6つの観点から代表的な考え方・強化策を提示 「成果主義」見直しのポイント

近頃の人事制度に関するさまざまな調査によると、中堅・大手企業では成果主義志向の人事制度が、7〜8割の比率で既に導入されているようです。人事制度の改定・改革は一巡し、新たな制度を設計通りに運用し、成果主義人事制度の“成果”が問われる段階にあります。

他方、特に昨年あたりから成果主義志向の人事制度に対する批判・反動も多く見聞きされます。いろいろな情報が錯綜し、企業を取り巻く環境変化のスピードが増し、現場のニーズが複雑化・高度化する中で、新たに構築した制度を意図した通り運用していくのは、決して容易ではありません。

本特集では、多くの企業で導入されている成果主義志向の人事制度を、自社において運用していくための「見直しのヒント」として、6つの観点から代表的な考え方・強化策を提示してみたいと思います。


目標・成果マネジメント

目標・成果マネジメント Part1

成果主義志向の人事制度においては、今まで以上に評価結果が報酬などに大きく影響することになります。目標に対する達成度としての業績、職務・役割内容に沿った成果、業績・成果のベースとなる行動や能力などをいかに客観的かつ公正に評価し、その評価結果に納得性を持たせるかは大きな課題の一つではないでしょうか?

目標・成果のマネジメントに関しては、大きく以下の2つがポイントとなります。

(1)マネジメントライン(評価者)を適正化する
評価者に求められる資格とは何でしょうか。客観的な評価“スキル”の土台上に、業績達成・成果に結びつくプロセス・アプローチを示し、そのための具体的な行動や取り組みを日常業務の中で認知・評価できる“力量”を兼ね備ている。さらに評価の目的を人材育成に高め日常化する“マインドセット(心構え・心的傾向)”を持った人材を評価者にすえる努力が求められます。(図表1左側)

(2)評価の納得性を向上させる
評価の納得性向上のために何ができるでしょうか。基準の精緻化や定量化などによる“客観性の高い仕組み”という土台をつくること。評価に際しての“情報ソースを多様化”すること。その上で半期や1年に一度のイベントではなく“日常の中で都度小まめにコミュニケーション”することを積み重ね、評価結果への満足・不満足を超えた前向きな力を引き出します。(図表1右側)

人事制度が成果主義志向に切り替わっていても、引き続き年功的な昇格を続けている場合、「評価の力量もなければ、マインドセットもない管理職」が評価者として評価することがあります。環境変化が激しく、仕事内容が高度化している中で、評価者自身が環境変化に応じて目標を見直し、プロセスやアプローチの方向性を定め、メンバーに展開できなければ、どんなに評価スキルはあっても納得性の高い評価は難しくなります。また、目標設定・フォロー・評価・フィードバックを通じて、部下を育成するマインドセットがなければ、単に昇降給のための評価になりかねません。

目標・成果マネジメント Part2

人事制度の基準を、全社一律で、短期間のうちに「年功や職務遂行能力」から「成果や職務・役割」に変更した会社も多かったのではないでしょうか。その際、変更前の人事制度の年功色が強い会社ほど、新たな制度への変更は困難な取り組みとなり、その困難さから新たな制度を導入すること自体が「目的」になりがちではなかったでしょうか。“制度改革によりラインマネジメントが変わり組織全体が変わる”との期待に反して、運用するうちに制度に対する予期せぬ疑問や要望の声が上がり始めているケースもあると思います。

皆さんの企業では以下のような点において、全社一律の制度・仕組みの使いづらさを感じていませんか?

・個人の目標達成か、チームの達成か、短期・中期・長期どのタイミングで達成されるかが部署・部門により大きく異なる。

・プロセスや行動が、どの程度、目標達成や成果発揮へ直結するのかが部署・部門により異なる。

・部署・部門によっては、評価者が現実的に評価できる「評価対象」「評価範囲」「評価人数」を超えており、評価に納得性を持たせにくい。

・現場において物理的に評価者が不在に近く、日常接する機会が少ないため、評価することが難しい部署・部門がある。

・目標自体を明確に期首設定することが難しいため、設定した目標に対して成果を評価しづらい職種がある。

・職種によっては期首の目標よりも、期中の成果を期末に詳細に評価した方が評価しやすく、納得性がある。

全社一律の新たな人事制度の運用を始めて2〜3年後には、ラインマネジメントの実態に即して制度の修正・運用方法の最適化をはかり、ライン主導の新たな制度を展開・運用していくアプローチが必要です。

図表2のような全組織共通の制度・運用方法をプラットフォーム(基盤)としてベースにしつつ、例えば研究・開発、生産、企画、販売、管理などのラインマネジメントの実態に合わせて目標設定・評価・フィードバック方法などを最適化することにより、各ラインのマネジメントツールとして制度を最大限活用できます。

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