研修とサーベイを組み合わせたプログラムで、学び・実践・振り返りと共有のサイクルが生まれる

株式会社ミルボン

プロジェクト概要

背景・課題

これまでは業務用ヘア化粧品のみの提案でしたが、現在は「トータルビューティー」を支援する提案へとシフトしています。また、変化の時代においては、各現場の自律が不可欠であるという考えから、現場のマネジメント強化施策を検討しました。

検討プロセス・実行施策

マネジメント強化施策は5ステップで構成。研修での学習に加え、学んだことを実践し振り返る仕組みづくりを大切にしました。サーベイでメンバーの状態を把握し、学んだ内容をもとに実践し、実践後にまた状態を確認するサイクルで学びを定着させました。

成果・今後の取り組み

受講者は、今までよりも一歩踏み込んだ対話が実現し、成果につながるマネジメントができるようになりました。本施策で得た学びが「共通言語化」され共有されることで、学びを主体的に生かす姿勢が見られます。単なる個人のマネジメント強化だけでなく、組織開発を進める良い契機になりました。

背景・課題

ヘアケアからトータルビューティの提案へ

写真:田中様

当社は1960年に業務用ヘア化粧品の専業メーカーとして出発しました。ヘアケア用剤、染毛剤、パーマ剤、化粧品などを製造し、ヘアサロン向けに販売しています。1996年に、業務用ヘア化粧品専業メーカーとして国内で初めて株式を店頭公開。常に業界をリードしてきた自負があります。

私たちが掲げているコーポレートスローガンは「美しさを拓く。」、日本発(初)の世界No.1グローバルプロフェッショナルメーカーを目指しています。ヘアサロン向けに業務用ヘア化粧品を提案するだけではなく、美容業界のプロフェッショナル人材の育成を通じて、ヘアサロンに寄り添い、成功を支援することが私たちのミッションです。

現在、ヘアサロンには、ヘアスタイルだけではなく、トータルビューティーの提案が求められています。トータルビューティーとは、メイクやエステ、ブライダルなど幅広い美容を表す言葉ですが、ヘアサロンによっては、ファッションやライフスタイルといった「コト」の提案まで守備範囲を広げています。世界トップを目指すからには、当社の営業活動においても、進化していかなくてはなりません。そのため、あらためて顧客理解を深めて、提案の質を高めていく必要があるのです。

変革スピードを上げていくためには、マネジメントの強化が不可欠

ヘアサロンは中小企業や個人事業主という小さな組織が多く、サロン経営者は、日中は自らサロンワークをしているため時間がありません。そのため、私たちが商談や商品レクチャーの時間を取ることができるのは、ヘアサロンの開店前か、閉店後に集中します。どうしても働く時間が不規則になり、顧客にとっても社員にとっても生産的とはいえません。そのため、オンライン学習ツールなどIT面を強化し、日中のすき間時間活用による生産性の向上などに取り組んでいる最中です。こうした取り組みの積み重ねが、顧客の満足や企業価値の向上につながり、優秀な人材の定着や採用にもつながっていくと考えています。

今は変化の速い時代だからこそ、私たちの変革にもスピードが求められます。機動力を上げていくためには、組織のユニットをよりコンパクトにし、自律を進めていくことで、現場で素早く判断できるようにすることも重要。判断の精度を高め、顧客に価値ある提案をするためには、各現場のマネジメントを強化すべきであると考えました。

検討プロセス・実行施策

能力開発は大事だが、その能力を生かための環境がさらに大事

写真:田中様

マネジメント強化施策を実施するうえで考えていたのは、個別の能力開発ではなく、組織開発につなげていくことです。これまでも、さまざまな能力開発に取り組んできました。しかし、それでも成果が出ないケース、伸び悩むケースもあります。そういう例を見るうちに、組織のなかで一人ひとりが存在意義を感じられるように支援する環境があることが重要で、そのためには組織開発の要素が大きいと感じるようになりました。だからこそ、今回のマネジメント強化施策を実施する際にも、能力開発と組織開発がつながるプログラムが理想でした。それがリクルートマネジメントソリューションズの提案を採用した理由です。

5ステップのプログラムで新しい学びと気づきを体に染み込ませる

マネジメント強化施策の5つのステップ

マネジメント強化施策は5つのステップで構成されています。まずは「マネジメント基礎研修(M-BT)」という研修でマネジメントの原理原則を学び、全体像をつかみます。次のステップで「INSIDES」というクラウドサーベイシステムを用いて、表面には出てこない部下の心理コンディションと、一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を可視化します。続いて「フォロー研修」で、現場で実践した内容をマネジャー同士で共有、アドバイス交換をしました。さらに、「多面観察フィードバック研修(MOA)」で、実践の結果を生かし改善計画を立てて、再び「フォロー研修」でマネジメント力をさらに高めるという組み立てです。10カ月強かけてインプットと実践、そして実践結果の振り返りを繰り返すなかで、受講者が自ら「気づき」を得て身につけてほしいというねらいがあります。

1度学んだことを継続的に実践することは難しいものです。学びを普段の業務で自然に行えるようになるまで染み込ませるためには、研修だけではなく、その後に実践した結果を目に見える形で振り返り、変化の手ごたえを受講者自らが感じられるような仕組みがセットで必要だと考えました。

サーベイでチームやメンバーの状態を知ることが、知識を生かすきっかけに

組織開発という面では、「INSIDES」が役立っています。弊社はプレイングマネジャーも多く、業務に関心がいきやすいのですが、サーベイで心の状態や価値観が見えることで「人」への興味のきっかけが生まれます。笑顔の下にネガティブな心理状態が隠れていることも。それに気づくことができれば、すぐに何かしらの対応を考えられるというわけです。当社は、営業職は直行直帰が多く、マネジャーとメンバーが膝を交えて話す機会が少ないため、そういった意味でもサーベイの結果の気づきはパワフルな効果があります。こうした気づきをきっかけにして、マネジャーはそれぞれ、研修での学びを生かしながら、主体的にチームづくりを実践しているようです。

成果・今後の取り組み

研修の学びや気づきを社員が主体的に活用し、共通言語を使いヨコ展開

写真:田中様

マネジメント強化施策の効果は今も持続しています。もともと社員の連携が良い組織でしたが、ただ仲がいいというだけではなく、お互いの仕事の悩みや、悩みに対する支援という面でも有意義な対話が増えました。これにより、メンバーのパフォーマンスが高まり、明確な成果につながる事例も出てきています。やはり、組織開発が個々の能力の発揮につながるという確信が持てました。INSIDESは契約期間中、何度でもサーベイの実施が可能なので、当社では3カ月に1回程度継続して、一人ひとりのメンバーの状態を測っています。その結果をみても、全体的に右肩上がりに改善しており一連の取り組みの手ごたえを感じています。私の目から見ても、明らかに改善しているメンバーが多いです。話を聞いてみると、今回の施策中にマネジャーが悩みながらも自分を変え、アクションを起こしたことが結果につながっているようです。また、サーベイの尺度である「窮々」や「淡々」といったキーワードはキャッチーで覚えやすく、共通言語になっています。研修で学んだスキルと共に共通言語を用いて、ナレッジを共有することで、当社のマネジメントの文化が発展していると感じます。

実施後のアンケート結果でも、「上司の関わり方が変わり、自分のことを知ろうとしてくれていると感じた」であるとか、「上司が『味方だから』と頻繁に声をかけてくれるようになり、信頼して相談できるようになった」などとあり、メンバーと組織のポジティブな変化を感じられます。ほかにも「話を聞いてくれる」「任せてくれる」と感じているメンバーが増えているようです。能力開発を目的とした取り組みだけでは、こうはならなかったと思います。

受講者の声

自身のマネジメントを客観視することで、感覚マネジメントから脱する
FP本部 福岡支店 福岡営業所 FMS二課 マネジャー
秋谷 誠様


今年からマネジャーをしています。プレイングとして担当を持ちながら、メンバーを通じて成果をあげることにも注力しています。

INSIDESの結果を見たときは、実はショックを受けました。
関係性はいいので、もっと充実していると思っていたメンバーが、「窮々」という最も悪い結果だったのです。

レポートを見ながらいろいろと自問自答しました。自分自身は「調和重視」という性格で、彼の「結果重視」とは逆に位置する価値観です。もしかしたら、これまでは、自分のやり方を彼に押し付けていたのではないか、もっとメンバー一人ひとりに合わせた対応をしなければならないのではないか、と。

そのうえで、育成方針に関して結果を見ながら上司とも相談しました。レポートと照らし合わせて「彼の場合は課題が明確だよね。逆にやりやすいと思うよ。」と言われて、確かにな、と自分にはなかった視点に気づきました。

結果重視の彼に合わせて、言葉で言うより結果を出させてあげた方がいいと思い、新しく社内コンペの仕事にアサインを決めました。研修を通じて、どう動機づけるかを考えていたなかで、「全社的にも注目度が高い取り組みでリーダーとやってみてくれない?」と彼に声をかけると、目をキラキラとしてやる気になってくれました。結果も社内コンペでトップの成果となり、私としても非常にうれしかったです。この取り組みのあとのINSIDESの結果は「充実」に変わっていました。

以前から言葉で納得させるよりも、自分で成果を上げて周りからも認めてもらうことが、彼はもっと伸びるんじゃないかと薄々は分かっていましたが、実際にそういった支援はあまりできていませんでした。

研修やINSIDESを通して、感覚的なマネジメントから狙った成果を上げるためのマネジメントに変わり、成長することができたと実感しています。自身のマネジメントを客観視することで、自分のやり方から抜け出せることができたのだと思います。

メンバーの声

モヤモヤとした時期もありましたが、今はとても充実しています。
FP本部 福岡支店 福岡営業所 FMS二課
大槻 佳生様


いまは、本当に良いメンバーに囲まれてイキイキと働けています。上司の秋谷さんは、いつも話を否定せずにしっかりと聞いて、受け止めてくれるので、グループの雰囲気もとてもいいです。

しかし実は以前、前の上司のころからの評価に納得できていないことを引きずっていた時期がありました。自分はこれだけ頑張っているのに、それが評価されないとは不公平だ、と考えてモヤモヤしていました。秋谷さんとの関係性は良かったのですが、このモヤモヤはしばらく続いていました。

そんなあるとき、秋谷さんと「自分のやっている仕事の中身が、みんなに伝わってないんじゃないか」という話になり、全社コンペに関わる機会をもらいました。自分のこれまでの取り組みを披露したら、全社で認められるかもしれない、とすごく燃えました。

結果として賞を頂くこともできて、本当にうれしかったです。自分の活動が、言葉だけではなく実績もともなう形で評価されて、今まで頑張ってきたことは間違いじゃないんだと思えました。この取り組みを通じて、活動をすることと同じくらい、周囲に共有することの大切さにも気づきました。自分が気づいたこと・取り組んだことを会社の財産にしなければならないということを学ぶことができ、本当に印象に残った仕事です。

認められることも増えてきて、今までで一番充実しています。

写真左:秋谷様/写真右:大槻様

(写真左:秋谷様/写真右:大槻様)

「参加したくなる学びの場」をつくり、社内全体へと学びを広げていきたい

今後は、取り組みに対する支援を一層、強めていきたいと考えています。より多くのマネジャーたちの実践度合いを高め、PDCAのサイクルを加速していくことが取り組みのポイントです。もともと主体性や遂行責任を大切にしている風土ですので、今回生まれた好事例を広げていくことで、この取り組みによる個々の学びを組織全体に展開していけると期待しています。

うれしい変化をたくさん感じられた取り組みでしたが、組織開発は継続しなければ取り組みの効果は薄れていく一方です。そうならないためにも、「この研修は良かったよ」「あなたも出た方がいいよ」と口コミで広げて、一連の取り組みの魅力を高めることによって、「参加したくなる学びの場」にしていきたいと思っています。そうして、また受講者が結果を出すことによって、社内全体に広げていければと。まだまだ組織開発は道半ばですが、ゆくゆくは自社だけではなく、美容業界やそのお客様にも好影響を与えられる企業を目指したいと考えています。

ソリューションプランナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー
山崎 亮


今回の取り組みは、「職種やメンバーが変わっても発揮できる、真のマネジメント力」の獲得を目指していました。実現に向け、講師・人材開発部門の皆様とこだわったのは下記3点です。
(1)「学ぶ→実践→共有」のサイクルを徹底する
(2)共通言語の提供 ※マネジメントの原則やINSIDES
(3)受講者の上司を巻き込む
上記(3)については、受講者の上司から本施策への理解・職場のサポートを頂くために、時には同じ研修にご参加いただくこともありました。既存業務も多忙ななか、受講者(マネジャー)1人での挑戦は大変です。(1)(2)(3)がそろうことで、職場での実践が進む→マネジャーも手ごたえを感じる→振り返って持論化する→真のマネジメント力獲得へつながる、というストーリーが完成しました。
ミルボンの皆様は意欲・活力がとても高く、ご提供したツールや研修の場をきっかけに、どんどんチャレンジをされていました。そのお姿から何度も元気を頂き、本取り組みに携わらせていただけたことを誇らしく、ありがたく感じています。

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企業紹介

株式会社ミルボン
業務用ヘア化粧品の専業メーカーとして1960年に創業。ヘアケア用剤、染毛剤、パーマ剤、化粧品などを製造販売している。国内美容室マーケット最大手。1996年の株式公開以来、業容は順調に拡大している。教育を中心としたフィールド活動によって、世界の国・地域の美容に地域貢献し、日本発(初)世界No.1のグローバルプロフェッショナルメーカーを目指す。