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導入事例

「苦手なタイプ」をなくすソーシャルスタイル理論で、事業拡大の礎となる営業力と採用力をレベルアップする

日本住宅株式会社

「苦手なタイプ」をなくすソーシャルスタイル理論で、事業拡大の礎となる営業力と採用力をレベルアップする
  • 公開日:2018/04/16
  • 更新日:2024/04/20

事例概要

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背景・課題

土地オーナーや地場の不動産会社、金融機関と、綿密なコミュニケーションを重ねながら土地活用の提案を行う日本住宅の営業担当者。コミュニケーションを通じ多様なお客様・関係者と信頼関係をつくれるかが課題でした。

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検討プロセス・実行施策

「ソーシャルスタイル理論」に基づく対人スキル・コミュニケーション向上研修(STAR)を実施。ソーシャルスタイルを理解し、その上で「苦手なお客様」への対応性を高めて、機会損失を減らすための挑戦がスタートしました。

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成果・今後の取り組み

営業担当者の対応性が向上して機会損失が減少し、相互理解の不足から生まれる社内のコミュニケーションロスも減少。全社的にソーシャルスタイル理論を導入し、社内講師の育成もスタートしました。採用や育成、配属にも役立てる予定です。

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背景・課題

さまざまなお客様の期待に応え、社員の個性を認め合えるコミュニケーション力を磨きたい

さまざまなお客様の期待に応え、社員の個性を認め合えるコミュニケーション力を磨きたい

当社は岩手県盛岡市に本社を置き、土地オーナー様の資産活用を目的とした賃貸住宅、アパート、中高層賃貸マンションなどの提案から、設計・施工・維持管理まで幅広く行っています。1984年の創業時から、地場の不動産会社や金融機関と密接な関係を築き、東北地方では大手ハウスメーカーに負けない実績を積み上げてきました。2011年からは東京にも進出し、関東エリアで支店を増やしています。

土地オーナー様のご要望に沿った、「オーダーメイド型経営」を実現できるところが当社の強みです。土地のポテンシャルやオーナー様の希望を反映した自由設計を得意とし、さらに「物件を自分で管理したい」「付き合いがある会社に任せたい」など管理方法のリクエストにも柔軟に対応しています。

「オーダーメイド型経営」を標榜する当社の営業担当者は、土地オーナー様をはじめ、地場の不動産会社や金融機関など、さまざまな人と綿密なコミュニケーションを重ねることを大切にしています。どのようなタイプのお客様からも、しっかりと信頼いただける関係を築けることが重要になりますが、営業担当者のコミュニケーションの力量が足りないことで、関係者の方々と信頼関係をつくれない場面もありました。多様なお客様を深く理解し、ご期待に応えられるようなコミュニケーション力を身につけること、そして、社内でのコミュニケーションを活発にし、個性が認められ、社員がより働きやすい環境をつくることが、長年の課題でした。(中村様)

売り手市場で、優秀な人材を計画どおりに採用したい

さらに、空前の売り手市場と言われるなかで、魅力的な人材を採用していくことも課題です。当社は事業拡大期のため、多くの優秀な人材に入社してもらいたいと思っています。一般的には「社交的」「押しが強い」といったタイプが営業向きだと思われるかもしれませんが、こつこつデータを積み上げて丁寧な説明をするような人が成長し、営業向きと思われていた人を凌ぐ成績を残すようになったという社内事例もあります。現在はポテンシャルを感じられる人を幅広く採用し、入社後にそれぞれの持ち味を育てる「育成」に重きを置いています。

新卒採用の場合、入社3カ月間はOFFJTを中心とした研修を実施しています。その新人のスキルだけではなく、パーソナリティを見定めて、強みを伸ばし育成していくことが理想。さらなる成長に向けて、若手社員の早期戦力化を目指す上でも、受け入れ側の体制を整える必要があると考えています。(大畑様)

当社には、事業の成長に向けていろいろな取り組みを行っています。まずは営業場面でのお客様とのコミュニケーションロスを減らすために「ソーシャルスタイル理論*」を取り入れることにしました。「ソーシャルスタイル理論」とは、他人から見たその人の態度を、4つのタイプに分類したもの。自分のタイプを自覚し、また相手のタイプを把握することで、コミュニケーションをアレンジするためのものです。「ソーシャルスタイル理論」に基づく対人スキル・コミュニケーション向上研修(STAR)を提供しているリクルートマネジメントソリューションズに相談し、まずはいくつかの支店でトライアルを実施することになりました。(中村様)

* 行動科学に基づく、個人の特性分類の一種。感情表現度と自己主張度から4つのコミュニケーションスタイルに分類し、統計的な研究に基づき、スタイルごとの性格的特徴(タイプ)を推測するもの。この理論を応用し、各スタイルの判別と性格的特徴を考慮した対応を行うことで、対人コミュニケーションスキルのレベル(以降「対応性」と記載)を高めることができる。
*4つのソーシャルスタイルと「STAR研修」についての詳細はこちら

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コンサルタントの声

松木知徳の顔写真

相互理解不足によるコミュニケーションロスの発生が
企業戦略の実現を阻害する大きな問題になります。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ プラットフォーム事業開発部 コミュニケーションサイエンスグループ マネジャー 松木知徳

研修を実施するにあたり、営業部門にヒアリングを行い、上司から部下への指示する場面などで、経験と勘に依存する傾向があることが分かりました。日本住宅様は拡大期で、新しい支店を増やし、新規のお客様を開拓しているところですが、そのなかで着実に成果を出していくためには、個人の経験による営業から科学的な営業にシフトすることが必要でした。ソーシャルスタイル理論を軸に、「ソーシャルスタイルごとに契約率がどのくらい違うのか」「苦手なタイプのお客様と、そうでないタイプのお客様を比較したときの契約率の違いはどうか」など数値化し、分析することが、営業を科学するための第一歩になると考えました。しかしながら、むしろ重要なのは、日本住宅様ならではの育成やマネジメントの品質向上、生産性の改善につながることです。

ご提案の入り口は営業の機会損失を減らすことでしたが、ディスカッションを重ねていくうちに、上司と部下、営業と技術など日常のさまざまなシーンにおいてもコミュニケーションロスが発生していることが分かりました。社内でロスが発生すると、それが回り回って企業のサービス価値やお客様の満足度にも悪影響を及ぼします。さらに、若手社員の早期育成の障害になり、退職の引き金にもなり得る問題です。そのため現在は、現在はソーシャルスタイル理論の考え方を取り入れて社内コミュニケーションのロスをなくす取り組みを、支援しています。コミュニケーションのロスは、企業の戦略そのものに影響します。これは日本住宅様だけではなく、世の中すべての企業にあてはまることなのです。

検討プロセス・実行施策

営業の対応性が向上し、社内のコミュニケーションロスも軽減

営業の対応性が向上し、社内のコミュニケーションロスも軽減

STAR研修では、支店長から新人まで、トライアル対象の支店で働く全員に360度サーベイを行いました。日常の自身の行動が他人からどう見られているのか知ってもらうためです。その上で、営業担当者は自分の苦手な商談シーンを振り返りつつ、相手のソーシャルスタイルへの対応性が重要であることを学びました。

どんなお客様に対しても同じ営業スタイルでアプローチし、伸び悩んでいた若手の営業担当者は、自分の対応の仕方に問題があったことを自覚したようです。お客様にとってより望ましいコミュニケーションのあり方を学ぶことで、アナリティカル*1のお客様には商談に先んじて資料をお送りする方が喜んでもらえそうだ、ドライビング*2のお客様には本題から入るとご期待に応えられやすい、など、研修の学びがさっそく生かされているようでした。

また、トライアルを進めていくなかで、コミュニケーションが原因のロスが、社内でも発生していることが浮き彫りになりました。営業担当者と技術者のコミュニケーションがうまくいかないと、お客様の要望に応える建物をつくることができないので社内のコミュニケーションは極めて重要です。ソーシャルスタイル理論の有用性が確認できたこともあり、研修の適用範囲を広めて営業部門の全支店にて取り組むことにしました。(中村様)

支店内のメンバーのソーシャルスタイルが分かったことで、社内のコミュニケーションも円滑になっています。例えば、エクスプレッシブ*3の上司は、部下に何か意見を求めたとき、すぐに答えが返ってこないと「何も考えていないのか!」と勘違いしがちです。しかしアナリティカルの部下は、じっくり考えてから発言をするタイプ。部下が何も考えていないのではなく、じっくり考えて答えを出そうとするタイプなのだと分かっていれば、対応も変わります。限られたメンバーが、拡散的に話すだけでまとまらなかった会議が、ドライビングが仕切り、エクスプレッシブがアイディアを出し、アナリティカルがそれをまとめる、というようにそれぞれのタイプを生かして役割分担した結果、有意義なものになったという現場の声もありました。

私はもともと相手に合わせてコミュニケーションを変えることを意識しており、上司に対して客観的な数字を根拠に話したり、「5分だけお時間いただけますか?」と断りを入れてから話したりしていました。それが研修を経て、ソーシャルスタイルごとの対応のポイントがより明確になったと感じます。私達と同じように、ソーシャルスタイル理論から気づきを得た社員は多く、4つのソーシャルスタイルがドラ(ドライビング)、エク(エクスプレッシブ)、アナ(アナリティカル)、エミ(エミアブル*4)という具合に略されて、共通言語になりつつありますね。(大畑様)

*1 アナリティカル(分析型):感情も意見も表に出さないタイプ。形式や論理性を重視し慎重な印象。
*2 ドライビング(実行型):感情を表に出さず、意見を主張するタイプ。意思決定が早く厳しい印象。
*3 エクスプレッシブ(直感型):感情も意見も表に出すタイプ。社交的で表現豊かな印象。
*4 エミアブル(友好型):感情は表現するが、自己主張は控えるタイプ。協調的で優しい印象。

*4つのソーシャルスタイルについての詳細はこちら

成果・今後の取り組み

人材採用や育成、配属にもソーシャルスタイル理論を応用し、強みを生かした関係づくりを支援

人材採用や育成、配属にもソーシャルスタイル理論を応用し、強みを生かした関係づくりを支援

当社は新卒採用の場面でも、ソーシャルスタイル理論を活用しています。例えば、アナリティカルの学生さんは、物静かで自分からあまり話さない傾向がありますが、だからといって「自分の意見がない」のではなく、「よく考えて、言葉を選んでいる」と捉えることもできます。営業担当者として活躍できるポテンシャルを持っているのにもかかわらず、こちらの理解が浅いことで「営業向きではない」と安易に判断してしまうようなことを防ぎたいのです。さらに、新人のソーシャルスタイルを考慮し、最も成長しやすいと思われる職場に配属するなど、配置・配属にも応用することで、新人の個性や強みに着目し、伸ばしていけるような仕組みをつくりたいと思っています。(大畑様)

面接から入社までの流れのなかでも、ソーシャルスタイル理論の有用性を感じます。今は売り手市場ですから、ぜひ入社していただきたいと思った人が、実際に入社してくれるとは限りません。当社を選んでもらうためには、応募者の方と当社との丁寧な相互理解が重要です。面接でもご自身のことを気持ちよく話せる対応ができるよう工夫したり、内定後もフォローを通じて内定者同士や、当社の社員との連帯感や信頼感を醸成したりしています。そうした丁寧な関係作づくりの場面においても、ソーシャルスタイル理論を生かしていければと考えています。(中村様)

「チャンスは平等、実力主義」を実現する組織をつくる

「チャンスは平等、実力主義」を実現する組織をつくる

ソーシャルスタイル理論を取り入れたことで、浮き彫りになった課題もあります。それは例えば、ドライビングの多い支店では同じ行動傾向を持つドライビングが評価されやすくなる可能性がある環境だということ。この問題が、アナリティカルやエミアブルの新人の受け入れや育成の面で摩擦を生む原因になる可能性もあります。受け入れる側が自分のソーシャルスタイルを理解した上で、相手に合わせて意識を変えていく必要があると感じています。(中村様)

それと関連するところで、ソーシャルスタイル理論は対応性を高めるためのものなのに、「自分と似ているタイプを配属してほしい」という話になり、同じようなタイプばかりの支店になってしまっては意味がありません。4つのソーシャルスタイルの社員が、それぞれの個性を生かし、相乗効果を発揮する支店になるように、会社全体で人材育成や最適な人材配置を考えていくべきだと思います。(大畑様)

研修を経て新たに生まれた今後の目標は、ソーシャルスタイル理論を社内により浸透させていくことです。その実現に向け、これから社内講師育成に取り組んでいきます。ソーシャルスタイル理論の浸透が、社員一人ひとりの対応性を高め、コミュニケーションを円滑にし、ダイバーシティの実現にもつながっていくことでしょう。そして、当社が掲げている「チャンスは平等、実力主義」という精神を、本当の意味で実現する組織を目指していきたいです。(中村様)

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受講者の声

佐藤 誠(さとう まこと)様の顔写真

苦手なお客様にもうまく対応できるようになり
部下とのやり取りで生じるストレスも激減しました
常務執行役員 営業本部副本部長
佐藤 誠(さとう まこと)様

ソーシャルスタイル理論を知る前から、お客様はいくつかのタイプに分けられるのではないかと思っていました。そんな「なんとなくのお客様のタイプ」が、ソーシャルスタイル理論によって裏づけされるような感覚があり、研修の内容はかなり腹落ちしましたね。多くのベテランの営業担当者も、私と同じことを感じていたようです。

ただし、以前は、苦手なタイプのお客様にはうまく対応がうまくできず、「あきらめている状態」だったことも事実。ソーシャルスタイル理論の学びを生かして、苦手なタイプのお客様から短期間で契約をいただくことも増えてきました。例えば、アナリティカルタイプのお客様には、事前に必要な情報をメールで送って、じっくりと考えてもらう時間をつくります。そうすることで、商談の場で納得して答えを出してもらえるという具合です。

対顧客はもちろん、部下とのやり取りでも、ソーシャルスタイル理論の効果を実感しています。これまで私は、部下に意見を聞いたとき、すぐに返事が返ってこないと「意見がない」と思い込んでいました。今は、アナリティカルの部下に対しては、「明日までに考えてくれ。ゆっくり考えればお前はできるんだから」と伝え方を変えています。このように部下のソーシャルスタイルを踏まえてコミュニケーションを変えることで、お互いのストレスが激減しました。

自分がこれまで部下に対して未熟な指導をしていたことも分かったので、ソーシャルスタイル理論を社内に浸透させる社内講師を目指して準備をしているところです。ソーシャルスタイル理論の伝道師として、営業力強化と社内コミュニケーションの向上、社員がイキイキと働くことができる環境づくりにつなげていきたいと考えています。

取材日:2018/04/16

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企業紹介

日本住宅株式会社

1984年創業。「ビズハウジング=経営を売る」という独自のビジネスモデルを基盤に、賃貸住宅の企画・立案・設計・施工および販売ほか、5つの事業を展開。土地オーナーと入居者双方の2つの満足を実現する、入居率の高い賃貸住宅を経営ノウハウとともに提供することで、近年急成長を遂げている。

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