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2015年新入社員調査より

今年の新入社員は何を求めているのか?

  • 公開日:2015/05/11
  • 更新日:2024/04/11
今年の新入社員は何を求めているのか?

毎年この季節になると「今年の新入社員は・・・」という話題が世間をにぎわせています。
本特集では、実際の新入社員が何を大切にして働きたいと思い、どのような期待と不安を持っているのかを、最新の調査結果をもとに解説します。

リクルートマネジメントソリューションズでは、毎年、新入社員に社会人としてのスタートをきるにあたっての意識調査を行っています。調査は、「新入社員の期待や不安を明らかにすること 」を目的に、5つの質問についてそれぞれの選択肢のうち、当てはまるものを最大3つまで選択する形式で行いました。2015年3月23日~4月21日に、全国各地で開催した新入社員導入研修「8つの基本行動」の当該期間での受講者1,083名(男女比=約6:4/最終学歴:大卒以上=85.3%/300名未満企業比率=67.3%) を対象としています。

成果をあげるためには、あきらめも肝心!?
助け合いたいが、ぶつかり合う職場はイヤ!?
引っ張る指導より、まずは聴いてほしい!?
リーダーシップスキルはピンとこない!?
成長云々よりも、まずは仕事についていくことで必死!?

成果をあげるためには、あきらめも肝心!?

はじめに、今年の新入社員は、社会人として働いていくうえで何を大切にしたいと思っているのでしょうか?
選択率上位の順位は昨年からほぼ変わらず、「社会人として必要なマナーや仕事の能力を身につけたい」「仕事に必要なスキルや知識を身につけたい」という思いに大きな変化はないようです。

Q1:あなたが社会人として働いていくうえで大切にしたいことは何ですか?

さらに詳細を確認すると、今年は「周囲との良好な関係を築くこと」の選択率が過去2年と比較すると下がっている一方、「任せられた仕事を確実に進めること」の選択率が上がっています。

周囲との関係構築よりも、仕事で確実に成果を出したいというやや骨太な姿勢が今年の新入社員の特徴と言えるかもしれません。

さらに直近5年間(2011~2015年)の変化を見ると、「何があってもあきらめずにやりきること」の選択率が大きく下がっています。
仕事で成果は出したいものの、何事もがむしゃらにやりきりたいというより、成果のでる仕事を選んで効率的に取り組みたいと考える傾向が過去と比較して強まっているようです。

実際の新入社員研修においても、講師の指示通りに黙々と素直に作業をこなす人が多く見られた反面、途中で自分の判断で作業をやめてしまう人などもいました。

新入社員が今後高いレベルで仕事をやりきるためには、上司・先輩は「とにかく頑張れ」と気合いを求めるだけではなく、仕事の意味や達成に向けてのアドバイスなど、より仕事内容の質を解釈できるような、具体的な情報提供が必要なのかもしれません。

次に、「新入社員はどのような職場で働きたいと考えているのか」について掘り下げていきます。

助け合いたいが、ぶつかり合う職場はイヤ!?

新入社員が働きたいと考える職場の特徴として、昨年も上位であった「お互いに助けあう」「アットホーム」「遠慮せずに意見を言いあえる」はさらに高い選択率となりました。また、過去5年間の変化を見ると、「活気がある」や「お互いに鍛えあう」などの項目の選択率は下がっています。

Q2:あなたがどのような特徴を持つ職場で働きたいですか?

お互いにサポートしたりするような基本的な職場の安心感は重視しながらも、「個々人のやり方や主張をぶつけあいながら研鑽する」というよりは、「居心地のよい職場で、助けあいながら働きたい」という傾向が今年はさらに強まったことがうかがえます。

実際の研修でも、新入社員は開始直後から参加者同士で会話をはじめるなど、和やかな雰囲気を作っていました。しかし、互いに積極的に自分の意見や考えを表明して、時には成果のために厳しい議論を行うような場面は、あまり見られませんでした。いわば「暑苦しくならない程度の団結を求める」傾向は、ここ数年の新入社員ならではの傾向と言えそうです。

上司・先輩としては、入社直後からチームとしての競い合いを求めるのではなく、新入社員の立ち上がり状況を見ながら、チームの成果のためにはメンバー同士の厳しい指摘も時に重要であるという意識づけを徐々に行うことが有効かもしれません。

続いて、「新入社員は上司に何を期待しているのか」についても掘り下げていきます。

引っ張る指導より、まずは聴いてほしい!?

上司への期待として、上位項目の順位は昨年と変わりませんが、「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」が直近3年でも初めて35%を超える高い選択率となりました。
また、過去5年間の変化としては「仕事に情熱を持って取り組むこと」の選択率が下がっており、直近3年においてはさらに低下傾向が加速しています。

Q3:あなたが上司に期待することは何ですか?

上司として基本的な傾聴の姿勢や丁寧な指導は求めたいものの、仕事への情熱は期待していないというクールな傾向がうかがえます。また、「周囲を引っ張るリーダーシップ」に関しても過去5年間及び直近3年でも選択率の低下傾向が見受けられることから、自らの情熱やリーディングの力で周囲を引っ張るようなタイプの上司は、昨今の新入社員にはフィットしにくいと言えそうです。

実際の研修でも「教わっていないことはできない」という内容の発言が多く聞かれました。つまり、多くの新入社員が講師に対して「細かい点まで丁寧に教えてほしい」という期待を持っていました。また、講師がやや強めに問題点を指摘したりする際には、意気消沈してしまうような新入社員も散見されました。

さきほどの職場への導入同様に、上司としては新入社員が配属になってすぐに厳しく指導をするのではなく、まずは新入社員の意見に耳を傾け、理解を示すことが必要と言えそうです。また、指導をする際も自らの熱量や手腕で新入社員を引っ張るのではなく、新入社員の理解度に応じて指摘をしていくなどの丁寧さが求められるでしょう。

次に、社会人として「これから身につけたい力」の結果を考察します。

リーダーシップスキルはピンとこない!?

最も身につけたい力の上位3位は、例年と同様に「コミュニケーション力」が1位で、次が「専門知識」で、3位が「プレゼンテーション力」となりました。

Q4:あなたがこれから身につけたい・伸ばしたいとおもっている力は何ですか?

上位3つの選択肢は過去5年間でもほぼ変化がなく、ある意味では時代に関係がない「新入社員が身につけたい王道スキル」といえるのかもしれません。また、過去5年間の変化を見ると、「リーダーシップ」の選択率が下がっています 。前章で触れた、上司にリーダーシップを期待しない点と同様に、新入社員自身もリーダーシップのスキルを獲得することは、優先順位は高くないようです。

最後に「仕事・職場生活をするうえでの不安」について確認していきます。

成長云々よりも、まずは仕事についていくことで必死!?

新入社員が不安に思っていることでは、例年選択率の高い「仕事についていけるか」「先輩・同僚とうまくやっていけるか」は今年も高い選択率となりました。一方、3位の選択率ではあるものの「自分が成長できるか」は過去5年間及び直近3年間においては、徐々に選択率が下がっています。

Q5:あなたが仕事・職場生活をするうえで不安に思っていることは何ですか?

この調査結果から、今年の新入社員は、自分自身の成長よりもまずは仕事への適応不安が強いと言えます。

先輩・上司としては良かれと思って本人の成長を促すような仕事のアサインや関わりを重視することもあるでしょうが、配属直後は日常的な声がけなどの環境そのものへの適応を促すことが必要かもしれません。「働いてみて、どう?」など、仕事適応への本人認識をライトに聞いてみることも有効でしょう。

以上、最新の調査結果を考察しながら今年の新入社員の特徴と、それらを踏まえた受け入れ側の工夫などを解説してきました。
全ての工夫を施すのは大変かもしれませんが、新入社員は長い社会人生活の大事なスタートアップ期間です。本特集が受け入れ側の先輩・上司の皆様へのヒントになり、さらには自分たちの新入社員時代を思い出しながら「面倒くさいけど、ちょっと工夫してやるか」という思いになれば幸いです 。

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