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THEME 組織開発

企業事例成果創出と相互信頼の両立 プルデンシャル生命保険

「業界変革」の旗が支え合い・磨き合いのカルチャーを作った

「業界変革」の旗が支え合い・磨き合いのカルチャーを作った

プルデンシャル生命保険は、顧客から高い信頼と評価を得ているが、それだけでなく、実はライフプランナー(営業職)同士の支え合い・磨き合いのカルチャーも根づく会社だ。なぜ相互信頼のカルチャーを作ることができたのか。その秘訣を代表取締役社長・濱田元房氏に伺った。

ビジョンやバリューにも掲げ、信頼を常に意識している

プルデンシャル生命保険は、世界最大級の金融サービス機関、プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であり、日本市場でも高い評価を得ている。J.D.パワーの生命保険契約顧客満足度調査では、「契約」「保全手続」「請求対応」の全3調査で、2018年以来、史上初の3年連続No.1を受賞している。

代表取締役社長の濱田元房氏は、そうした高い顧客満足度の根本には、お客様との長期にわたる信頼関係がある、と語る。「当社では、生命保険のプロフェッショナルである『ライフプランナー』がお客様の人生設計をお伺いし、オーダーメイドで必要な保障をご提案した上で、契約後も一生涯にわたりパーソナルなサービスをご提供します。つまり、お客様と長く信頼関係を築かない限り、お客様のお役に立てないビジネスなのです。

だからこそ、私たちは『日本の生命保険事業の在り方に変革をもたらし、日本の生命保険市場において顧客から最も信頼される会社となる』というビジョンを掲げ、コアバリューの1つ目にも『Worthy of Trust:信頼に値すること』を挙げています。信頼は、私たちの最も大切にしている価値の1つであり、常に意識していることです」

お客様や社内の仲間たちと信頼関係を築く上で、プルデンシャルでは倫理観を極めて重視している。「7つのリーダーシップ・コンピテンシーの最初に『Demonstrates a Strong Moral Com-pass』を掲げ、揺らぐことのない倫理観をもって行動することを社員に求めています。ここで言う倫理観とは、例えば、マイナス情報を即報告することです。また、たとえ少数派の意見であっても、自分が倫理的に正しいと思うことは遠慮なく発言し、ためらうことなく実行することです。こうした倫理観を大切にしながらビジネスをすることが、何よりも重要だと考えています」

業界の変革を成し遂げるために支え合い磨き合ってきた

そんなプルデンシャルは、社員同士の信頼関係も厚く、支え合いと磨き合いのカルチャーが根づいているという。これは驚くべきことだ。なぜなら、社員の多数を占めるライフプランナーは、フルコミッション制だからだ。フルコミッション制なら、各自が一匹狼として好き勝手に行動しそうなものだが、プルデンシャルはそうではない。例えば、社内外の活動では、ライフプランナーたちが手弁当で助け合いながら準備し、あらゆる協力や各自のノウハウを惜しみなく共有するという。また誰かが困っていたら手を差し伸べ、助け合うことも、ごく当たり前に行われるそうだ。この文化はなぜどうやって根づいたのか。

「実は、私自身も、どうしてこのような素晴らしいカルチャーが根づいたのか不思議に思い、長年考えを巡らせた結果たどり着いた答えが、ビジョンです。特にビジョンの前半の『我々は、日本の生命保険事業の在り方に変革をもたらし』の部分にヒントがあるように思います。

1987年、プルデンシャル生命保険は、日本の生命保険事業の在り方を変革するというこのビジョンのもとに多方面から優秀な人材が集まり、スタートしました。しかし、業界の変革といった大きな仕事は、決して個人では成し遂げられません。そこで互いに支え合い、磨き合いながら、共に力を合わせてビジョンを実現しようという流れが自然に生まれたのです。プルデンシャルには、今でもその志とカルチャーが連綿と引き継がれています」

さらに、経営とライフプランナーの間の強い絆も大切にしているという。その象徴が、ライフプランナーによる執行役員制度だ。「毎年、ライフプランナーと支社長から執行役員を1名ずつ選出しています。執行役員会で、お客様に最も近い存在である営業の立場から、忌憚のない現場の声をしっかりと届けてもらうためです。また、議題によっては営業管理職やライフプランナーの代表に各種委員会に出席してもらうことも創業時から続けています。こうしたことは形式的になりがちですが、私たちは毎回膝を突き合わせ、時に激しく議論します。その結果、変革が必要だと決まれば、すみやかに実行するのです」

オンライン商談勉強会で工夫やノウハウを披露し合った

この信頼のカルチャーが、まさにコロナ禍で生きている。「感染拡大初期の2020年2〜3月は、まず社員の安全と、感染者が出た場合に感染拡大を防ぐこと、それから保険金のお届けなどの重要業務の継続を最優先事項と決めて取り組みました。その上で、法律やガイドラインを遵守しながら、対面せずに営業できるルールを作り、4月下旬にはオンライン営業の仕組みと体制を整えました。

そして、5月から6月にかけて『オンライン商談発表会』を実行したのです。いわば、現場のライフプランナーのオンライン商談ロールプレイング大会です。全国から約700名がエントリーし、オンライン商談の工夫やノウハウを披露しました。まさに、支え合い・磨き合いをしたわけです。私たちはこれまで、お客様との対面での対話を極めて重視してきましたから、オンライン商談は本当に大きな変化でした。これほど大きな環境変化に直面してもなお、迅速に適応し、創意工夫を重ね、お互いにノウハウを共有しながら着実に成果をあげていく姿には目を見張るものがありました」

この後、6月にリモートで保険加入手続きが可能になるシステムを導入したこともあり、プルデンシャルは売上の落ち込みをかなり挽回することができたという。支え合い・磨き合いのカルチャーが、経営や売上に直接寄与した事例である。

今後は、時代に合わせた事業戦略を推進していく予定だという。「創業した頃の1980年代、日本では50歳時点で未婚の男性は3%以下でした。しかし、現在は50歳時の男性の約23%が未婚です。また、1980年代には主婦の6割近くが専業主婦でしたが、2017年には、専業主婦はその半分まで減りました。そうなると当然、お客様のニードも変わります。私たちは今まさに、現代のお客様により適した提案を考え、ビジネスを進化させようとしている最中です。そこでもやはり、社員全員が変革に向けて協力し合っていくことが最も重要だと考えています」

【text:米川青馬】


※本稿は、弊社機関誌 RMS Message vol.60 特集1「リモート時代の職場の信頼」より抜粋・一部修正したものである。
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※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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