2017年新入社員調査より 今年の新入社員は何を求めているのか?

執筆者情報
ソリューション統括部
事業開発部
マネジャー
辻 真衣子

今年の新入社員は、何を大切にして働きたいと思い、どのような期待と不安を持っているのでしょうか?弊社では、毎年、新入社員に対して意識調査を行っています。本調査は、新入社員の期待や不安などについての5つの質問を、それぞれの選択肢のうち、あてはまるものを最大3つまで選択する形式で行いました。
2017年3月23日〜4月7日に、全国各地で開催した新入社員導入研修「8つの基本行動」の当該期間での受講者987名(平均年齢:22.4歳/男女比:約6対4/最終学歴:大卒以上83.1%/300名未満企業比率:67.1%)を対象としています。


やっぱり周囲との人間関係が大事

はじめに、今年の新入社員は、社会人として働いていく上で何を大切にしたいと思っているのかを見てみましょう。

今年も「社会人としてのルール・マナーを身につけること」「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が1位・2位となりました。

注目すべきは、「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」が2010年の調査開始以来最高値となり、3位に返り咲いたことです。一方、「任せられた仕事を確実に進めること」が4位となり、5年前の水準に戻りました。
また、5年間の変化を見ると、「元気にいきいきと働き続けること」「何事も率先して真剣に取り組むこと」は低下傾向にあります。

このことから、今年は例年以上に人間関係を重視する新入社員が多い一方で、昨年に引き続き仕事面を積極的に充実させたいという「欲」は少なくなってきているようです。

新入社員の仕事観は、ある意味彼・彼女らが学生時代に見た、「働く社会人の姿」を反映しているともいえます。仕事に対してより積極的な姿勢を持ってもらうためには、新入社員に仕事の面白さや充実感を意図的に経験させると共に、上司や先輩である私たち自身が、いきいきと働いている姿を見せることが求められているのかもしれません。

求めるのは「程よい距離を保てる職場」?

次に、今年の新入社員はどのような職場で働きたいと思っているのかを見てみましょう。

昨年に引き続き、「お互いに助けあう」「アットホーム」が1位・2位となりました。
一方、今年も「活気がある」の選択率の低下が止まらず5年間で11.2ポイントと大幅減となり、「お互いに鍛えあう」も最低値を更新し続け初めて20%を切りました。

このことから、「温かく居心地のよい職場」を望み、厳しくも一致団結して相互研鑽する、いわゆる「体育会系の職場」を苦手とする傾向が更に進んでいることが分かります。

ただし今年は、「居心地のよさ」の中身が変わってきているようです。「お互いに個性を尊重する」が年々高まり、「遠慮をせずに意見を言いあえる」を抜いて今年は一気に3位へ浮上しています。つまり、遠慮なく意見が言いあえる「気兼ねのない職場」というよりも、それぞれのペースや考え方を尊重しあう「程よい距離感を保てる職場」を求めているといえるのではないでしょうか。

今年の新入社員にとって、いきなり踏み込まれたり、型にはめられたりするアプローチは抵抗感があるのかもしれません。まずは本人の考え、持ち味の理解を通じて信頼関係を築き、その上でチームの成果に向けて時には異なる意見を主張することなど、一歩踏み込んだ関わり方をすることも必要であると意識づけていく、というような段階を踏んだ育成が有効といえるでしょう。

「受容的な上司」はもはや時代の要請!?

続いて上司に期待することを見てみましょう。

不動のトップである「相手の意見や考え方に耳を傾けること」をはじめ、全項目昨年と同じ順位となりました。

まず、「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」が上がり続け、今年はとうとう40%を超えました。
一方で、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」が今年は更に下がって、初めて30%を切りました。「仕事に情熱を持って取り組むこと」「周囲を引っ張るリーダーシップ」についても、5年間下がり続けています。

これらの事象から、厳しい指導でぐいぐい引っ張るアツい上司を、もはや多くの新入社員が苦手としているといっていいでしょう。

とはいえ、新入社員の「教えてもらいたい、受け止めてもらいたい」という気持ちへの理解と、「厳しいなかでもやりぬける力をつけてほしい」という親心にも似た気持ちとの間で、「甘やかしていいのか」と葛藤する方もいるのではないでしょうか。

しかし、厳しい環境変化のなか、頑張ってもなかなか成果が出ないのに、生産性まで求められる時代になっています。新入社員が直面する現実は、上司世代のそれと比べてはるかに厳しいものになっており、今の新入社員にとっては毎日が既に十分「厳しい経験」の連続といえるかもしれません。

そんななかでも新入社員が仕事・職場に適応するためには、上司や先輩のサポーティブな関わりが必要不可欠になっている、という見方もできるのではないでしょうか。

もはや「プレゼンテーション力」は持っていて当然?

では、今年の新入社員が「これから身につけたい力」を確認したいと思います。

昨年同様、「コミュニケーション力」が2位以下に大差をつけてトップ、次いでやや選択率は下がったものの「専門知識」が2位となりました。

そして今年は3位以下に変動が見られました。この5年ほど、「コミュニケーション力」「専門知識」「プレゼンテーション力」が新入社員の身につけたい3大スキルでしたが、今年は「プレゼンテーション力」が3.4ポイント減少して3位から5位へ、「マナー」が2.9ポイント上がって5位から3位へ浮上しました。

「マナー」は一昨年までの選択率に戻っただけともいえます。むしろ注目すべきは「プレゼンテーション力」の減少でしょう。

近年の新入社員研修を見ていると、非常にプレゼンテーションがうまいのが特徴です。この背景には、大学のゼミなどで、パワーポイントを使ったプレゼンテーションが当たり前になっているという状況があります。

今の時代、新入社員にとって「プレゼンテーション力」はこれから身につけたいスキルというよりは、入社前に身につけていることが当たり前のスキルであるといえるかもしれません。

今年の新入社員は「自分の成長が不安」。ということは?

最後に「仕事・職場生活をする上での不安」について見ていきたいと思います。

例年通り、「仕事についていけるか」が圧倒的1位となりましたが、今年は「自分が成長できるか」が初めて2位となり、調査開始以来最高値となりました。「先輩・同僚とうまくやっていけるか」は微減傾向で、今年は3位となっています。

不安は、期待や意欲の裏返しでもあります。今年の新入社員が「成長したい」あるいは「成長しなければいけない」と思っている様子が見て取れます。「上司に期待すること」の結果と併せて考えると、「厳しい指導を求めていない」からといって、それは必ずしも今の新入社員の成長意欲が低いというわけではない、ということが分かります。

「最近の新人は厳しさに弱くなっている」という声をよく聞きますが、一方で敢えて厳しくしなくても、きちんと必要性を説明し、期待をかければ、どんどん学び成長していく真面目さと素直さを持っていると感じます。「厳しさがあってこそ成長できる」世代なのではなく、むしろ「厳しさがなくても学べるし成長できる」ということが、今の新入社員の特徴であり強みだともいえるのではないでしょうか。

彼・彼女らの持ち味をうまく生かす育て方へ、育成側が「変化適応」すべき時期が来ているのかもしれません。

さいごに

以上、最新の調査結果を考察しながら、今年の新入社員の特徴と、受け入れ側の工夫などを解説してきました。

今年は、人間関係をより重視し、成長意欲が高いという特徴を持つ一方で、厳しい指導や互いに踏み込んだ関わりが苦手という傾向が更に加速した結果となりました。このような新入社員の特徴を前提として、彼・彼女らをいかに効果的に育て生かせるかが、上司・先輩には求められており、その成否がこれからの時代の企業の競争力を決めるといっても過言ではありません。

新入社員の特徴を踏まえた上司・先輩からのアプローチによって、彼・彼女らの「成長したい」という思いが1日でも早く形になり、社会人としての活躍に繋がることを願っています。

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