「自律(立)型人材を育成できる会社」になれば採用・人事上のアドバンテージを得られる
阿部:以前より、階層別研修を体系化したいと考えていました。その背景には、社会の急速な変化があります。これまで、新卒人材はそれほど無理なく採用できていましたが、少子化などの影響で、採用が年々難しくなってきています。それ以上に大きいのは、コントロール型のマネジメントから多様性を重視したマネジメントへと、社会がマネジメントスタイルの変更を要請していることです。これからは、一人ひとりが違うという前提に立ったマネジメントが欠かせません。それなら、階層別研修を全面的に刷新して、多様性を前提とした人材育成・マネジャー育成を実現し、採用メリットのある人材育成体系を組めないだろうか、と考えたのです。
2020年、私たちは、別組織であった人事と教育が一つの部として統合しました。採用、研修そして人事(配属、配属後)を一貫できるタイミングを得ました。そこで、新卒採用、新入社員研修、OJTに加えて、若手・中堅・マネジャーの各階層研修を体系化し、一つのストーリーにまとめることにしました。
ストーリーのキーワードは「自律(立)」です。私たちは最近、ことあるごとに「どの会社でも通用する自律(立)型人材を目指してください」と社員に伝えつづけています。例え他社で働くことになっても、活躍できる人材になってほしいと、本気で思っています。そのためには、自ら情報を集めて考え、自律(立)的に意思決定して行動する能力が欠かせません。自律(立)は、現代社会で活躍するうえで絶対に必要な能力なのです。社員の皆さんには、この会社を利用して自律(立)型人材になってほしい、共立で働くことを人生の利益にしてほしい、と願っています。
社員の自律(立)を掲げることは、ビジネスや組織のためでもあります。私たちが階層別研修の体系化に成功し、「自律(立)型人材を育成できる会社」になれば、採用・人事上のアドバンテージを得られるはずです。また、自律(立)した人材が社外に出た後、私たちの協力者やクライアントになる可能性も大いにあります。自律(立)型人材を育成することは、回り回ってビジネス・組織にもメリットが多いと考えています。