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導入事例

コーチング研修が養う、部下のキャリア形成を積極的に支援する組織づくり

持田製薬株式会社

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  • 公開日:2024/12/16
  • 更新日:2024/12/16

事例概要

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背景・課題

私たちは、当社グループが目指す「2031年のありたい姿」を策定し、その実現には一人ひとりが仕事内容や仕事に対する姿勢を変えていく必要があると考えました。そのため、まずはメンバーの不安を払拭し、エンゲージメントを高めることが重要でした。
加えて、医薬開発本部では、比較的若く経験値が少ない管理職が多いことから「部課長層のピープルマネジメント」も課題であり、上司・部下のコミュニケーションの質と量を高める必要がありました。

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検討プロセス・実行施策

「部課長層のピープルマネジメント」への対策として、2022年度下期に開始した「部課長向けコーチング研修」は、組織変革の第一歩として、部課長がメンバーに働きかけるスキルや意識を高め、コミュニケーションを活性化させるために導入しました。2023年度、2024年度も継続して実施しています。コーチングスキル研修と個別コーチングを両輪で実施し、実践につなげている点が本研修計画の特徴です。

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成果・今後の取り組み

実施前には上司対部下の日常業務以外でのコミュニケーションが不足していましたが、研修導入から2年目の2023年度の終わりには、研修講師から「受講者たちの部下育成に対する熱い想いが印象的だった」というフィードバックがありました。研修を通して、自主的に部下と面談機会を増やしたり、部下のキャリア形成の支援に取り組む部課長が出てきました。定量的にはエンゲージメントポイントも向上したことが分かりました。

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背景・課題

上司対部下のコミュニケーションの質と量を高め、事業変革を目指す

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持田:私たち持田製薬グループは、2022年に長期ビジョンを具体化し、当社グループが目指す「2031年のありたい姿」を策定しました。「医療・健康ニーズに応えることで、グローバルにも存在価値を認められる特色ある生命・健康関連企業グループとして成長する」という目標を立てたのです。

難治性疾患・希少疾患への取り組みや、新たな創薬モダリティへ挑戦すること、また現在の事業領域に加えてバイオマテリアル事業を柱の1つとして推進してゆくこととしました。グローバル展開も見据えています。

大畑:これは私たちにとって、大きな変化を意味しています。持田製薬はこれまで、海外の製品や開発品を日本に導入し、開発後期から国内での臨床開発を行うことが中心となっていました。しかし、今後はそれに加えて、新規モダリティや希少疾患治療薬へも事業展開を広めるために、早期開発にもチャレンジすることになります。これまで当社の強みである着実なオペレーション能力に加え、早期開発を行うために開発戦略立案から着手できる知識・スキルを習得し、仕事に対する姿勢を変えていく必要があると考えました。

私たち、部門幹部のミッションの1つは、「ありたい姿」の実現に向けて医薬開発本部を変革することです。「ありたい姿」を発表した2022年度は、多くのメンバーが「果たして自分は新規モダリティ品開発に通用するのだろうか」「私たちにできる仕事は将来残っているのだろうか」といった漠然とした不安を抱えていました。

従業員意識調査における「エンゲージメントポイント」が低かったことを掘り下げる幹部とメンバーとの対話から、事業変革と組織変革にあたっては、まずメンバーの不安を払拭することが必要だと気付き、それによってエンゲージメントを回復することが欠かせないと考えました。

もう1つ、課題としてあったのは「部課長層のピープルマネジメント」でした。医薬開発本部は全社のなかでも20代メンバーが多く、その上の部課長層も若く、比較的マネジメント経験が浅い管理職が多いです。特に課長たちは基本的にプレイングマネジャーで、マネジメントに多くの時間を割きにくい状況にありました。そのため多くの管理職が、部下と日常業務以外のコミュニケーションをほとんど取れていませんでした。早急に、上司・部下のコミュニケーションの質と量を高める必要がありました。

持田:従来の導入品後期開発に求められるのは、着実な業務遂行です。ですから、これまでは過去事例の十分な調査を行い、一人ひとりが真面目かつ真剣に自業務に取り組むことが重要であり、強みとなっていました。

しかし今後、希少疾患治療薬や新規モダリティ品の開発を行うには、管理職が中心となって、自発的かつ活発なディスカッションを行い、部門全体で一丸となって前例の無い開発案件に取り組む戦略立案力のある組織に変わる必要があります。そうすることで、不確実性が高く、的確な戦略とリスク評価が必須となる新薬開発ビジネスで成功を収めることを目指すのです。

検討プロセス・実行施策

部課長がメンバーに働きかけるスキルや意識を高めるために「コーチング研修」を導入

大畑様の画像

大畑:私たちは、当初から「部課長向けコーチング研修」の導入を決めていました。部課長がメンバーに働きかけるスキルや意識を高め、コミュニケーションを活性化させることが、組織変革の第一歩だと考えていたからです。

持田:さまざまなコーチング研修を比較し、最終的にリクルートマネジメントソリューションズを選んだのは、私たちの要望や状況をよく理解したうえで、きめ細かなカスタマイズをしてくれたからです。個別コーチングの併用や、マネジメントスキルに関する研修と組み合わせた実施を提案してくれるなど、柔軟でスピーディーな対応にも好感を持ちました。

大畑:私たち独自の要望の1つは、「部課長層に自組織のビジョンをより深く理解してもらい、自らの言葉で部下に説明し、変革を実行してもらう」ということでした。「2031年のありたい姿」は、あくまでも全社の長期ビジョンです。メンバーに腹落ちしてもらうためには、「ありたい姿」を踏まえて、医薬開発本部の具体的かつ比較的近い未来である中期ビジョンを定める必要がありました。

そこで私たちは、本部長を中心に部課長まで入れて話し合い、「医薬開発本部の3年後の絵姿」を設定することにしました。その後、部課長たちはコーチング研修を受講し、部下へコーチングする際に「3年後の絵姿を自分自身の言葉で部下に語る」ことを期待していました。リクルートマネジメントソリューションズは、このような独自の要望にも丁寧に対応してくれました。

「コーチングスキル研修」と「個別コーチング」を両輪で実施し、実践につなげる

大畑:こうして2022年度下期、「部課長向けコーチング研修」を開始しました。2023年度、2024年度も継続しています。本研修計画の特徴は、コーチングスキル研修と個別コーチングを両輪で実施していることです。

「コーチングスキル研修」は部課長全員が参加するもので、部下のモチベーションを高めたり、部下の意見を引き出したりする対話スキルを学び、実践につなげていくプログラムです。加えて、一人ひとりに個別コーチングを受けてもらっています。コーチからスキルフィードバックを受けると共に、自らがコーチングの効果を体感し、理解を深めるための施策です。

神田様の画像

神田:私は2023年にマネジャー(課長)に昇格し、現在はコーチング研修の運営者であると共に、受講者の1人でもあります。

受講者として一連の研修を受講し、忘れたくても忘れられないほどコーチングスキルを効果的に吸収することができたと感じています。

コーチングスキル研修で学んだことを、現場ですぐに実践し、個別コーチングで実践結果を振り返るというサイクルを繰り返す構成になっているからです。学びを実践し、コーチと共に振り返り、また学んで実践する。そのように段階を踏んでいくと、コーチングスキルが自然と身につくのです。

また、個別コーチングでは、コーチが私を励ましながら、私自身も知らなかった自分の一面を引き出してくれるコミュニケーション技術に驚きました。私もこういうふうに部下に接すればよいのか、部下のモチベーションや能力をこうやって引き出していけばよいのか、とおおいに参考になっています。個別コーチングを受けることで、私も部下によりよいコーチングを実践したいという気持ちが強まりました。

成果・今後の取り組み

部課長が自主的に部下と面談するようになり、エンゲージメントポイントが改善

持田製薬の皆様の画像

大畑:コーチング研修を始めてから、部課長たちは明らかに変化しています。実施以前の2022年度上期は、上司・部下のコミュニケーションは不足していて、なかには部下と何を話せばよいのか分からないという声もありました。

ところが、研修導入から2年目の2023年度の終わりには、研修講師から「受講者たちの部下育成に対する熱い想いが印象的だった」というフィードバックをもらったのです。自組織のことを指しているとは思えず、驚きました。私はこの一言から、コーチング研修にどれだけの成果があったかを実感できました。

実際に、部課長たちが自主的に部下と面談したり、積極的にコミュニケーションを取ったりする様子も見られるようになりました。部下のキャリア志向を聞き取り、キャリア形成の支援に取り組む姿も見えてきました。

2022~2023年に実施した従業員意識調査ではエンゲージメントポイントが改善を示したのですが、この研修が寄与していたと言える成果かもしれません。

浅田様の画像

浅田:研修運営側の私から見ると、コーチング研修を通じて、上層部の本気が部課長たちに伝わったという部分も大きいと感じます。このような手厚いコーチング研修を実施すること自体が、大畑・持田をはじめとする上層部の意思表示になっているのです。

その証拠に、コーチング研修を受講する部課長たちの目の色がいつもと違います。真剣に受講しているからこそ、研修成果も高いのだと思います。

持田:とはいえ、組織や人が短期間の研修だけで変わることはありません。部課長のコーチングスキルや意識を抜本的に変革するためには中長期的な取り組みが必須であり、このように外部の力を借りた研修を通して学びを得るとともに、我々自身が本気になって変革をやり続けなければ実現できないと思います。そのため、私たちは2023年度以降もコーチング研修を継続していますし、研修参加者は着実に理解を深め、変化し始めていると感じています。

また、本部長を中心とした企画側の我々もこの検討プロセスを経たおかげで、本腰を入れて変革を推進することの必要性と方法論について意思統一ができて、具体的に動き出せたと感じています。リクルートマネジメントソリューションズさんの客観的な分析とご提案があり、綿密なディスカッションができたことは非常に意義があったと感謝しています。

大畑:2024年度は、新たに「共創的ファシリテーション研修」を実施します。開発前例がない難治性疾患、希少疾患や、新規薬剤の開発では、答えの見えない問題解決に直面することになります。そのためには、部課長層が社内外の多様な意見を引き出しながら周囲をリードするファシリテーション力の向上が欠かせないからです。

また、部門中期ビジョンのさらなる浸透のために、本部全員参加の「全体会議」を開催し、会社の将来や3年後の絵姿について全メンバーに直接伝え、次年度へのアップデートを議論する場も設ける予定です。

このような施策を積み重ねて、メンバーの不安を解消し、全員で会社と本部の将来を考えていく組織をつくりたいと考えています。

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ソリューションプランナーの声

野村の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
営業統括部営業1部1グループ
ソリューションプランナー
野村蕗良乃

製薬業界全体が厳しい状況のなか、これからもお医者様や患者様に選ばれ続ける製薬会社であるために、持田製薬様は事業の大転換に踏み出されようとしています。

医薬開発本部の皆様とディスカッションを重ねるなかで、従来の「上層部が決めたことを着実に遂行していく管理統率型組織」の要素に加え、「共有ビジョン実現に向け、メンバー全員が実践知を交換しながらよりよい方法を生み出していく自律共創型組織」の要素も加えていく必要があるということで共通認識を持ち、そのような組織風土をつくり出していくためのご支援をさせていただける運びになりました。

OJTですべきこと、OFF-JTですべきことを整理したうえで、各施策が相互作用するような複数階層向け連続施策を毎年考案・実施させていただいております。今後も研修施策や個別コーチングのご提供にとどまらず、持田製薬様の事業推進パートナーとして、弊社一丸となって伴走支援させていただきます。

取材日:2024/10/02

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企業紹介

持田製薬株式会社様のロゴ

持田製薬株式会社

持田製薬グループは、1913年に東京・本郷に薬局を開業し、「独創研究」という考えのもと医薬品製造を開始した。「先見的独創と研究」を社是に掲げ、日本で最初の注射剤の製造やホルモン・酵素・免疫関係の分野での「独自の製品」の開発など、創業以来、日本の医療の発展に寄与しながら成長を続けてきた。医療・健康ニーズに真摯に向き合い、独創的で付加価値の高い製品を提供することにより、人々の健康・福祉に貢献していく。

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