起きた若手社員は間違いなく多くいました。また、研修実施後には、若手社員同士の自主的な語り合いが増えたり、社内公募制度を利用して自ら手を挙げたり、仕事やキャリア形成を主体的に考える若手社員が増えています。私は人事として、異動希望の若手社員と個別に1on1をしていますが、主体的に考える姿勢が明らかに強まっており、研修の効果を如実に感じています。

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背景・課題

コロナ禍になり、ふと気づいたら、若手社員の元気がなくなっていた

コロナ禍になり、ふと気づいたら、若手社員の元気がなくなっていた

寺嶋:2020年3月、コロナ禍に入ってから、私たちは多くの会社と同じように完全リモートワークに移行しました。4月に入社した新入社員たちもリモートワークで働き始めました。そこから半年間は、私も含めて社内全体がさまざまな対応に追われました。

10月頃、「今年の新人は元気がない」「関わり合い方が分からない」といった声があちこちから聞こえるようになっていたのです。

早速社内ヒアリングを行ったところ、新人だけでなく、若手社員が全般的に元気を失っている状況が見えてきました。もちろん、若手はリモート環境でもしっかりと働き、一定の成果を出していました。しかし、目標に向かって高いモチベーションを持って頑張るような若手社員は、明らかに減っていたのです。元気がないのは確かでした。

しかも、マネジャーたちも本人たちも、元気のなさを自覚していたにもかかわらず、直接の原因は誰にも分かりませんでした。はっきりしていたのは、リモートワーク移行後に若手社員の元気がなくなった、という事実だけでした。

私は、とにかく早めに何か手を打たなければならない、と考えました。私は採用担当者として、若手社員たちがもともと非常に元気で、やる気に満ちていたことをよく知っていましたから、何とかしたい気持ちが強かったのです。すぐに「組織活性プロジェクト」を立ち上げ、若手・中堅社員に主体的に働く気持ちを取り戻してもらうために、新規事業提案制度や社内公募制度などを新設しました。

その一環として、若手社員たちが語り合う場をつくりたい、と考えました。フィッツコーポレーションはウェットなコミュニケーションを重視する会社で、コロナ禍以前は飲み会などが頻繁にあったのですが、コロナ禍に入ってからは語り合う機会を失っていました。彼らに再び元気になってもらうためには、若手社員同士で心置きなく話し合って、初心を取り戻してもらうのが一番良いだろう、というのが私の結論でした。

検討プロセス・実行施策

若手社員が誇りを持ってイキイキと語り合う場がまさに必要だった

若手社員が誇りを持ってイキイキと語り合う場がまさに必要だった

寺嶋:数ある研修のなかから、リクルートマネジメントソリューションズの「若手活性化共育プログラム」を選んだのは、あるべき論で説き伏せたり、何かを教え込んだりするのではなく、受講者の心のなかを解き明かし、心に火をつける研修だったからです。今の私たちに最適なサービスだと感じました。実際、その考えは間違っていませんでした。

今回はスピードを重視して、2021年1月に研修開催を決定し、2月に社員インタビューなどの準備を進め、3~4月に実施しました。対象者は入社2~4年目で、入社2年目・3年目・4年目の3組に分けて、それぞれ同期同士で対話してもらいました。

「3時間×3回」のオンラインセッションで、1回目は過去(これまでの仕事の紆余曲折)、2回目は現在(現在の仕事における努力・工夫)、3回目は未来(これからも大事にしていきたい軸)について語り合ってもらいました。自分の思いや考えを断片的ではなく、過去から現在までのストーリーで共有するということも魅力に感じました。

開催してすぐに、「私たちには、まさにこうした場が必要だったのだ!」と分かりました。若手社員たちが、自分の仕事についてイキイキと誇りを持って語り合っていたからです。これまで同期で仕事についての意見を交わし合う機会を設けてこなかったことを後悔したくらいです。

あるとき、研修オブザーブをして、セッションの最後に「あなたたちはもっと活躍できるはずです。あなたたちの本気はこんなものじゃないでしょう。当事者意識を強く持って行動してください」とメッセージを投げかけたら、全員の顔つきがガラリと変わった、ということもありました。

素直な期待をぶつけることも日常のなかでは実現しにくかったこともあり、貴重な機会になりましたし、またその期待を受け取れるだけの元気を取り戻せたのだとも思いました。

なお、3回の研修は2~3週間に1度の間隔で行いましたが、良いリズムでした。日常業務のなかで2~3週間、思考をもんだうえで話し合い、また日常業務に戻っていくことで、考える姿勢や当事者意識が定着する効果が高くなったと感じています。

成果・今後の取り組み

自らのキャリアを能動的に考える若手社員が何名も出てきている

自らのキャリアを能動的に考える若手社員が何名も出てきている

寺嶋:研修直後、やる気や姿勢に変化が起きた若手社員は、間違いなく多くいました。なかには研修直後にわざわざ社長のもとへ行き、「今回の研修が入社してから一番楽しい時間でした。ありがとうございました!」と報告した者もいました。

その後も、目に見える変化がいくつか起きています。1つ目は、「若手社員同士の自主的な語り合いの増加」です。コロナ禍が収まってきたこともあり、同期などで飲み会や旅行に出かけて、仕事について語り合う社員が増えています。若手活性化共育プログラムが語り合いのきっかけづくりになっています。

2つ目の変化は、「自らのキャリアを能動的に考える若手社員の増加」です。組織活性プロジェクトで新設した社内公募制度に自ら手を挙げ早速活用したり、個別に私に1on1を申し出てくれる社員も出てきていたりするのです。主体的に考える姿勢が明らかに強まっており、研修の効果を如実に感じています。

若手活性化共育プログラムは若手社員のエンゲージメント向上の意味でも有効な研修で、今後も開催を検討しています。また今後は次世代リーダー研修など、一人ひとりのキャリア展望を踏まえた個別キャリア支援も強化していく予定です。

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受講者の声

渡邊智美の顔写真

「外部講師がいる研修」だからこそ、言いにくいことや真面目なことも遠慮なく話し合えた
チェーンチーム
渡邊 智美様

私は2019年の入社以来、香り物をメインとした、フレグランス・男性化粧品などのドラッグストア向け商品の卸営業をしています。東海地方を担当していますが、2020年のコロナ禍以降は出張が不可能となり、営業がすべてオンラインに変わりました。ドラッグストア向け商品は、コロナ禍でむしろ売上を伸ばしており、それまで以上に忙しくなっています。

「若手活性化共育プログラム」は、いろいろな意味で嬉しい場でした。1つ目に、悩んでいたのは自分だけじゃないんだ、ということがよく分かりました。私自身、コロナ禍のリモートワークでは、オンとオフの切り替えが難しい、上司や周囲に気軽に相談できる機会が減った、といった悩みを抱えていました。でも、みんなの話を聞いたら、それぞれが自分なりの悩みを抱えていたのです。そうした悩みを共有し、みんなが悩みながら頑張っている姿を知ることができただけでも有意義な時間でした。加えて、講師も一緒になって参加してもらいながら、「次から次へ問題」「あれもこれも問題」などと、私たちの悩みや問題を言語化できたことが大きな発見になりました。言語化によって、何となくモヤモヤしていた問題を明確に意識できるようになったのです。

2つ目に、入社時の思いや夢、目標を思い出し、見つめ直すきっかけになりました。私は2年目の終わりにこの研修を受けたのですが、入社1年目でガムシャラに仕事を覚え、2年目でリモートワークにも慣れて、今後を考える余裕が少し生まれていた頃でした。ちょうど良いタイミングだったのです。この研修を受けたおかげで、次のアクションを考えられるようになり、未来が少し見えてきました。こういうことは、業務中に自分一人でわざわざ時間を取って考えたりはしません。同期でアドバイスし合ったことが強い後押しになっています。

3つ目に、同期の結束が強くなりました。仲間たちの新たな一面を知ったり、将来の夢や思いを教えてもらったりしたことで、さらに仲良くなれました。今は、「社内公募制度のこのポジションに応募してみたらいいんじゃない?」などと互いに声をかけ合ったりしています。

飲み会などでも仕事について話すことはありますが、真面目なことは意外と話しにくいものです。対して、研修だと真面目な話もしやすく、同期の仲間たちもきちんと受け止めてくれます。仕事について語り合う研修は貴重だと感じました。それから、外部講師の方がいたからこそ話せたことは多かったです。社内メンバーだけだと言い出しにくいことがあるかと思います。みんなが自分のありのままをさらけ出せたのは、外部講師の存在があったからです。

2年経った来年あたりに、また同期で集まって話し合えたら嬉しいです。自分を見つめ直す機会を定期的にもらえるのはありがたいことです。

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コミュニケーションエンジニアの声

エグゼクティブコミュニケーションエンジニア 柳井 裕至の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
エグゼクティブコミュニケーションエンジニア 柳井 裕至 

寺嶋様から「若手社員の元気がない」というご相談を受けたとき、これはコロナ禍が促進させたリモートワークへの戸惑いにとどまるものではなく、それに端を発した「組織の人材育成機能低下」が起きていて、長い目で見ても看過できない問題なのではないかと思いました。

かつて、フィッツコーポレーション様の職場における社員同士の交流は、自由闊達なものだったと聞いています。上司や先輩は、若手社員が営業から戻れば「どうだった?」と声をかけ、悩んでいれば、その社員の背中を押し、若手社員が安心して仕事に集中できる状態を支援してきました。若手社員は時に悩み、時に躓きながらも前を向き、成功や失敗を通して実践的なノウハウや自信、手ごたえを積み重ねてきました。それはいざ中堅社員になって力を発揮するより所でした。職場の活気あるコミュニケーションが人材育成機能を自然と果たしてきたといえます。

しかしコロナ禍により、仕事と働き方が一気に変わり、先輩・上司でさえも戸惑う仕事環境になり、なんとか日常業務は回せるようになったが、気づくと若手社員の言動に異変が感じられ始めた。当時は「何かおかしいな」くらいの感じだったのではないかと思いますが、寺嶋様が状況を放置せず手を打たれたのは、この問題が「本来若手社員が育むべき土台の揺らぎ」にもつながりかねない、と思ったからではないかな?と思います。

私たちが提供するセッションでは、「単に元気を取り戻す」だけではなく、自発性・協働性を自身でコントロールしていくヒントを掴みとり、そのエネルギーを注ぎ込む課題の設定まで支援をしていきます。今日の環境下において、若手社員が確かな土台を固めて、前を向いて仕事に取り組んでいくために必要な力を育むことまで見据えて運営しています。

ちなみに一番のコツは「教え込まないこと」です。フィッツコーポレーション様でも、参加者は悩ましい問題をたくさん話してくれました。「ライフワークとライスワーク」という面白い表現で自分たちの現状を話してくれた方もいます。その悩みに対して「自分が同じ状況に立ったら、どのように感じ、考え、捉えて、行動していくのか?」を参加者と一緒に考え、選択肢を出しながら、最後は参加者に選択してもらう場をつくっていきます。正論を振りかざす外部講師の話なんて、自分が若手社員だったとしても聞きたくないですし(苦笑)、自分達で正解を導いていくゲームの方が、力がつくと思います。何よりその方が皆楽しんでくれます。

現在、フィッツコーポレーション様とは、セッションで見えたことを寺嶋様たちと共有し、次の打ち手を講じたり、ご相談をいただいたりしています。「新しい現実環境のなかで若手社員育成を実現する組織づくり」に向けて、一研修にとらわれず、意欲とコミュニケーションの視点からご支援できたらと思っております。

取材日:2022/06/06

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企業紹介

フィッツコーポレーション様のロゴ

株式会社フィッツコーポレーション

心地よい香りに包まれて、幸せに満たされる。 そばにあるだけで、日常に輝きや悦びがプラスされる。 フィッツコーポレーションは、「香り」を中心とした企画開発を通じて美しく心地よい、豊かなライフスタイルの創造を目指している。魅力的で世のなかのニーズに合った「売れる」商品をゼロから生み出すメーカー機能と、世界中から新しいものを発掘し、日本のマーケットに提供する商社・ディストリビューター機能の2つのビジネスモデルを持つ。

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