特集
営業ってチームでやるものなんですか!?
営業におけるチームのメリットを伝えていますか?
- 公開日:2010/09/06
- 更新日:2024/04/01
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ CRソリューション事業部
主任研究員 石田 幸子
継続して高い業績を上げている営業組織のマネジャーに、「その秘訣は?」と問うと、非常に多くの方が「チームワークです」「チームの一体感です」と返答されます。また、業績が低迷している中で浮上するための突破口として、チームづくりを起点としている営業マネジャーも多く存在します。このようなマネジャー達は、あらゆる機会をチームづくりための好機ととらえ、メンバーにはチームでやることを強く求めています。
一方で、ビジネスパーソンとして組織で働くうえでは、チームワークは当たり前と思っていても、実際の現場ではなかなかチームワークが発揮されないことも多々あります。このような状況がつづくと、メンバーはチームでやることをあきらめ、バラバラな活動をするようになり、チームは弱体化してしまいます。結果として、業績も安定せず、低迷することになります。
今回の特集では、営業組織におけるチームについて取り上げ、その重要性を確認し、強い営業チームづくりのポイントをまとめました。
営業におけるチームの重要性(1)
2009年12月に、営業組織におけるプロセスマネジメント実態調査(インターネット形式・営業組織に従事する営業担当およびマネジャー層800名が回答)をリクルートマネジメントソリューションズ独自に行いました。その調査の中で、「目標達成に向けた営業活動を効果的に進めるうえで一番役立つこと」を以下の10の選択肢から回答してもらったところ、以下の結果となりました。
※【注意】回答選択肢は、プロセスマネジメント上の関心事を問うことを目的としているため、営業戦略などの項目は入れておりません。
【目標達成に向けた営業活動を効果的に進めるうえで一番役立つこと】

個人営業組織所属者の回答では、「(9)営業ノウハウ・知識・スキル習得のための機会の充実」が突出して高い選択項目だったものの、共通して上位の選択項目になったのが、以下の4つです。
(6) 最終的な結果だけでなく、営業プロセスも含めた評価
(1) 組織的かつ定期的な営業活動の進捗状況の確認
(5) 営業マネジャーやチームの力を借りた営業活動上の問題解決
(4) 営業活動の「見える化」
大きくまとめると、目標達成に向けた効果的な営業活動のためには、以下の3つがポイントと言えそうです。
1.結果ばかりでなくプロセスをしっかり見て評価すること
2.営業活動に必要な知識・スキルを提供すること
3.個々に営業を進めるのではなく、チームで営業を進めること
営業担当個々の活動だけでなく、チームで営業を進めることの重要性を感じていることを反映した結果と言えるでしょう。
営業におけるチームの重要性(2)
さらに、プロセスマネジメント実態調査の中では、所属している営業組織でのプロセスマネジメントの実践状況を図表にある質問項目で問うています。また、調査の中では所属している営業組織の業績の状況についても聞いています。組織業績が良好と回答した群と、業績が低迷していると回答した群とでは、営業組織のプロセスマネジメントの実態の捉え方が大きく異なることがわかりました。その結果が、図表に示されています。
【プロセスマネジメントの営業組織での実践状況(組織業績良好群と組織業績低迷群別の認識)】

結果を見ると、まず、全般的に組織業績良好群は、いずれの項目も得点が高くなっていることがわかります。特に、目標達成に向けて役立つと回答した項目(前項参照)ほど、組織業績低迷群との現状の得点差が大きくなっています。
また、「(7)営業会議は、営業活動を効果的に進める上で、役立っている」という項目の得点差が大きくなっていることも興味深いポイントです。営業担当にとって敬遠されがちな営業会議という場が、組織業績良好群においては有効に機能しているということを表しているといえます。
さらに、組織業績良好群は、「(1)営業活動の進捗状況が組織的に確認されている」が顕著に高いとともに、「プロセスマネジメントを行っていくことの重要性(Ⅰ)」を強く認識し、それを行っていくことが「営業成績の改善(Ⅱ)」や「中長期的な営業力向上(Ⅲ)」につながると強く思っていることも注目したい部分です。
本調査では、プロセスマネジメントという観点から営業組織の実態を捉えることを目的としているので、一概に言えない部分はあるかもしれませんが、業績を上げている組織においては、日々の営業活動の推進面において、営業というチームがうまく機能している状況がうかがえます。
営業におけるチームのメリット
ところで、営業においてチームの力が重要ということに異論はないものの、いざメンバーから、「営業の組織では、チームの目的ははっきりしているし、各自目標が決まっているんだから、個々でがんばればいいんじゃないですか?」「チームでやれと言われても、非効率なことも多いし、結局一人ひとりが力を高めてやればいいんじゃないんですか?本当にチームでやる必要があるんですか?」と問われたら、明快に答えられるでしょうか?
チームの重要性を認識していても、営業におけるチームのメリットを実体験として感じている人は意外と少ないのが実情です。特に、入社したばかりの若手などはそうでしょう。そのため、営業マネジャーが、「チームは大事なんだから、一匹狼の営業活動ではダメ」と言っても、納得できないメンバーもいるかもしれません。メンバーが心から納得できないために、結局バラバラに活動してしまっているという営業組織も多いのです。
第一歩として、営業マネジャーは、営業におけるチームの重要性を認識するとともに、具体的に営業におけるチームのメリットを語り、それを求めていく必要があるでしょう。
以下に、営業におけるチームのメリットの観点をあげておきます。
【営業におけるチームのメリット】

優れた営業マネジャーは、このような営業におけるチームのメリットをしっかりと踏まえ、あらゆるマネジメントの場面で意識してメンバーに実感させようとしています。
強い営業チームづくりのポイント
では、どのようにチームをつくればよいのでしょうか。チームは一朝一夕にできるものではありません。営業マネジャーは、期初(Plan)、期中(Do)、期末(See)とあらゆる場面・機会で、チームづくりを意識したマネジメント行動を実践していく必要があります。全体像としては図表のようになります。
【営業マネジメントのPlan-Do-Seeとチームづくりを意図したマネジメント行動の実践例】

まず大事なことは、マネジャーがチームで活動するという意思を固めることです。これがなければ、すべて崩れてしまいます。そして、チームをつくる機会・場面は日常さまざまあります。そのあらゆる機会・場面で、チームで営業を行うことを要望し続け、メンバーが効力感を味わえる体験を意図的に創り出すのです。
営業マネジャーは、「営業戦略を立案しつつ、チームをつくる」「日常のプロセス管理をしながら、チームをつくる」といった発想でマネジメントを推進することが、強いチームづくりには非常に重要です。 さらには、あらゆる場面・機会で、メンバーの相互理解・関心を高め、関係性を深める働きかけをしていくことです。このことで、チームがより強固なものとなります。
「売れる営業マネジメント」研修リニューアルのお知らせ
かねてより提供してまいりました「売れる営業マネジメント」研修が、2010年10月よりリニューアル版として生まれ変わります。「継続的な業績向上を実現する、営業マネジメントの原則を体系的に学ぶ」という狙いの変更はありませんが、以下の点を中心に改訂をしております。
・営業における「チーム」の重要性をより強調
・「仕事の側面」と「人の側面(人材育成とチームづくり)」のマネジメントの同時推進をより強調
・原則を学ぶだけでなく、次なるアクションにつなげる工夫
今回の特集で取り上げた「営業におけるチーム」についても、これまで以上にしっかりと学び、強い営業チームづくりに向けた実践を促します。
本商品に少しでも興味・関心をお持ちの方は、こちらから「売れる営業マネジメント」についてお問い合わせください。
本特集が、強い営業チームづくりの一助となれば幸いです。
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