若手営業職の早期戦力化 リクルート流、研修活用法!

リクルートでは、2001年よりCV(Career View)職という期間限定の契約社員制度を導入しました。CV職の中心となっているのは若手営業担当。彼らの早期戦力化は、大きな課題となっています。3年間という限定された期間に、いかに業績に貢献してもらい、本人たちの次のステップに向けてのスキルアップ、キャリアアップにつなげることができるか?そんな中、グループ会社の1つであるリクルートHRマーケティングのFM部門では、弊社の営業向け研修であるFOCUSを活用することによって、大きな成果を上げています。
今回は、実際に施策を企画運営された担当者へのインタビューを交えてご紹介いたします。
- P1:人間は忘れる動物。研修をやりっぱなしでいいのか?
- P2:リマインド研修にマネジャーを引っ張り出す。そこにはどんな狙いが?
- P3:研修内容を営業組織全体の共通言語にし、OJTを活性化する
- P4:担当部署の情熱と創意工夫で、研修の効果を最大化させる
- P5:<参考>学習効果を継続的に高めるために
人間は忘れる動物。研修をやりっぱなしでいいのか?
リクルートHRマーケティング(以下、リクルートHRM)は、〈リクナビNEXT〉〈B-ing〉〈とらば〜ゆ〉〈フロム・エー〉〈タウンワーク〉などリクルートが発行する求人広告の代理店として、人材採用に関する総合サービスを行っている会社です。従業員数1392名(2007年3月1日現在)のうち営業職がおよそ6割を占め、2003年11月から採用を開始したKE職(契約営業職=リクルートのCV職にあたる)を中心に若手がどんどん増えてきている状況です。
同社のFM部門(From A Media:アルバイト・パート部門)では、入社後の研修体制としては、まず1ヵ月間の営業導入研修を行い、3ヵ月後にSTAR(対人スキル向上研修)を、そして1年後にFOCUS(商談スキル向上研修)という流れになっています。
「入社して1年後というのは、彼らにとって踊り場の時期にあたります。当社の営業の仕組みを理解し、スピード感ある中で実践していくことで成果が見えてくる反面、業務に対するマンネリ感も出始める。FOCUSを行うのは、ちょうどそのタイミング。FOCUSは営業職としてベーシックかつ汎用的なスキルを習得するには最適な研修だと思っており、会社発足時より取り入れています」(大島美由紀さん 人事部)

同社にとってFOCUSは、新人営業の卒業試験のようなもの。その後は研修で学んだことを各自現場で活用しながら次のステップに進むというやり方をとっていました。こうした方法について疑問を感じたのは、社内のナレッジ委員会でした。メンバーの一人である高橋雅弘さん(営業企画部)は言います。
「1年目以降も勉強会などを通じて、キャリアのある先輩の成功体験を共有する機会などを提供していましたが、果たしてちゃんと営業力として身に付いているのか? そんな議論をしていくうちに、むしろ現状を把握でき、営業シーンで活用できるロールプレイをやった方がいいんじゃないかという意見が出てきた。その際にFOCUSをベースにすれば、スキルが習得できているかどうか確認できるし、営業プロセスにおける自分の弱点を認識して強化・克服ポイントを知ることができると考えたのです。FOCUSは非常にいい研修だと思いますが、やりっぱなしではやっぱり忘れますからね」こうした背景をきっかけに、同社でFOCUSのリマインド(振り返り)研修がスタートすることになりました。