コラムCOLUMN
公開日:2024/03/05
更新日:2024/04/19

THEME 新人/若手 キャリア自律

連載・コラム一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査 第3回

「もしタイムマシンで就職活動中の学生に戻ったとしたら、今の会社に入りますか?」

もしタイムマシンで就職活動中の学生に戻ったとしたら、今の会社に入りますか?

皆さんは、「もしタイムマシンで就職活動中の学生に戻ったとしたら、今の会社に入りますか?」。
私たちリクルートマネジメントソリューションズは、60年以上にわたり人々の内面(性格、志向、価値観など)を測定してきた技術を生かし、働く皆さんの意識・特性を多角的に捉えるチャレンジを始めました。その一環で、働く皆さんの意識・特性を捉えるべく、オンラインアンケート調査『一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査』を実施しました。
その分析結果は第1回第2回と2回にわたってご紹介してきましたが、今回は少し趣向を変えて、冒頭のような「タイムマシン設問」に関する結果をお届けします。

「今の会社は第一志望にしないけど、職場や仕事は今と同じがいい」という回答が多かった



私たちは日々、会社・職場・仕事について、さまざまな思いを抱きながら働いています。最近は多くの企業が、社員のこうした思いを確認するためにエンゲージメント・サーベイや従業員意識調査を行っています。なお、このようなときは、会社・職場・仕事の3つに分けて調査するのが効果的です。なぜなら、会社への思い、職場や仲間への思い、仕事への思いは、重なる部分もありますが、それぞれ異なることが多いからです。

今回の調査では、普通のエンゲージメント・サーベイなどとは聞き方を変えて、働く人同士の日常会話にもありそうな、より答えやすい質問を投げかけてみました。第1の設問は、こちらです。

設問1
タイムマシンで、今のあなたが就職活動をしていた学生のときに戻ったとして、以下のそれぞれの項目について、どれくらいあてはまると感じますか。
●現在働いている会社を第一志望とすると思う(会社の志望度)
●現在の職場で一緒に働いている人たちと働きたいと思う(職場の希望度)
●現在担当している仕事につきたいと思う(仕事の希望度)

調査アンケートの協力者3708名の回答結果は、図表1のようになりました。


<図表1>会社の志望度、職場の希望度、仕事の希望度  <単一回答/n=3708>
Q:タイムマシンで、今のあなたが就職活動をしていた学生のときに戻ったとして、以下のそれぞれの項目について、どれくらいあてはまると感じますか。
会社の志望度、職場の希望度、仕事の希望度の図表

図表1からは、以下のことが分かります。

●「現在働いている会社を第一志望とすると思う」については、「あてはまらない/どちらかといえばあてはまらない」(48.8%)の方が、「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」(25.9%)よりも多い。

●一方で「現在の職場で一緒に働いている人たちと働きたいと思う」と「現在担当している仕事につきたいと思う」については、「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」と回答した人(職場:39.2%、仕事:40.1%)の方が、「あてはまらない/どちらかといえばあてはまらない」(職場:30.6%、仕事:31.8%)よりも多い。

つまり、今回調査をした一般社員の回答では、「今の会社は第一志望にしないけど、職場や仕事は今と同じがいい」と思っている人が比較的多くみられました。もちろん、図表1が示すとおり、これはあくまで全体傾向であって、個別には多様な人がいます。ただ、職場と仕事への満足度に比べて、会社への満足度が低い傾向にあるということは言えます。会社が社員の第一志望になるためのハードルはかなり高いようです。

入社時点の志望度が高いほど、今の志望度も高い



次に、「勤務している会社の入社時点の志望度」と「現在の志望度」の関係性を見てみましょう。

図表2は入社時点の志望度です。


<図表2>入社時点の会社の志望度  <単一回答/n=3708>
Q:あなたが現在勤務している会社の、入社時点での志望度はどの程度でしたか。

入社時点の会社の志望度の図表

「志望度は高かった/やや高かった」の方が多いという結果になりました。では図表3で、この結果と、図表1の「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の結果を掛け合わせてみましょう。


<図表3>入社時点の会社の志望度 × 「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の回答  <単一回答/n=3708>

入社時点の会社の志望度 × 「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の回答の図表

●入社時点の志望度は高かった人は、「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」の合計が60.1%になりました。

●一方で、入社時点の志望度は高くなかった人は、「あてはまらない/どちらかといえばあてはまらない」の合計が77.0%となっています。

●つまり全体的に言えば、入社時点の志望度が高かった人ほど、今の志望度も高いのです。

多くの人が考えるとおり、入社時点で憧れの会社に入った人は、入社後も満足している可能性が高いようです。当然、そのような人が入社することは、会社にとっても良いことでしょう。

長く働いて歳を重ねると、会社の嫌な面も見えてくることが多い



ところで、年齢・在籍年数によって、会社の志望度に違いはあるのでしょうか。図表4は、「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の選択率を年代別に分けたグラフです。


<図表4>「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の年代別回答  <単一回答/n=3708>

「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の年代別回答の図表

図表4から以下のことが分かります。

●20代は他の年代に比べて、「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」が高く、「あてはまらない/どちらかといえばあてはまらない」が低くなっています。

●30〜50代はおおむね同じくらいで、20代よりも明らかに「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」が低くなっています。

●60代になると20代ほどではないですが、「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」が少し高まっています。

つまり20代は他の年代に比べ、自分が所属する会社のことをポジティブに捉え、志望度を高くする傾向があります。20代は、まだまだ自社に期待している人が比較的多いようです。それが30〜50代では全体的に下がります。60代になるとふたたび会社を好きになる人が少し増えますが、その理由は定かではありません。

次は図表5を見てみましょう。これは、勤務先の在籍年数別に、「今のあなたが就職活動をしていた学生のときに戻ったとしたら、現在働いている会社を第一志望とすると思う」の選択割合を一覧にした表です。「あてはまる/どちらかといえばあてはまる」の数値が大きいほど、現在働いている会社の志望度が高いことを意味します。


<図表5>「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の在籍年数別回答  <単一回答/n=3708>

「現在働いている会社を第一志望とすると思う」の在籍年数別回答の図表

図表5から以下のことが分かります。

●在籍年数1年目が会社の志望度が最も高く、在籍年数が増えるほど、会社の志望度が下がっていく傾向があります。10年目以上になるとわずかに志望度が上がっていますが、全体的にはこの傾向があるといってよさそうです。

図表4と5を合わせて分析すると、長く働いて歳を重ねると、会社の嫌な面も見えてくることが多いのだろうと考えられます。20代のうちは夢や理想を抱いているのですが、中堅以降になると、厳しい現実に直面することが多いのでしょう。30代以降の皆さんは、この結果を「やっぱり」と感じているのではないでしょうか。多くの人にとって納得感のある結果だと思います。

経営と人事のやり方次第では、中堅・ベテラン社員の会社志望度も高められる



最後に、図表1の「現在働いている会社を第一志望とすると思う(会社の志望度)」「現在の職場で一緒に働いている人たちと働きたいと思う(職場の希望度)」「現在担当している仕事につきたいと思う(仕事の希望度)」の3項目が、さまざまな認知とどのように相関しているのかを見てみましょう(図表6)。なお、相関係数は、1.0が完全に相関している状態を、0が完全に相関していない状態を表しています。相関について詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。


<図表6>現在の会社・職場・仕事等に対する認知 × 会社の志望度、職場の希望度、仕事の希望度

現在の会社・職場・仕事等に対する認知 × 会社の志望度、職場の希望度、仕事の希望度の図表

表内のそれぞれの設問と、相関のあるトップ3に注目してみましょう。


<図表7>各項目と相関のある要素トップ3

各項目と相関のある要素トップ3

この分析結果から分かることは、
●会社の志望度が高い人は会社に関する項目の相関が強く、職場の希望度が高い人は職場に関する項目の相関が強く、仕事の希望度が高い人は仕事に関する項目の相関が強い
ということです。

会社・職場・仕事が各項目と相関関係にあるのですから、これも予想どおりの分析結果と言えそうですが、意味を見出すことは可能です。つまり、経営や人事の皆さんが、従業員の会社への志望度をもっと高めたい場合には、職場や上司に対してアプローチするよりも、文化・風土の魅力を高めたり、共感できる理念・ビジョンをつくったり、会社の成長・発展に取り組んだりすることが有効である可能性を示唆しています。同様に、職場の希望度を高めたいときは職場内の信頼関係や安心感を醸成したり、結束を強くしたり、関わり合いを増やしたりする施策を実行するのが効果的でしょう。仕事の希望度を高めたいときには、社員一人ひとりの成長につながる仕事を与える仕組みをつくればよいだろうと考えられます。


調査概要

調査概要

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