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導入事例

行動変革につながる社員満足度調査で、「働きやすい」から「働きがいのある」会社へ

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

行動変革につながる社員満足度調査で、「働きやすい」から「働きがいのある」会社へ
  • 公開日:2013/12/18
  • 更新日:2024/04/20

事例概要

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背景・課題

2000年ごろからIT業界全般で厳しい労働環境やメンタルヘルス問題が取り上げられるように。「働きやすい会社」を目指して職場改善をするために、社員の状況を細かくモニタリングしたいと考えていました。

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検討プロセス・実行施策

2004年から「社員満足度調査」を開始。調査結果を各組織の管理者へ報告書のみ渡すのではなく、「考えるヒントを提供するフィードバック」をすることを心がけ、職場改善につながるように工夫。社員満足度は年々向上しています。

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成果・今後の取り組み

「働きやすさ」という点では業界トップレベルの域に。次は社員一人ひとりが「働きがい」や「成長の喜び」を感じられる環境づくりが目標です。国内外で有効活用するため調査方法も見直し、進化させます。

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背景・課題

働きやすい環境づくりの指標を求めて

働きやすい環境づくりの指標を求めて

当社は1988年に設立し、公共分野、金融分野、製造・流通・通信の法人分野向けのシステム、さらに業界横断的な社会インフラサービスなどを提供しています。2005年からは本格的に海外ビジネスを拡大し、現在35の国と地域に拠点を持ち約6万人の社員を擁するまでになりました。グループビジョンには、「Global IT Innovator」を掲げ、ITサービス市場におけるGlobal Top 5を目指しています。

お客様の課題を人と技術の力で解決に導くことを生業とする私たちにとって、社員一人ひとりが財産であり、企業成長の源泉です。そのため、上場や海外進出などのステップを踏んで事業規模が拡大を続けるなか、社員がどのような状態に置かれているのかモニタリングする必要性を感じていました。ご存じの方も多いと思いますが、2000年ごろからIT業界全般で過重労働やメンタルヘルスについて問題視されるようになり、当社においても、社員がどんな想いで職務についているのかを把握することは喫緊の課題だったのです。

最初は自社で質問冊子を作成し「社員満足度調査」をスタートしたのですが、手間がかかる割に満足な回答を集めることができませんでした。実際にやってみて、調査をシステム化し、回答者を増やして、結果を正しく分析するためには、外部パートナーの協力が欠かせないことが分かったのです。そこで2004年からは、豊富なナレッジと柔軟性を持つリクルートをパートナーに迎えて新たな「社員満足度調査」を開始しました。

「5つの軸」で社員満足度をはかる

「社員満足度調査」で重点的に集める情報は、心身の健康状態と「5つの軸」で見る満足度です。「5つの軸」というのは、「仕事」「上司」「職場」「会社」「人事施策」のこと。これらを軸にして社員の状態をはかるためには、どんな設問をつくるべきか毎回試行錯誤してきました。これに加え、より調査結果を効果的に活用するために、結果の読み方を学んだり、その結果をもとにどんな改善を行っていけばよいか検討並びに意見を取り交わすワークショップを開催したり、個別のフォローアップなど職場改善プログラムを提供したりと、さまざまな施策を行っています。

調査結果は職場における問題の共有と、その改善に大いに役立てられてきました。例えば、ある職場の慣習や風土にメンバーがストレスを感じているなど、具体的な課題を見つけて手を打つと、次の年の調査では改善の兆候がハッキリと見えるのです。小さな改善の積み重ねが、会社全体を変えていく。「社員満足度調査」を通じて職場環境が良好になっていく様子から、お客様の課題を分析し、その解決に向けて全精力を注ぐという、当社特有のDNAのようなものを感じることもできました。

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ソリューションプランナーの声

現場を動かす調査をつくりたい、そんな想いでお手伝いさせていただいています
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
担当ソリューションプランナー

当然ですが、「社員満足度調査」の目的は調査そのものではありません。結果をもとに、現場にいる社員のみなさんが課題解決に向けて動き出せるように支援することが、パートナーである私たちの役割です。調査結果のデータの読み方や活用の仕方を学ぶためのワークショップの実施をはじめとして、マネジメントに精通した弊社のトレーナーを加えて、調査のフォローアップのためのマネジメント研修を実施するなど、さまざまなかたちでお手伝いをさせていただきました。

NTTデータ様とのやり取りの中で感じるのは、「調査にかける想いの強さ」。管理者の方が調査結果を真摯に受け止める土壌ができたのは、人事部をはじめ、各カンパニー等の組織窓口担当のみなさまの働きかけがあってこそだと思います。2013年度には調査を進化させる一環として、弊社が行っている「持続的成長企業研究」を反映させた新しい形へと変更しました。業界トップランナーの新たな挑戦に力添えさせていただいていることに、大きな誇りを感じています。

検討プロセス・実行施策

「刺さるフィードバック」で組織を動かす

「刺さるフィードバック」で組織を動かす

社員満足度調査の結果を、そのまま職場にフィードバックするのでは、宝の持ち腐れになってしまいます。そうならないために事務局では「職場改善につなげる伝え方」を意識してきました。前述のワークショップを含む職場改善プログラム提供と並行して、「社員満足度調査をこのように活用して職場を改善した」という成功事例の共有も行っています。改善度の大きかった部署のリーダーに、具体的な取り組みや職場の変化について講演をしてもらったり、社内ホームページで成功事例を紹介したりして、さまざまなトピックスを全社に届ける工夫をしているのです。

しかしながら、全く同じこと・同じやり方を違う職場で実施しても、期待する改善効果をあげられるとは限りません。プロジェクトの規模や仕事の内容・環境などが職場ごとに異なるためです。よって現在は、対象組織のプロジェクトやチームに合わせた結果報告の仕方を考え、これまでより一歩進んだ「考えるヒントを提供するフィードバック」を心がけています。例えば、「労働時間と仕事の充実感を照らし合わせてみるとこんな相関性を読み取ることができます」「中期経営計画の達成に向けて、調査におけるこの項目が懸念事項です」などと職場状態と経営をつなぐような見解を加えることで、調査結果が職場はもちろん、会社経営全体に影響を与える重要な情報であることを認識していただきたいのです。

「社員満足度調査」には、数字が意味するものや、数字から推察できることまで、各組織で考えられるようにするための「つなぎ」が必要です。それがないと上辺の数字に引っ張られて、その裏にある「本当の要因」を見誤ることになってしまいます。調査にかける「想い」を知ってもらいつつ、各組織が活用できるデータにしていくこと。この積み重ねが会社を変えていくために必要なのではないでしょうか。

おかげさまで当社では、リクルートの調査によると、近年ではIT業界でトップクラスの社員満足度を得られています。「この会社に勤めてよかった」という社員が多いのはうれしいことですが、これで満足しては会社としての成長は止まってしまうでしょう。さらなる成長には「働きやすさ」の先にある「自己成長」と「企業貢献」も必要だと考えています。会社に対する満足だけではなく、仕事を通じた「働きがい」を感じられる会社にしたい―。これが次に目指すゴールです。

成果・今後の取り組み

調査内容を「働きやすさ」から「働きがい」にシフト

調査内容を「働きやすさ」から「働きがい」にシフト

社員が「働きがい」や「誇り」を感じられる会社にするためには、社員満足度調査でどのような設問をつくるべきなのか。2013年度に開始する新しい調査内容の構想には約2年間という時間を費やすことになりました。先述の職場や上司などといった「5つの軸」は欠かせない項目としつつも、目指すゴールをさらに高い目標にしたので「チャレンジ意欲」や「将来への期待」などを推し量るための、全く新しい設問を用意する必要があったのです。

人は多くの時間を仕事に費やしています。人生の充実と仕事は密接な関係にあると言えるのではないでしょうか。社員一人ひとりが今の人生に納得しているのか、もしくは、会社がそのきっかけを与えられているのか、というのはとても重要なこと。社員が目の前の仕事にやりがいや意義を感じられていない状況だったとしたら、価値ある人生を生きていると思えなくなるかもしれません。

そのような観点から改めて考えると、はたして社員はどんな時に幸福を感じるのか。例えば自分の能力を高めながら困難な課題を解決した社員は、より大きな仕事に向かう自信を手に入れることになります。また60歳以上の再雇用社員も、後輩に技術を伝承していくことができたらうれしいでしょう。こうした様々な社員の成長が積み重なって、会社の持続的成長の原動力になっていくはずです。つまり社員一人ひとりに働きがいを感じてもらうためには、マネジャーがどのような仕事をアサインするのかが大きな影響を与えることになります。そのため、組織の重責(役割)を担うミドルマネジャーのフォロー施策とも連携していく予定です。

世界レベルの「働きがい」をめざして

調査内容と並行して、オペレーションの見直しも随時進めています。グループ会社を含めて何万人という大規模調査を実施するわけですから、効率化は必須。調査対象者の負担を減らすことは、回答の質を高め、日常業務への影響を軽減することにもつながります。そのための取り組みの一つとして、40分かかっていた回答時間を約半分に短縮しました。この実現には、メンタルヘルスに関する質問項目を刷新したことが寄与しています。社内のノウハウを利用して、組織的な健康度をはかるために最低限必要な7問にしぼり込み、その結果に応じて追加調査を行うという仕組みを作りました。

グループ会社は国内外にあり、それぞれ確認したい内容も異なります。国内グループではリクルートの調査を行っていますが、海外グループにおいては各社が独自の調査や分析を行っています。調査の簡素化を図りつつも、必要なところは深掘りしていくという、多様性に対応するやり方を生み出せれば、「社員満足度調査」をグループ全体で活用することができるようになるでしょう。そして、こうした取り組みが、「世界で一番働きがいのある会社」に近づくための一歩になってくれればと願っています。

取材日:2013/12/18

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