「いい会社」から考える人事の役割 働く人の代弁者であり、経営のパートナーとなる人事とは

いい会社の研究は、昔から行われています。代表的なものとして、ピーターズとウォータマンの「エクセレント・カンパニー」、コリンズとポラスの「ビジョナリー・カンパニー2」が挙げられます。 「エクセレント・カンパニー」では、成長率と財務諸表の健全さという観点、「ビジョナリー・カンパニー2」では、30年間の株式運用成績によって、「いい会社」を定めています。いずれも財務的業績がいい企業を「いい会社」としています。

一方で、財務的に大きな飛躍はないが、長く事業を継続している企業も、今後の企業経営を考えるにあたって、注目に値します。特に、100年を超える「超長寿企業」は、近代国家誕生以前に創業され、この100年間の激変する環境を生き残ったという観点で、「いい会社」といえるのではないでしょうか。

また、働く人の「働きがい」というのも、「いい会社」を考える上で、必要な観点であるといえます。従業員がいきいきと働いているという側面は、企業の社会的責任からも、今後より重要視される観点であると考えられます。

今週の特集では「いい会社」を、「財務的業績」「長寿性」「働きがい」の3つの観点から考えていきます。


「いい会社」に共通する4つの特徴(1)

「財務的業績」の特徴については、弊社組織行動研究所のプロジェクトメンバーによって、1974年9月から2008年6月までの、全上場企業の株価リターンを計算し、産業別に株価リターンが大きかった企業を選出し(表1)、各企業の事実分析(※1)を行いました。 そして、「長寿企業」の特徴に関しては、亜細亜大学教授 横澤利昌氏が中心に行った長寿企業の調査(※2)を参考にし、「働きがい」については、Great Place To Workモデルを参照しました。

そこから導き出された「いい会社」に共通する特徴は、以下の4つです。
(1)時代の変化に適応するために自らを変革させている
(2)人を尊重し、人の能力を十分に生かすような経営を行っている
(3)長期的な視点のもと、経営が行われている
(4)社会の中での存在意義を意識し、社会への貢献を行っている


4つの特徴に大きな驚きの事実はないかもしれません。すでに多くの人によって、語られていることであるし、実際に多くの会社で実行されている内容でもあるからです。


【表1 株価リターン上位銘柄(東証上場企業:1974年9月〜2008年6月)】

※1 事実分析に用いた資料は、対象企業の創業から現在までに関して書かれた書籍、社史、記事などです。成功要因の抽出方法としては、まず初めに、過去の同様の研究を参考にした持続的に成長するための条件と考えられる要素を、次に収集した各社資料の「事実」を抽出し、各要素に該当するかどうかのチェックを行い、「持続的成長を促進するための要素」75項目を厳選して抽出しました。各社にインタビューを申し込み、チェック依頼、最後に、会社ごとにチェックした75項目の要素を業績のいい会社すべてで見ていき、「成長期・安定期でも危機感がある」「成果やプロセスをモニタリングする仕組みがある」などの成功要因を抽出していき、財務的な業績が良好な企業の特徴を構築していきました。
※2 横澤利昌編著(2000)『老舗企業の研究−100年企業に学ぶ伝統と革新』生産性出版

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