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特集

強い営業組織をつくるために必要な要素

人が替わっても強い営業組織であり続けるためには

  • 公開日:2011/02/14
  • 更新日:2024/04/01

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ CRソリューション事業部
シニアパフォーマンスコンサルタント 早淵 幸彦

弊社CRソリューション事業部では、営業組織を強化するお手伝いを長年行ってきています。その中で営業が強いといわれている会社の支援も数多くさせていただきました。支援をさせていただく中で、営業が強い会社は、「なぜ強いのか」「人が入れ替わっても強いままでいるのはなぜか」という疑問が常にありました。

営業活動は、営業担当が単独で行う場合が多く、最終的には個人の力によるものが大きいと考えられます。営業力が個人力の集合体であるとするならば、人が入れ替わればその企業の営業力も変わるはずであり、栄枯盛衰が起きるはずです。しかし、実際には継続的に強い営業力を保っている企業も多く存在します。

今月の特集では、継続的に業績をあげ続けることができる強い営業組織とはどんな組織なのか?そのような営業組織をつくるためには、どう取り組むのかを考えていきたいと思います。

目次
そもそも強い営業とは、どのような営業なのか
強い営業をつくりだすのは?
自社の営業組織の現状を把握する
強い営業組織づくりへの取り組み
勝ち続ける営業組織を実現するために

そもそも強い営業とは、どのような営業なのか

強い営業組織について考える前に、強い営業とはどういうことかを考えてみたいと思います。
あたりまえかもしれませんが、強い営業とは、継続的に業績をあげ続けることができる営業といえます。また、継続的に業績をあげ続けるためには、お客様にご満足いただき、支持され続ける必要があります。競合が台頭し、商品力の継続的な優位性を保つことが期待できない時代においては、営業担当によるお客様への価値提供力の差、お客様満足を得る力の差が企業の業績を左右する大きな要素となります。つまり、強い営業とはお客様に対する価値提供力とお客様満足を得る力を併せ持ち、それを数多くのお客様に提供し続けられる力を持った営業といえます。

【営業担当の価値提供力の差が問われる時代に】

営業担当の価値提供力の差が問われる時代に

ここで大事なことは、営業担当の役割が旧来よりも高度化してきているということです。旧来のデリバリー型の営業に求められた要素は、インターネット販売で代表されるような効率化・低コスト化を追求した“しくみ”に代替されることが増え、一方で、営業担当にはお客様の複雑な要望に応え続けることで、競合に勝ち業績をあげ続けるという高度な役割が求められるようになりました。

また、デリバリー型の営業で最も大事なのは、断られても何度も訪問し数多くご案内を続けるための「目標達成意欲」でした。そのため営業組織では内部競争を図ることで達成意欲を刺激し、営業担当の「モチベーション」を引き出してきました。しかし、価値提供型営業は、「目標達成意欲」だけでは続きません。“営業担当による営業行為そのもの”を商品同様の価値と捉え、自分自身の営業活動がお客様への価値向上につながるという「モチベーション」が大事になります。加えて、お客様の高度な要望に応えていけるだけの「専門的課題解決力」、お客様視点に立ち長期の信頼関係を築ける「対人対応力」を身に付けることが求められます。そして、これらの力は、一度身に付けたからよいというものではなく、日々進化させていく必要があります。

強い営業をつくりだすのは?

価値提供型営業には、「目標達成意欲」に加え、「モチベーション」「専門的課題解決力」「対人対応力」などが主要な要素であることは前述した通りです。そして、営業担当がこれらの力を発揮し、強い営業組織として業績をあげ続けるためには、営業担当個人に研修などの学習機会を提供するだけでなく、営業組織そのものが営業担当の力を引き出し、引き伸ばす機能を果たしていることが重要です。弊社の研究では、営業組織がこの機能を持っているかどうかが継続的な業績に大きな影響を与えていることがわかってきました。

【営業組織が強い営業担当をつくり出す】

営業組織が強い営業担当をつくり出す

このような機能をその営業組織が果たせるかどうかは、その営業組織の組織風土が大きく影響します。目標達成意欲の低い組織の中では個々の営業担当の意欲も低くなるでしょうし、顧客志向の低い組織においては、やはり個人もそうなるでしょう。我々が支援させていただいた“強い営業組織”には、強い組織風土(アタリマエ)が存在していました。「目標達成にこだわる」とは、どんなレベルまで突き詰めて仕事をすることなのか、「お客様満足にこだわる」とはどんなことまですることなのか、などその組織なりのアタリマエを持っています。強い営業組織においては、その組織に根付いたアタリマエ基準に沿って、営業担当は日々の行動をしています。そして、アタリマエ基準を満たしていない場合は、組織構成員からのフィードバックがあり、その基準を満たすための支援を受け、育っているのです。

昨今の景況厳しい中、多くの企業が組織ぐるみで営業強化に取り組まれています。しかしながら、実態は営業マネジャーに要望するのみで、組織全体での取り組みになっていないためにうまくいかないケースが多数見られます。営業組織強化において、戦略と現場をつなぐキーパーソンは営業マネジャーですが、アタリマエがない状態で要望するだけでは、営業担当個人任せにしているのと同じです。

営業マネジャー個人だけではなく、営業組織全体で強い組織風土(アタリマエ)を作り、営業担当に必要な力の供給源として機能する組織にしていくことが、強い営業組織づくりの鍵となります。

自社の営業組織の現状を把握する

では、どのようにして「強い営業組織づくり」を行えばよいのでしょうか。
我々が営業組織強化を支援させていただくときは、まずその営業組織の現状を把握し課題を特定してから、具体的なアクションや施策に繋げていく手法を取っています。その組織の強みを生かして、より強い営業組織になるための効果的な施策を実施するためにも、その営業組織の現状の組織風土(アタリマエ)はどのような状況で、営業担当の力を発揮させる機能をどの程度果たしているか、ということをまず把握することが非常に重要です。

弊社では、営業組織の現状を把握するために強い営業組織の風土を8つの要素で測定する営業組織診断サーベイを活用しています。この調査領域や項目は、弊社の強い営業組織の研究から生まれたものであり、その結果と対象組織の継続的な業績との相関が認められています。

【強い営業組織に見られる「営業組織風土」の8つの要素】

強い営業組織に見られる「営業組織風土」の8つの要素

上記の8つの要素のうち、上下に配置されている「目的の共有」と「場の信頼」は、組織として成立するための基本要素であり、中央に配置されている3組の対になっている要素は、相反しがちであるがその両立が必要な要素となっています。

営業組織診断サーベイは、事業部、部、課という単位で集計され、それぞれの組織階層における特徴が把握できるようになっています。現在・将来の業績認識や満足度とあわせて結果を見ることで、その営業組織を強化するポイントを明らかにすることができます。

強い営業組織づくりへの取り組み

前頁でお伝えしたとおり、弊社がお手伝いする「強い営業組織づくり」支援においては、営業組織診断サーベイの結果をベースに、その営業組織の特徴、課題をしっかりと捉えることからスタートします。営業組織診断サーベイの結果からは、例えば、以下のように営業グループごとの組織風土の状況がわかります。下図「典型的なパターン①」のように、左半分の要素が強い組織であれば、「顧客価値より業績」、「考えることより行動」、「チームワークより個人プレー」に向いた組織であり、「短期業績をあげる力は強いが、中長期的に高い業績を継続することは難しい状態」であると捉えることができます。

【典型的なパターン①】

典型的なパターン①

逆に、下図「典型的なパターン②」のように右半分の要素が強い組織であれば、「業績より顧客価値」、「行動よりは考えること」、「個人プレーよりチームワーク」に向いた組織であり、「事業環境の変化に柔軟に対応し、中長期的には業績に結び付けられる可能性はあるが、短期業績をあげる力は弱い状態」と捉えることができます。

このように、営業部門の各組織の特徴を把握したうえで、今後どのような組織にしていきたいのかを考えます。そして、あるべき姿にむけて、マネジメント行動をどう変えるか、今ある制度・しくみをどう変えるか等を多角的に考えていきます。

【典型的なパターン②】

典型的なパターン②

勝ち続ける営業組織を実現するために

営業力を競合優位性の一つとして業績をあげ続ける強い営業組織にするには、営業担当の個人力育成や営業マネジャーの強化は、言うまでもなく重要なことです。しかし、営業担当の力を引き出し、引き伸ばし続けなければ、お客様の日々高まる要望に応え続け、勝ち続けることは難しく、それを個人で行うには限界があります。勝ち続ける営業組織を実現するためには、「強い営業組織づくり」に取り組む必要があると考えています。

今回は、「強い営業組織づくり」の第一歩として、営業組織の現状、特に営業組織風土(アタリマエ)をどのように把握するか、ということを、弊社「営業組織診断サーベイ」を通じてご紹介をさせていただきました。現状把握から明らかになる課題や効果的な施策は、各社ごとに異なりますが、弊社では、各社にあわせてさまざまな方法で「強い営業組織づくり」のお手伝いをしてきた具体的な事例やノウハウがありますので、実際の取り組みについては、スピードや成果を高めることができると確信しております。
一緒に「強い営業組織づくり」を行いませんか?

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