効果的な次世代リーダーの育成法
〜国際的リーダー育成機関の研究から〜
企業の人材開発分野で、次世代リーダーの育成の優先度が近年ますます高まっています。弊社が実施した「人材マネジメント実態調査2010」でも、回答企業の実に8割の企業が、「次世代経営人材の育成・登用」を現在も5年後も共通する課題としており、もっとも選択率の多かった課題となっています。
優れたリーダーの要件、能力、リーダーシップのあり方などに関する研究やモデルは数多くあります。この点で、リーダーとは「どのような」人材かに関する議論は出尽くしているかに見えます。一方で、リーダーは「どのように」育つのか(逆に言えば、「どうすれば」育てることができるのか)という育成論については、さほど多くの研究はなされておらず、体系だった知見も稀少です。次代を担うリーダー育成fの必要性は高まっていても、その方法論については、こと日本においては未分化であるのが現実です。
この、「どうすれば」リーダーを育てることができるのかが、今月のテーマです。ここでご紹介するのは、国際的なリーダー育成機関として著名な米国の非営利組織であるセンター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップ(創造的リーダーシップ・センター;以下CCL)の研究からの知見です。CCLはリーダーシップ開発の専門機関として、長年にわたる研究と実践から、リーダーを育てる「経験」を明らかにし、「経験からの学習」を最大化するための方法論を体系化した唯一の機関であり、その成果は今日、欧米を中心としたグローバル企業の経営幹部育成施策に広く応用されています。CCLによる知見をご紹介しつつ、効果的なリーダー育成施策を考えます。