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属人化とは? 属人化の原因やリスク、デメリット、解消する方法を解説
- 公開日:2024/10/28
- 更新日:2024/10/28
「あの人がいないと、仕事の進め方や進捗が分からない」。このように、特定の人物しか業務内容を把握していない状態を属人化といいます。当記事では属人化の概要やメリット・デメリットの他、属人化を解消する方法についてご紹介します。
属人化とは?
属人化とは、特定の業務の手順や進捗について担当者だけが把握しており、周囲への共有やマニュアル化がなされていない状態のことです。担当者が何らかの理由で現場にいない際に業務が滞ってしまうことから、属人化は組織にとってリスクが高い状態です。よほど専門性が高い業務を除いて、組織における属人化はできるだけ避けた方が賢明です。
属人化の対義語
属人化の対義語は、「標準化」または「マニュアル化」です。業務の進め方や進捗に関してナレッジが広く共有されており、誰でもスムーズに業務に取り組める状態を意味します。業務内容のブラッシュアップに合わせて都度マニュアルを更新する必要はありますが、業務のナレッジが組織に還元されているため、人事異動にも対応しやすいところがメリットです。
業務が属人化する原因
業務が属人化してしまう原因としては、以下の3つが挙げられます。
組織内での情報共有不足
1つ目は、組織内の情報共有不足です。業務の属人化を防ぐためには、特定の担当者だけが知っているナレッジや情報を、社内に広く共有する必要があります。ただ、ノウハウを持つ担当者が多忙な場合や、マニュアルを作成するリソースが足りない場合などは組織に情報が行き渡らなくなり、属人化が進みがちです。
また管理職が多忙なあまり、組織内のナレッジの共有まで意識が回らなくなることもあります。管理職の業務負荷軽減のコツについては、下記リンクもご覧ください。
情報共有を行う仕組みが整っていない
2つ目は、情報共有を行う仕組みそのものが整っていないことです。業務のナレッジを共有するためには、社員間の情報共有を促す風土や、ナレッジを共有するコミュニケーションツールが必要になります。そのような環境が社内にない場合は、ナレッジを広める手法や風土まで社員が自ら整える必要があることから、負担が大きくなりがちです。結果、属人化が進みやすくなってしまうでしょう。
業務の専門性が高い
3つ目の原因は、業務の専門性がそもそも高いことです。専門的なスキルや経験が求められる業務は言語化が難しく、マニュアルの作成などに時間や工数がかかります。業務の引き継ぎに際して他の社員に直接教えるなどのリソースも必要になることから、専門的な業務は属人化しやすい傾向にあります。
属人化のリスク・デメリット
従来の日本では終身雇用制が一般的であり、1つの業務を1人の担当者が長く担うことも珍しくありませんでした。しかし昨今は人材の流動化が顕著であることから、業務の属人化はさまざまなリスクが伴います。具体的には、以下のリスクやデメリットが挙げられるでしょう。
業務効率や品質が低下する
業務の属人化が進んだ状態では、担当者不在時の対応が難しくなります。他の社員が一時的に業務を代行することもできないため、進捗が滞ってしまう可能性も否めません。
また、1人の担当者が業務を長く担当し続けることで、業務改善がされないこともあります。マニュアルがない場合は後任の担当者が業務内容を把握することも難しく、業務の効率や品質が低下しやすい点がデメリットです。
ボトルネックが発生する
一部の担当者しかできない業務がある環境で、何らかの理由でその担当者が休職してしまった場合はボトルネックが発生します。ボトルネックを解消するには、属人化していた業務フローを再構築し、一定の水準に引き上げるという作業が必要になるため、場合によっては売上の低下や納期遅れといったトラブルに繋がってしまうことも。
担当者の負担が増加する
業務が属人化している場合、担当者は休暇を取得しづらくなってしまいます。休日出勤が発生することもあり、負担が増加してしまうケースがある点にも注意が必要です。
特に属人化するリスクが高い業務
ビジネスにおける属人化にはさまざまなリスクがありますが、なかでも属人化を避けるべき業務としては、バックオフィス業務・セキュリティやトラブル対応業務・自社製品やサービスの説明業務の3つが挙げられます。
バックオフィス業務
総務・経理・財務・人事・労務・法務といったバックオフィスは、フロントオフィスのサポート役であり、企業の資金や人材管理を担うポジションでもあります。そんなバックオフィス業務が属人化すると、契約書をはじめとする重要書類の正確性が損なわれる他、コンプライアンス違反や税務手続きの不備など、さまざまなトラブルが起こるリスクが高まります。現場の生産性も低下しやすくなるため、特に属人化を避けたいポジションといえるでしょう。
セキュリティやトラブル対応業務
情報漏洩をはじめとする情報セキュリティ問題や社内外で起こり得るトラブルは、迅速な初期対応によって被害を最小限に抑えることができます。対応方法が属人化していると迅速な対応が取りにくくなるため、対応フローなどを全社で決めておくことが大切です。
自社製品やサービスの説明業務
自社製品やサービスの説明内容が属人化すると、担当者によって言うことが変わるため、お客様を混乱させてしまいます。顧客満足度の低下にも繋がるため、社内で説明内容を共有しておくことが大切です。
属人化を解消して標準化する流れ
業務の属人化を解消する方法としては、現状の業務実態を把握したうえで改善策を練るというステップが効果的です。具体的には、以下の流れが好ましいでしょう。
業務の現状把握
まず、属人化している業務内容の把握から始めます。部署内の現在の業務量や対応している社員数などを明確化し、業務プロセスの現状を洗い出しましょう。
なお、意図的に業務の属人化を進める社員がいる場合は、現状把握が難航してしまうことがあります。故意に業務を属人化させる理由は人によって異なりますが、「職場における自分の価値を保ちたい」「新しいやり方に変えたくない」「自分しか分からないことをマニュアル化するのが手間」といったものが例として挙げられるでしょう。
こういった状況に対しては、個人ではなくグループ全体の成果を見る評価制度の導入などによって、個人主義に寄らない風土を育てることで解消できる傾向にあります。社内の評価制度の見直しなど、属人化の解消に必要な課題も併せて洗い出すことをお薦めします。
業務プロセスや担当者の見直し
「担当者が不在だと業務が進まなくなる」など、明らかに属人化が進んでいる業務が見つかったら、いつ・誰が・どのように該当業務を進めているのかをヒアリングし、業務のフローチャートを作成します。そのうえで、業務プロセスのなかで優先して標準化すべきタスクをピックアップし、社内にナレッジを共有します。併せて、同じ人が1つの業務を長く担当しすぎないように担当者を適宜変更し、ノウハウが共有されやすい環境をつくりましょう。
マニュアル作成
属人化している業務については、早めにマニュアルを作成することも大切です。属人化したノウハウが異動や退職などで失われる前にマニュアルを作成し、実際にPDCAを回しながら改善を図ります。
定期的に見直しと改善を行う
標準化を実施した後は、定期的にフローの見直しや改善策の検討を行いましょう。事業方針の変更や人材の入れ替えに際してフローを見直すことで、属人化の再発やフローの形骸化を防ぐことが可能です。
まとめ
属人化の概要やメリット・デメリットの他、属人化を解消する方法についてご紹介しました。
属人化の解消やDXの推進といった業務改善を行うことで、組織の生産性は大きく向上します。具体的な業務課題の見つけ方についてお悩みの際は、外部研修も活用しながらノウハウを身につけるとよいでしょう。弊社は業務効率化に役立つさまざまなカリキュラムを揃えておりますので、興味がある方はぜひ下記リンクもご覧ください。
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