特集
お客様と事業戦略をつなぐヒント
顧客起点が機能しない3つの理由
- 公開日:2009/12/07
- 更新日:2024/04/01
景気の先行きが不透明な現在、お客様のニーズは日に日に変化し、競合企業との攻防も激しくなる状況に、頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか。
企業が存続し業績を上げ続けるために、今本当に必要なことは何でしょうか。
弊社では、今こそ「顧客起点」という原則に立ち返るしかない、と考えております。
「顧客起点」の考え方は、決して目新しい考え方ではありません。
しかし、これまでのやり方が通用しない今こそ、「答えはお客様しか持ち得ない」という「顧客起点」の原則から見直すことが必要なのではないでしょうか。
今回は、私たちが日々事業トップや営業企画の皆さまにお話をおうかがいして分かった、「顧客起点」が機能しない3つの理由と「顧客起点」を機能させるポイントをご紹介いたします。
「顧客起点」のヒントは顧客接点現場にあり
「顧客起点」とはお客様との声(顧客接点現場で起こっている事実・現実)を捉え、その声を自社のサービスや事業戦略に活かすことです。
顧客・マーケットが求める商品・サービスが何かを把握するためには、ターゲット顧客を設定し、自社商品・サービスのポジショニングを行った上で競争優位性を明確にした事業戦略を策定するのが王道のプロセスです。
以下のような点から自社のお客様の声をつかんでおく必要があります。
- お客様は自社の商品・サービスをなぜ利用しているのか(競合を選択せず、なぜ自社を選択しているのか)
- 自社の商品・サービスがお客様から評価され続け、続けて利用していただくためには今のままでよいのか
- 今のサービスを変化させていく必要があるなら、どのように変化させていけばよいのか
- 自社の商品・サービスについて、お客様の評価はどうなのか。再度サービスを利用するのか
- お客様が次に求めるサービスは何か
このようなお客様の声をつかむことができるのは、顧客接点現場を担う部門・人しかいないでしょう。
当然ですが、顧客・マーケットのニーズを把握し、それに応える商品・サービスを提供し続けることができる企業はお客様からの信頼を得ることができ、業績を向上させ続けることもできます。ですから、唯一お客様の声を聞くことができる顧客接点現場を担う部門・人はとても重要な役割を担っていて、非常に大切なセクションだと弊社は考えます。
しかし、顧客接点現場を担う部門・人がつかんだお客様の声を事業戦略に活かすことができない企業が多くあります。その原因はどういったところにあるのでしょうか?
「顧客起点」が機能しない3つの理由
では、どのようにして事業戦略を策定し、推進していけば「顧客起点」を実現することができるのでしょうか。
事業戦略立案・推進の際に、あたりまえのことですが以下のような悩みを抱えていることが多いように思います。
- 自社の今の商品・サービスをどう改善していけばよいか。
- 次に必要となる商品・サービスは何か
- もっと顧客から評価されて、業績につなげるためにどんな打ち手を打てばよいか
上記の答えを導き出すには、以下の3つ全てが機能する必要があります。つまり、「顧客起点」が機能しない場合はこれら3つのどこかに原因があると考えられます。
1.戦略浸透機能
まずは自社の事業戦略(仮説)が現場まで浸透し、実行されているか。浸透のボトルネックがあるなら、それはどこで起こっていて、どのような要因によるものなのか
2.戦略(仮説)評価機能
商品・サービスについてお客様からの声(戦略<仮説>に対する評価)がきちんと現場から事業経営まで伝わる状態になっているか
3.価値化機能
現場から伝わった、お客様の評価に関して改善できるものはスピーディーにそれぞれのセクションで対応し、お客様へ新たなサービスとして価値提供できているか
【図表1 顧客起点からの価値連鎖】

では、これらを機能させるポイントはどこにあるのでしょうか?
3つの機能を効果的に働かせるポイント
「3つの機能」を効果的に働かせるポイントについて詳しくご紹介します。
1.戦略浸透機能
事業戦略(仮説)は、価値へと変換されて、現場からお客様へ届けてもらうことができなければ、ただの手前勝手な自社都合施策となり、逆にお客様を失ってしまうことにもなりかねません。そのため、当然ですが戦略は、お客様のニーズや現場の状況にマッチしている必要があります。
具体的には、
- なぜ、そのような戦略を取ったのか
- 他の問題・課題についてはどのように考えているのか
- 優先順位をどのような基準でつけたのか
などが、現場の実態に近い施策でないと実行されず、たとえ実行されても、現場の納得度が低く、価値としてお客様まで届けることは難しいでしょう。
このような状態にならないためには、マネジメント機能を担う役職者が、自分の上位者との密な議論を行い、部下の実行を支援できる状態、つまり部下の持つどのような疑問も解消できる状態をつくる必要があります。
2.戦略(仮説)評価機能
顧客接点現場で働く人に、以下の3点の意識を持たせ、常に立案した戦略(仮説)を評価することが重要です。
- 自分たちが、お客様との唯一の接点である
- 自分たちが、お客様への価値提供の最終責任者である
- 自分たちが、自社の商品・サービスの何がお客様に受け入れられ、何を求められているのかを知るリサーチャーである
つまり、顧客接点現場を担うメンバーに感じてもらいたいことは、
- 『お客様に満足いただき「また利用したい」と感じていただけるサービスの提供が、自分たちの実現したいことである』という意識を持ってもらうこと
- 『自分たちがお客様の声をつかまないと、会社は次にどっちの方向へ進めばよいのか見えなくなってしまう』という危機感を持ってもらうこと
の2つです。
この2つは言葉にすると簡単に聞こえますが、経営側が考えている思いと同様の意識レベルを、現場メンバーに持ってもらうことは、本当に難易度の高いことです。
しかし、顧客起点で事業をつくるために、現場の意識・心を揃えることは土台になる部分だと思います。顧客接点現場を軽視していては、お客様から評価され続ける企業へと変化を遂げることはできないと弊社は考えています。
3.価値化機能
お客様の声を、いかにスピーディーに価値としてお客様へ提供していくか。その「スピード」こそが、自社の優位性となります。
商品だけでは明確な差がつきにくい状況も多い中、お客様が自社を選択するのか、他社を選択するのかはお客様の要望をいかにスピーディーに価値へと変えて提供できるかが重要になることは、言うまでもありません。
そして、「スピード」を重視した商品・サービスの進化もやはり起点となるのは顧客接点現場であり、一番のキーとなるのは、「お客様」そして「現場で働く人」なのです。
「顧客起点」を業績につなげる
今回は私たちが大事にしている「顧客起点」のポイントをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 私たちは、全てのソリューションをお客様の「顧客起点」(つまり皆さまの「顧客起点」)で考え、今回ご紹介した「3つの機能」を顧客接点現場に持っていただくためのさまざまなサービスを提供しております。
3つの機能を、顧客接点現場のメンバーに『自分ごと』として感じ、実行してもらえることが企業の命綱になると言っても過言ではないと考えます。
「顧客起点」から、業績向上につながる施策を考えてみませんか。
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