3つのタイプから学ぶ活用のポイント その意識調査、本当に活用できてますか?

昨今の厳しい経営環境を乗り切り、将来の成長につなげていくために、各企業ではさまざまな施策を実行しています。一方で、従業員は顧客と会社からの期待・要望に応えるべくなんとか踏ん張っています。
こうした厳しい環境下だからこそ「従業員一人ひとりはどう感じているのか」「不満が蓄積していないか」など、従業員や組織の状態を、正しく把握しておくことが、企業にとって以前にも増して重要になっているといえるでしょう。
本特集では、従業員の状況を知るためのひとつの手法として、主にアンケート形式での意識調査を取り上げます。少し前から、従業員満足(ES)ブームともいえる状況も見られ、企業はこぞって従業員の声を聞こうと意識調査を実施しています。結果をうまく活用している企業は、意識調査で現状を把握し、その後の解決策につなげています。さらには経年で実施し、その影響の範囲を広げ、調査自体の内容を進化させています。しかし、ほとんどの企業はそこまでの活用には至っていないのです。
どうしたらせっかく実施した調査をうまく活かせるのか?弊社でこれまで実施してきた100社以上の調査〜検証〜改善施策実行の事例をもとに、意識調査の現状と効果的な活用についてご紹介していきます。
- P1:意識調査がうまくいかない3つのタイプ
- P2:【プランニング】「案ずるより産む」タイプ
- P3:【フィードバック】「臭いものには蓋する」タイプ
- P4:【アクション】「石橋を叩いて渡らない」タイプ
- P5:進化を続ける調査
意識調査がうまくいかない3つのタイプ
意識調査をうまく活用していくには目的・仮説の「プランニング」、結果の「フィードバック」、改善への「アクション」という、3つの観点から考えます。細かく見れば、各所に気をつけるべき点はたくさんあるのですが、ここでは活動全体を見る視点から大きく3つに分けて紹介します。
まずは“活用できていない”と考えられる状態を知ることから、目指す姿を考えてみることにしましょう。意識調査を実施してみたもののうまくいっていないと悩んでいる企業は、ほとんどのケースが以下の3つのいずれか、あるいは複数にあてはまるようです。

次ページからは、それぞれのタイプが陥っている状況と、解決に向けたポイントを、ケースも交えながら順に説明していきたいと思います。