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導入事例

「どの会社でも通用する自律(立)型人材」を育成するため階層別研修を1つのストーリーにまとめる

共立株式会社

「どの会社でも通用する自律(立)型人材」を育成するため階層別研修を1つのストーリーにまとめる
  • 公開日:2023/09/04
  • 更新日:2024/07/09

事例概要

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背景・課題

成長や役割の変化を感じられるよう各階層研修を体系化し、一つのストーリーとして再構築しました。また、どの会社でも通用する人材を育成することを目標に、共通テーマを「自律(立)」にしました。
自律(立)型人材の育成が結果として、採用や戦略目標の達成にメリットがあると考えるからです。

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検討プロセス・実行施策

2020年2月の「新人研修」「2年目振り返り研修」を皮切りに、「若手社員研修」「中堅社員研修」「管理職クラス研修」と段階的にスタートし、2023年に「部室店長クラス研修」を実施して、全階層の体系化がいったん完了しました。段階的に社員の自律(立)を促すプログラムを用意しています。新人から2・3年目社員には、自律(立)の第一歩として、まず自分で考えて発言することを求めています。

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成果・今後の取り組み

社員たちの自律(立)の兆しを少しずつ感じられるようになってきました。今後は、管理職クラス研修や部室店長クラス研修を通じて、部下の自律(立)を促すマネジメント力の向上を目指します。若手世代の期待に応え、若手にとって魅力ある上司・先輩でいつづけてほしいと願っています。

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背景・課題

「自律(立)型人材を育成できる会社」になれば採用・人事上のアドバンテージを得られる

「自律(立)型人材を育成できる会社」になれば採用・人事上のアドバンテージを得られる

阿部:以前より、階層別研修を体系化したいと考えていました。その背景には、社会の急速な変化があります。これまで、新卒人材はそれほど無理なく採用できていましたが、少子化などの影響で、採用が年々難しくなってきています。

それ以上に大きいのは、コントロール型のマネジメントから多様性を重視したマネジメントへと、社会がマネジメントスタイルの変更を要請していることです。これからは、一人ひとりが違うという前提に立ったマネジメントが欠かせません。それなら、階層別研修を全面的に刷新して、多様性を前提とした人材育成・マネジャー育成を実現し、採用メリットのある人材育成体系を組めないだろうか、と考えたのです。

2020年、私たちは、別組織であった人事と教育が一つの部として統合しました。採用、研修そして人事(配属、配属後)を一貫できるタイミングを得ました。そこで、新卒採用、新入社員研修、OJTに加えて、若手・中堅・マネジャーの各階層研修を体系化し、一つのストーリーにまとめることにしました。

ストーリーのキーワードは「自律(立)」です。私たちは最近、ことあるごとに「どの会社でも通用する自律(立)型人材を目指してください」と社員に伝えつづけています。例え他社で働くことになっても、活躍できる人材になってほしいと、本気で思っています。そのためには、自ら情報を集めて考え、自律(立)的に意思決定して行動する能力が欠かせません。自律(立)は、現代社会で活躍するうえで絶対に必要な能力なのです。社員の皆さんには、この会社を利用して自律(立)型人材になってほしい、共立で働くことを人生の利益にしてほしい、と願っています。

社員の自律(立)を掲げることは、ビジネスや組織のためでもあります。私たちが階層別研修の体系化に成功し、「自律(立)型人材を育成できる会社」になれば、採用・人事上のアドバンテージを得られるはずです。また、自律(立)した人材が社外に出た後、私たちの協力者やクライアントになる可能性も大いにあります。自律(立)型人材を育成することは、回り回ってビジネス・組織にもメリットが多いと考えています。

検討プロセス・実行施策

2020年に新人・2年目振り返り研修を開始し、2023年に部室店長クラス研修を実施して、全階層の体系化が完成

2020年に新人・2年目振り返り研修を開始し、2023年に部室店長クラス研修を実施して、全階層の体系化が完成1

加藤:従来の階層別研修では、目的や内容に合わせて、一つひとつ別々に研修パートナーを選んでいました。ですが、今回の体系化にあたっては、1社にすべてお任せする必要がありました。

全階層の研修に対して、一気通貫した考えや視点から提案・アドバイスをしてもらったり、議論をしたりする必要があったからです。そのパートナーとして、リクルートマネジメントソリューションズを選びました。

阿部:自律(立)が求められる時代背景や、世代ごとの見方の違いなどの一般論は、人事からよりも外部パートナーの皆さんから社員に伝えてもらった方が、客観性や納得度が高まります。経営を動かすときにも、パートナーの知識・見識を借りる必要があります。パートナー選びは大事なポイントです。

加藤:具体的施策としては、2020年2月の「新人研修」「2年目振り返り研修」を皮切りに、「若手社員研修」「中堅社員研修」「管理職クラス研修」と段階的にスタートし、2023年に「部室店長クラス研修」を実施して、全階層の体系化がいったん完了しました(図表1)。各研修の最初に人事から目的と期待を伝え、あらためて自律(立)を強調しています。こうして自律(立)の重要性を伝えつづけ、根気強く啓蒙していくことが肝要です。

<図表1>共立の階層別研修体系

<図表1>共立の階層別研修体系
2020年に新人・2年目振り返り研修を開始し、2023年に部室店長クラス研修を実施して、全階層の体系化が完成2

上野:私は新人の1人として、実際に新人研修を受講しました。具体的には、自ら行動し経験から学ぶ自律(立)型人材に育てる「F-BT」と、実践力向上研修「F-BT compass」の2つのプログラムを受けました。

間を置いて2回受けることで、自ら考え・行動し・振り返る「Try & Learnサイクル」をはじめ、自律(立)型人材になるために必要な考え方を思い出し、あらためて実践につなげることができました。

下山田:私は、2年目振り返り研修を受講しました。自律(立)を促し、セルフリーダーシップを育む「X-SHIP(クロスシップ)」プログラムです。X-SHIPでは、久々に同期たちと顔を合わせ、お互いの仕事ぶりや状況を確認することができました。例えば、1年目は苦労していた同期がいたのですが、今では自分なりのやり方を見つけ、元気に働いていることが分かって安心しました。彼らと話すことが、仕事や自律(立)について考える良い機会になりました。また、X-SHIPは自ら考える場面が多く、研修後もまずは自分で考えてみる習慣が身につきました。

阿部:新人から2・3年目くらいの社員には、自律(立)の第一歩として、まず自分で考えて発言することを求めています。下山田や上野は、早くも自分なりの考えをもって発言することが多くなってきました。私の方が、彼女たちの発言から気づかされることも多くあります。

2020年に新人・2年目振り返り研修を開始し、2023年に部室店長クラス研修を実施して、全階層の体系化が完成3

下山田:阿部さんや加藤さんが私たちに問いを投げかけたり、私たちの意見に耳を傾けたりしてくれるので、意見を言いやすいのです。

成果・今後の取り組み

新しいマネジメント研修では部下の自律(立)を促すマネジメント力の向上を目指している

新しいマネジメント研修では部下の自律(立)を促すマネジメント力の向上を目指している

阿部:まだ体系化がいったん完了したところで、成果が見えてくるのはこれからです。ただ、下山田や上野からのように、自律(立)の兆しは様々な場面で既に感じています。

今後、さらに自律(立)を進めるうえでの課題の1つは「マネジメント改革」です。管理職クラス研修や部室店長クラス研修では、部下の自律(立)を促すマネジメント力の向上を目指しています。多様性や自律(立)というと響きは良いですが、実際には、同質性を失うことになり、多様な価値観から組織内での衝突が少なからず発生すると思います。多様性を実現するには、より高いマネジメント能力が求められるのです。もちろん、マネジャーたち自身にも自律(立)を求めていますが、彼らにはそれ以上に、多様性と自律(立)の時代に適したマネジメント技術の習得に力を入れてほしいと考えています。今後、さらに自律(立)を進めるうえでの課題の1つは「マネジメント改革」です。管理職クラス研修や部室店長クラス研修では、部下の自律(立)を促すマネジメント力の向上を目指しています。多様性や自律(立)というと響きは良いですが、実際には、同質性を失うことになり、多様な価値観から組織内での衝突が少なからず発生すると思います。多様性を実現するには、より高いマネジメント能力が求められるのです。もちろん、マネジャーたち自身にも自律(立)を求めていますが、彼らにはそれ以上に、多様性と自律(立)の時代に適したマネジメント技術の習得に力を入れてほしいと考えています。

特に、上の世代には若手社員の阻害要因にならないようにしてほしい、と思います。部下一人ひとりに敬意を払い、彼らの自律(立)や成長を止めないでもらいたいのです。若手社員からすれば、上世代の魅力は会社の魅力の一部です。若手世代の期待に応え、若手にとって魅力ある上司・先輩でいつづけてほしいと願っています。その魅力が、若手社員を自社に引きつけるはずです。変わるべきは、若者たちよりも、むしろ私も含めた上世代なのです。

加藤:私の経験でも、世代間が開けば開くほど、マネジメントや育成は難しくなります。心の余裕をもってマネジメントに臨むことが大切だと感じます。

阿部:先行き不透明の中で、社会の変化・技術の進化に応じて階層や仕事の定義を、その都度変えていく必要があることははっきりしています。例えば、マネジメントを一つとっても、社会の変化・技術の進化を捉える必要があり、「いままでは」というより「これからは」ということが大切だと思います。前例を参考にしつつも現実と将来に柔軟に対応する姿勢が大切です。

但し、自律(立)ということは、ある程度普遍性があり、変化に対応するにも必要な前提となるため、年齢を問わず追及してもらいたいと思っています。

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ソリューションプランナーの声

石原実和の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー 石原 実和

「自律(立)型人材を育成できる会社」を目指すための育成体系を設計のみで終わらせず、実現に向けて邁進しているのが現在です。研修前には起こしたい変化をすり合わせ、研修実施後には成果や受講者の課題を振り返るという一連のサイクルを、共立様・人材開発トレーナー・ソリューションプランナーが一体となり全階層で回し続けています。

その中でも、部室店長クラス研修では、若手社員の想いや組織に対して感じている課題を受講者の皆様にお伝え致しました。世代間ギャップに悩みながらも、「共立様の目指す組織、マネジャー像は何か?」を模索される姿に、私自身も心を動かされました。

階層で育成体系を設計されているからこそ、起こせたことだと思います。風通しの良く、社員との距離が近い共立様の良さを残しつつも、永遠のテーマである「自律(立)」をこれからも一緒に模索していきたいです。

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トレーナーの声

人材開発トレーナー直井 雄三の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
人材開発トレーナー 直井 雄三

共立様とお付き合いする中で感じるのは、時代の変化を捉えて適応していこうとする意志です。高い専門性のもと業界で確固たる地位を築いていながらも、今起きていることに真摯に向き合い、未来への成長に目を向けていらっしゃいます。その成長の軸は「人材の成長」であり、そのキーワードが「自律(立)」ということです。

研修でご一緒する皆様からは、会社や仕事、働く仲間への愛着を感じます。研修中にマネジメントや職場状況などについての議論をすると、その愛着ゆえにとても熱心に語り合う姿が印象的です。その語り合いから生じる気づきや学びによって、一人ひとりが新たな行動をとる。各階層によるこうした行動の積み重ねにより、ここ数年で組織力が高まっているように感じます。

ただ「自律(立)」というテーマで共立様を眺めたとき、まだまだ多くの伸びしろがあるとも感じています。今後も対話をさせていただきながら、共立様があるべき姿に向かうためのご支援をできれば嬉しい限りです。

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企業紹介

共立株式会社

共立株式会社

共立グループは、企業保険のプロフェッショナルとして、長年の経験と高い専門性を背景に、企業のリスクマネジメントに保険を軸としたソリューションを提供。みずほフィナンシャル・グループの親密会社として、上場企業約400社を含む5000社に及ぶ有力企業との取引実績を有し、独立性と専門性が求められる公共プロジェクトにも数多く参加している。共立株式会社は、お客様との接点を担う保険代理店。共立の営業担当がお客様のニーズを的確に把握し、リスクファイナンス部門によるリスク分析と保険設計に基づき、業種や事業の特性を踏まえたオーダーメイドの保険ソリューションを提案する。また、グループ会社であるKRM、KIB及び海外拠点の提供する各種サービスを紹介している。

※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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