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導入事例

全国約400のFC加盟店の店舗マネジメント改革に取り組む

株式会社オートバックスセブン

全国約400のFC加盟店の店舗マネジメント改革に取り組む
  • 公開日:2013/10/02
  • 更新日:2024/04/20

事例概要

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背景・課題

転換期を迎える“オートバックス”の「個店力の強化」のために、中長期視点で、店舗マネジメントを改革する必要がありました。

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検討プロセス・実行施策

店長の研修受講効果を高めるために、研修で使用する事例には特にこだわり、よりリアルなものにすることで実効性にこだわりました。

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成果・今後の取り組み

研修内容への反応や感想の多さは予想以上でしたが、1回の研修で後はお店に任せることはしません。まだ店舗マネジメントの改革の第一歩。現在は次なる一手の準備も進めています。

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背景・課題

「個店力の強化」のために、店舗マネジメント改革を開始

「個店力の強化」のために、店舗マネジメント改革を開始

オートバックス1号店ができてから、2014年で40周年を迎えます。私たちはカー用品業界のリーディングカンパニーとして全国に560店舗を構えるまでに至りましたが、今、ビジネスは成長期から成熟期への転換期を迎えています。少子高齢化、若者の車離れ、業界業種を超えたライバル店の台頭など、私たちの優位性を脅かす事象が多くなっており、これまでのように出店すれば成長するという状況ではなくなりつつあります。そのため2010年には「オートバックス 2010 中期経営計画」を掲げ、現在に至るまでさまざまな取り組みを行ってきました。

当社の中期経営計画の目標のひとつに「個店力の強化」があります。一つひとつの店舗の売場・商品・仕入れ・人材・オペレーションの改革を図り、収益改善を目指すのですが、そのために欠かせないのが接遇と店舗マネジメントの改革です。そのうち接遇改革については先行して接遇研修を実施し、着実に成果を出しています。問題は店舗マネジメントの改革でした。

これまで私たちは各種オペレーションマニュアルしか用意してきませんでした。店長はそれぞれマニュアルにプラスして、上司や先輩のマネジメントスタイルを継承しながら、独自のスタイルをつくり上げてきました。この自由な社風を強みとして成長してきたのですが、しかしこれからの時代、それが弱みにもなる可能性が大きくなってきました。非常に優秀な店長も多い一方で、メンバーの力を引き出し切れず、自らもプレイヤーとして売場に出ている時間の長い店長なども散見されました。さらなる成長を目指すには、まずは、店長の役割を明確にし、オートバックスの店長としてのマネジメントの標準化を図り、いま一度セオリーを店長全員に学んでもらう必要がありました。

この改革が浸透するには相応の時間がかかると思われます。そのため中長期的視野に立ち、粘り強く働きかけてはじめて達成できることだと、当初から考えていました。そのために、2012年、フランチャイズ(以下、FC)加盟店のマネジメント改革をサポートする「チェン教育部」を社内に新設。FC加盟店の方々とともに一歩一歩進んでいく姿勢を明確に打ち出し、会社として本格的に取り組んでいくことを決めました。その上で、改革の中心となる“店長向けのマネジメント研修”の設計と実施を、リクルートにお願いしました。

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ソリューションプランナーの声

短期的な達成意欲が高い一方で、店舗オペレーションなどに課題がありました
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当ソリューションプランナー

私はこのプロジェクトに2009年から関わってきました。
ディスカッションを積み重ねる中でさまざまな店舗の状況を観察したところ、各店舗とも短期的達成意欲が高い一方で、一部店舗では店舗内のオペレーションや情報共有、協力体制などに課題を抱えている傾向が見られました。一貫したビジョンや方針を打ち出しながら、チームやメンバーの力を引き出して業績向上を目指すことが店長の役割である、ということを一部の店長は十分には理解しておらず、そのための方法もよく認識していませんでした。ゴールは、「店舗の一人ひとりがお客様に向き合い、主体性を持って売り場づくりをする」ととらえていたのですが、もともと上から言われたことをやりきるという会社の強みを生かしながら、現場の主体性を引き出すことの統合に“葛藤”を感じました。
最終的にはチェン教育部の皆様と課題を共有する中で、まずは、マネジメントの「土台」をつくること・意識転換が必要である、ステップを踏むことが不可欠であると合意。弊社の「売れる営業マネジメント研修」をベースに、受講者視点に立ち、専門用語などを極力排除しながら研修をつくり上げていきました。

検討プロセス・実行施策

事例をリアルにつくりこむなど、実効性にこだわりました

事例をリアルにつくりこむなど、実効性にこだわりました

今回の研修で最もこだわった点は、実効性でした。私たちも当然、これまでさまざまな研修を実施してきたのですが、そのほとんどは座学研修でした。そこでは確かに最新のマネジメント理論などを知ることはできるのですが、その学びが実際の行動につながっているかまではわかりませんでした。それらの反省も踏まえて、本当に店舗のマネジメントを改革できる実効性の高い研修を追求しました。

中でも注力したのは、店長に本気で研修に取り組んでもらうために、研修内の事例をできるだけリアルにつくりこむことでした。各店舗へのヒアリングはもちろんのこと、リクルートの皆さんやチェン教育部のメンバーが全国の店舗を訪問するなど、多角的に集めた情報をもとに、トレーナーの方々とも議論を深めながら、店舗の現状を詳細まで反映した事例を用意しました。このような努力のかいあって、研修は最初から非常に完成度が高く、2012年5月から9月までほぼプログラムを修正することなく、全FC加盟店の店長を対象に実施しました。

研修での店長たちの反応は想像以上に良好でした。特に事例をもとにしたグループ討議は毎回必ず盛り上がり、それぞれが持論を熱く展開する姿が印象的でした。また、部下の話を傾聴することの大切さや、最も身近なリソースである部下に関心を持つことの重要性に気付いた店長が多く、「こちらが一方的に話すのではなく、もっと部下の話に耳を傾けなくてはいけないと痛感した」「部下のことをよく知っていると思い込んでいたが、書き出してみるとそうでもなかった。これまで以上に部下に関心を持って接していく必要があると思った」などの感想が、研修の場で取り交わされていました。

やってみてわかったことは、実はほとんどの店長が、多かれ少なかれマネジメントについての悩みを抱えていたということです。しかし、それを解決する術を知らなかった。今回の研修は、私たちが必要だと考えていただけでなく、受講者である店長たちも心から望んでいたのです。ですから、研修への満足度は高かった。本当に実施してよかったと思います。

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トレーナーの声

一体感のある強い店舗を目指していたのは店長自身だった
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当トレーナー

個店力強化として、3つのNo.1(シェア、支持率、商品力)を打ちだしていたオートバックス様。現場では、当面業績に追われる中、リーダー・メンバーを通して中長期の業績と育成を同時推進する店長の役割を思うように発揮できない現状がありました。1人1人は輝かしい業績を残してきた店長ですが、プレイヤー意識から脱却できず、1人で奔走する姿が取材から明らかになりました。また、自らの意識・発想・行動を変革する必要性を感じているものの、具体的にどうすればいいのかわからず、葛藤していることもわかりました。
研修では、取材に基づいて作成した現場のケースごとに、店長の役割と対処についてくり返し討議しました。店長からは、「現場で起こる身近なケースなので、すぐに実践できそう。改めて、店長の役割を再認識できた。」などの感想が多く出ました。その後の現場取材でも、多くの店長に行動が変わったことがわかりました。チェン教育部の皆様の意向で、役割の認識だけでなく、現場ですぐに実践できる設計にしたことが、成果につながったのだと思います。

成果・今後の取り組み

研修での反応や感想は予想以上。しかし、これは第一歩に過ぎません

研修での反応や感想は予想以上。しかし、これは第一歩に過ぎません

この研修で、各店長には店舗マネジメントの原理原則をよく理解してもらった上で、リアルな事例を通じて、今後自らが実践する取り組みを具体的に考えてもらいました。その点については一定の効果があったようで、受講者たちも「店長として自分自身を振り返る良い気付きの場だった」「店長として知っておくべきことを改めて体感できた」といった感想を口々に述べていました。この結果については私の予想以上でした。

しかし、これは店舗のマネジメント改革の第一歩に過ぎません。大事な点は、研修後にメンバーとともに、研修で考えた取り組み案を推進していくことです。「早速、店舗に戻って取り組みたい」と言っていた店長もいました。その後、私が見聞きする限りで言えば、およそ半分の店長は何らかのアクションを起こしており、マネジメントの改善が見られる店舗も増えています。しかし残りの半分はまだ本人の努力や、こちらからのサポートが必要という印象です。

長い時間を経て深く根付いた体質を変えるのは、決して簡単ではありません。一度の研修でいくら優れた知識を得たからといって、それですべてが変わるとは私は元から思っていませんでした。それを見越して、現在リクルートの協力を得て第2弾の教育施策を用意しています。今度はコーチングに的を絞ったもので、前回が基礎編だとすれば、次回は応用・実践編となります。一方で、新任店長には現在も随時、基礎編の研修を受講してもらっています。

おそらく今後も会社としての施策の実施とサポートの必要があるでしょう。また、同様の研修を何度か繰り返す必要性も感じています。全店舗にマネジメントの考え方が十分に根付き、満足のいく成果につながるまで、おそらく3~5年はかかるはずです。リクルートには、それまでお付き合いいただけたらと思います。

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受講者の声

  • 今回の研修でマネジメントの重要性を再確認出来ました。目先の業績を追ってばかりで、大事なマネジメントを疎かにしてしまっていることやスタッフのモティベーションや想いの理解が足りていないことに気づかされました。研修で学んだマネジメントを実践し、強いチームを作ることを心がけます。
  • 学ぶことが多かった研修ですがそれ以上にこの後、学んだことを実践、継続しなければならないと痛感しています。何事も明確に具体的に考えなければならないと思います。部下に具体的に指導が出来るようにまず自分を変えていきます。ありがとうございました。
  • 店長経験が無い自分にとっては、マネジメント研修がとても参考になった。研修で出てきた場面では店長がどう判断すべきなのか、その根拠、考え方、スタッフに対する接し方、5つのマインド等、現場のスタッフから相談を受けた時にもどのようにすべきか参考になりました。

取材日:2013/10/02

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