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「働きがいのある会社リスティング説明会」のご報告

  • 公開日:2010/05/10
  • 更新日:2024/04/11
「働きがいのある会社リスティング説明会」のご報告

2010年3月19日(金)、Great Place To Work(R)主催の「働きがいのある会社リスティング説明会」が開催されました。
「働きがいのある会社リスティング」は、米国に本部を置く専門機関「Great Place To Work(R) Institute」が世界40カ国以上で毎年実施している調査で、日本でも2005年の調査開始以来、調査結果が『日経ビジネス』などのメディアで紹介され、大いに注目を集めています。今回の説明会では、Great Place To Work(R) Institute Japanの和田彰代表が講師を務め、リスティング調査の概要とその意義について詳しい解説が行われました。

会社にとって欠かせない経営資源「ヒト・モノ・カネ」のうち、現在もっとも確保が困難なのが「ヒト」=人材だといわれています。特に2000年代に入ってからは、まさに“War For Talent”時代が到来。優秀な人材を採用し、継続して雇用できる「働きがいのある会社」であるか否かが、会社の将来を左右すると言っても過言ではないでしょう。
では「働きがいのある会社」とは一体どのような会社を指すのでしょう?また、「働きがい」をどのように調査・測定するのでしょうか?リスティング調査結果で第1位となった株式会社ワークスアプリケーションズ様の事例紹介を含め、和田代表による解説の概要をご紹介します。

Great Place To Work(R) Instituteとは?
Great Place To Work(R) Instituteの考える「働きがい」とは?
「働きがい」を調査するとは? ~調査概要と評価方法~
2010年度「働きがい」調査:第1位のワークスアプリケーションズ様の事例
さいごに

Great Place To Work(R) Instituteとは?

まず、Great Place To Work(R) Instituteについてご紹介します。

■Great Place To Work(R) Instituteの歴史

Great Place To Work(R) Instituteは、米国で設立された研究・コンサルティング機関です。「働きがいのある会社」を調査分析し、一定の基準に達している会社をリストにして、有力メディアを通じて発表する活動を世界40カ国以上で展開しています。
1980年の研究開始以来、研究を継続するとともに、測定ツールや教育サービスの開発、「働きがいのある会社づくり」の支援を行い、この研究分野におけるリーダーとして活動しています。特に、年に1度公表するGreat Place To Work(R)リストへの評価は非常に高く、米国ではこのリストに名を連ねることは「一流企業の証し」とされているほどです。リストは、米国の有力雑誌『FORTUNE』が毎年選ぶブルーリボン企業(優良企業)の選定基準の一つとして採用されています。

■Great Place To Work(R) Instituteの使命

Great Place To Work(R) Instituteの使命は、「信頼」「誇り」「連帯感」で構成されるGreat Place To Work(R) の理念やモデル(働きがいのある会社モデル)、優れた事例の紹介などを通じて、「働きがいのある会社」の普及と実現のための支援活動を行うことです。ひいては、よりよい社会の実現に貢献することを目指しています。

Great Place To Work(R) Instituteの考える「働きがい」とは?

次に、Great Place To Work(R)の考える「働きがいのある会社」のモデルとその特徴をご紹介します。

■Great Place To Work(R)モデル~「働きがいのある会社」とは?

「知名度」「給与」「就職人気ランキング」……「働きがいのある会社」の捉え方はさまざまあると思います。
Great Place To Work(R)では、「他者評価」ではなく「自己認識」「従業員からの評価」に注目したモデルを提供しています。大きく分けて「信頼」「誇り」「連帯感」の3ディメンション(要素)で構成され、このうち特に重要な要素である「信頼」については、「信用」「尊敬」「公正」の3つに分けて捉えています。この計5つのディメンションが、働きがいのある会社作りに欠かせないものです。すなわち、「働きがいのある会社」とは、従業員が勤務している会社やその経営者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている仲間と連帯感が持てる会社なのだと考えています。

Great Place To Work(R) Instituteの考える「働きがい」とは?

■Great Place To Work(R)モデル・調査の特徴~他の調査との違い

過去30年近くにわたって続けてきた研究・調査の結果に基づく本モデル最大の特徴は、3000名以上の従業員の生の声をベースにしている点です。ベースとなる従業員の声は、膨大な数のインタビューを実施することで得られた信頼度の高いものです。調査時の設問に関しても、特定の専門家が作ったものではなく、従業員の生の声をもとに考案した設問を採用しています。従業員の極めて率直な意見をくみ取るための工夫です。

また、このモデルに基づく調査は、一般的な従業員意識調査などとは違い、その会社の欠点や課題を発見するために行うものではありません。むしろリスティングに参加した会社には、ぜひ自らの「強み」や成長の機会、他社との違いを認識し、その会社ならではの「働きがい」を高める行動を自ら起こすきっかけとしていただきたいと考えています。そのため、調査結果では肯定的な回答をした人の割合を算出し、会社の強みや長所を見極められるように配慮しています。

「働きがい」を調査するとは? ~調査概要と評価方法~

■調査の概要

では、実際の調査内容がどのようなものかをご紹介いたします。
Great Place To Work(R)リスティング調査は以下の2つに分類されます。

(1)トラストインデックス(C)(従業員へのアンケート)…評価ウェイト3分の2
無作為に抽出された従業員対象のサンプル調査です。前述の5つのディメンションに基づいてアンケートを実施します。世界共通の設問に回答していただきます。 このトラストインデックス(C)を実施する際には、必ず従業員にリスティング参加の趣旨などを記した「社長からの手紙」をお送りいただきます。この調査に参加し「働きがいのある会社」に向けての取り組みを開始する旨を、トップ自ら宣言していただくためです。

(2)カルチャーオーディット(C)(人事部門へのアンケート)…評価ウェイト:3分の1

企業文化や人事制度などに関する2部構成のアンケートで、人事部門担当者に回答していただきます。設問は以下の2つのパートに分かれています。

パート1:会社概要、従業員、人事制度など基本情報に関する質問(約100項目)※評価対象外
パート2:企業文化や会社方針、人材に関する施策・制度などの具体的記述

パート2では、次の9領域での取り組みに着目しています。

【カルチャーオーディット(C)の9領域】

【カルチャーオーディット(C)の9領域】

■評価方法

Great Place To Work(R) Instituteの評価基準は世界共通です。評価は複数の評価担当者で行い、複数回のミーティングを実施して評価の偏りを防いでいます。対象企業と利害関係のある者が評価を担当することはありません。
また、特に評価に慎重を要するカルチャーオーディット(C)は、前述の9領域についてバラエティ(プログラムの多様性など)、オリジナリティ(プログラムの創造性など)、人間味(配慮・思いやり・尊敬の感情がこめられているかなど)などの5つの観点から評価しています。各観点で充実している取り組みやプログラムが、「働きがいのある会社」の実現に役立つと評価しています。

2010年度「働きがい」調査:第1位のワークスアプリケーションズ様の事例

では、実際に本リスティング調査に参加される企業は、どのような背景を持ち、調査結果をどのように活用しているのでしょうか。2010年度働きがいのある会社リストでベストカンパニー第1位となった株式会社ワークスアプリケーションズ様の事例をご紹介します。

(1)調査への参加背景

同社はERP(統合基幹業務システム)パッケージソフト「COMPANY」の開発を手掛けるソフトウエア企業です。1996年の創業以来、創業わずか5年でジャスダック上場を果たし、現在、大手企業向け人事・給与パッケージ市場でのシェアは59.4%(※1)、7年連続で国内シェアNo,1を獲得しています。(※1)2008年大手企業向け(年商1000億円以上)人事給与ソリューションのライセンス売上高シェア(エンエンドユーザ渡し価格ベース)

企業理念は2つ。1つは、「日本企業の情報投資効率を世界レベルへ」。そして、もう1つは、「日本のクリティカルワ―カ―に活躍の場を」。この理念にあるとおり、同社は求める人材を「クリティカルワーカー(=ゼロから新しい価値を生み出す問題解決志向型の人材)」と定義し、そのポテンシャルを有する人材の採用を重要な経営課題として位置づけています。そして、入社後も徹底したエンパワーメントのもと、自己成長するための難度の高い仕事への挑戦を促しています。また、一方で、360度評価や、妊娠判明時から小学校卒業まで、最長13年間取得可能な出産・育児支援制度など公平な評価やキャリアの継続が行える制度を整備し、クリティカルワーカーが最大限に能力を発揮できるフィールドを提供し続けてきました。そのフィールドへの客観的な評価の1つとして、第三者機関が行う「働きがいのある会社」リスティングを活用しています。

(2)効果・影響

2010年の「働きがいのある会社」リスティングの結果、同社は「信用」「誇り」「公正」「連帯感」の4つの要素でベスト5に入るなど、全ての要素で高い評価を得て、第1位となりました。従業員からは「チャレンジに対しての失敗の許容」や「個性の尊重」、「性別・人種に関係ない正当な評価・報酬」などに対する評価コメントが多く寄せられ、従業員の働くフィールドへの満足度の高さが如実に表れる結果となりました。

同社は、この結果をプレスリリースするとともに、採用HPにて求職者に対しても発信を行っています。同社での「働きがい」を支える諸制度について紹介するだけでなく、本調査の結果通じて得られた従業員からの満足度や評価項目についても掲載しています。また、2010年3月1日付の日経ビジネス誌上では、ベストカンパニー第1位の企業として同社の取り組み並びに代表取締役CEOである牧野氏の社員への想いや「働きがい」への見解が紹介され、同社の理念と取り組みを広く伝える一助となりました。

さいごに

「働きがい」のある組織を作ることは、どんな企業にとっても極めて重要な事項です。Great Place To Work(R) Instituteの考え方は、必ずしも唯一絶対の正解ではなく、一つの見方としてご紹介しています。この見方にご賛同いただける企業の方々に、リスティング調査にご参加いただき、自社の「強み」「成長機会」を見つけたり、他社とのギャップや取り組みを知ることで、働きがいをさらに高める「行動」を起こすきっかけにしていただければと考えています。

Great Place To Work(R) Institute Japan 問合せ先
電話番号:03-6215-6100
メールアドレス:contact@greatplacetowork.jp

http://www.hatarakigai.info/

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