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売れるために何にFOCUSすればよいのか?

ロングセラーの研修を通じて、今求められる営業について考える

  • 公開日:2006/06/01
  • 更新日:2024/04/11
ロングセラーの研修を通じて、今求められる営業について考える

顧客ニーズが多様化、高度化していく中、従来の商品提示型の営業スタイルだけでは十分な顧客満足(CS=カスタマーサティスファクション)は得られません。
では、売れるためには、いったい何にFOCUSすればよいのでしょうか?

本特集では、ロングセラーの営業研修をもとにそのポイントをご説明いたします。

売れる営業担当と売れない営業担当
なぜ売れないのか?
提案営業? コンサルティング営業? ソリューション営業?
目指すべき営業スタイル
最後は営業の姿勢

売れる営業担当と売れない営業担当

世の中には、売れる営業担当と売れない営業担当がいます。
彼らの違いはいったい何なのでしょうか?
そんな素朴な疑問がFOCUS研修開発の出発点となっています。
安定的に高い業績を挙げ続ける営業担当(トップセールス)を徹底的に調査・研究すると、実は、彼らには大きく2つの共通点がありました*注。それは、

1.お客様の役に立ちたいという強い意欲(考え方)
2.お客様との商談の進め方、やり方(スキル)

です。
このトップセールスに共通した、1.考え方と、2.スキルを体系的に整理したのがFOCUS(商談スキル向上研修)です。

*注
FOCUSは1985年、アメリカで開発されました。リストラの嵐が吹き荒れる深刻な不況時代でも、安定的に高い業績を上げている営業担当がいることに着目。全米13業種300名のトップセールスにインタビューを行い、売れる秘訣を調査しました。その結果、業種は異なっていてもトップセールスには共通の考えと行動があることが突き止められたのです。
日本版開発に当たり、リクルートは日本のトップセールス100名にインタビューを実施。
トップセールスの意識と行動は、日本でもアメリカでも変わらないことを確認しました。

なぜ売れないのか?

商談目標とスキル(図1)

図1に注目してください。
商談目標が並んでいますが、これはいわゆるアプローチからクロージングまでの商談の流れです。
売れない営業担当は、商談を自分勝手に進めていく傾向があります。

例えば、あなたが自動車を買い替えようと、あるカーディーラーのお店を訪ねたとしましょう。
このメーカーの「A」という車種に興味があるのですが、決めているわけではなく、他にも検討車種があったとします。

展示していた車「A」を見ていると、お店の営業担当に声をかけられました。
商談テーブルに案内され、出された飲み物を飲んでいると、「A」という車のカタログをもった営業担当が戻ってきて、車の説明を始めます。

いかに「A」がいいか、ということを一方的に説明されますが、「A」のよさはわかるものの、はたして、自分にとって「A」がベストな選択なのか、今ひとつピンとこない。
そのうち、「試乗しませんか?」「見積りをつくりましょうか?」としつこくいわれ、やっとの思いで断り、店を出たあなたは、こう思います。「もう、この店に足を運ぶことはないだろう……」

この営業担当はいったい何が悪いのでしょう?それは、お客様の購買心理を「全く無視」して商談を進めていることに他なりません。

あなたは、「A」という車に関心があってわざわざ来店したはずなのに、「A」について話す営業担当の話には関心をもてなかった。また、あなたは自分のニーズをしっかり認識できなかったので、商品説明はされたが、「A」という車を選択できなかった。この営業担当は関心→認識→選択という、購買心理を全く無視して商談を進めてしまったのです。

FOCUSでは、このような営業を『営業担当本位の営業』と呼んでいます。

提案営業? コンサルティング営業? ソリューション営業?

FOCUSの目指す営業スタイル(図2)

図2を見てください。
『営業担当本位の営業』をしてしまったこの営業担当は、月々の台数目標を達成するために、なんとか車を売りたいという気持ちが先行し(実績優先)、「A」という車(商品)のよさを一方的に説明・説得していたのです。

このような営業のやり方でも売れることはあります。但し、そのようなケースの多くは、そもそも商品がよくて、たまたま売れたということが多いのです。決して営業担当に営業力があったわけではありません。このような売れない営業担当に共通しているのは、お客様の立場に立てないことです。

FOCUSでは、『お客様本位の営業』を目指します。
図2の左側を見てください。
お客様は、自分の問題(=ニーズ)を解決してほしいのです。さらに、そのための相談にのってほしいのです。

お客様の問題は、今の車が小さいので、休日に家族5人のドライブがつらいことだとしましょう。
だとしたら、その問題を聞いた上で、例えば「Aという車は7人乗りで……、こんなシートアレンジもできるので……、家族全員で快適なドライブが楽しめますよ。」などと強調すればよいのです。お客様はきっと納得してくださるでしょう。

つまり、お客様の相談にのりながら、お客様の問題(=ニーズ)を確認し、その問題の解決策を提供していくのです。お客様の納得を積み重ねていくことで、結果、満足して購入いただけるのです。
このような問題解決型営業のことを『提案営業』といったり、『コンサルティング営業』といったり、はたまた『ソリューション営業』などといっています。言葉は違えど、基本的には全部同じ営業スタイルをさしています。

目指すべき営業スタイル

世の中にはさまざまな商品・サービスがあり、さまざまな営業形態があります。それに応じて営業スタイルも変化していきます。しかしながら、営業担当という人を介して営業(販売)するならば、これからはますます問題解決型が求められるでしょう。

図3を見てください。
『注文とり型』というスタイルがあります。営業担当がお客様のところを訪問して、御用聞きをするものですが、これは昔からあるスタイルであり、スタイルそのものを否定するつもりはありません。

しかしながら、このスタイルはどんどん『人』以外のものにとって代わられているのが現状です。
通信販売、テレビショッピング、ネット販売がいい例でしょう。今や主婦がネットで株式売買をする時代です。営業担当は必要ないというお客様もいるかもしれません。
そんな時代に営業担当(人)として、お客様の満足(=CS)を実現するためには、ただ注文を取るのではなく、プロとしてお客様の相談にのり、お客様の問題を解決するためのアドバイスをする必要があります。

顧客満足(CS=カスタマーサティスファクション)という言葉は、何も今に始まったことではありません。ずいぶん昔からいわれてきたものです。ただ、この考え方に沿った営業ができる営業担当は今も昔も決して多くはありません。
『営業担当=売り込まれる』という世の中のマイナスイメージがなかなか払拭されないのは、お客様の立場に立ってお客様本位の営業を実践している営業担当が少ないからなのでしょう。

いろいろな営業スタイル(図3)

営業の王道

そもそも誰にでも通用する究極のセールストークなど存在しません。相手(お客様)によってニーズが違うからです。営業を極めてシンプルに考えれば、商品・サービスの特徴とお客様のニーズをマッチングすることです。これさえできれば、売れるはずです。ですから、ニーズを聞くことが重要なのです。しかし、これをお客様との会話の中で進めていくことは決して簡単ではありません。相手は心をもった人間だからです。そこで、サインとスキルという考え方が大切になってきます。

図1に戻って考えると、営業担当は、常にお客様の心理をキャッチし、心理に合わせた適切な対応をとる必要があります。この適切な対応のことを「スキル」と呼ぶのですが、お客様の心理をつかむことは、なかなか難しいのです。

そこで、お客様の発言や態度(サイン)に注目して、しっかりとお客様の心理を把握することが重要になります。お客様がカタログを見ながら、腕組みをして「ううん……」と考える。これもサインです。
このサインには、「疑問がある」「迷っている」などの顧客心理が考えられます。このサインをキャッチできたらどうするのが適切でしょう?かまわず一方的に商品説明をすることではないはずです。

サインを見落としてもだめ、サインはキャッチしたが適切な対応ができない(スキル不足)のもだめなのです。このサインとスキルは実践で身につけるしかない。だからロールプレイが必要となるのです。FOCUSでも研修時間の半分くらいはロールプレイをやっています。

最後は営業の姿勢

FOCUSでは、図1にある9つのスキルに、基本スキル(質問・共感のスキルの2つ)を加え、全部で11のスキルを紹介しています。スキルをひもとけば、ひもとくほど、セールストークを身につければいいという誤解を招くことがあります。

さきほども触れたように、どんなお客様にも決めてもらえるような究極のセールストークなど存在しません。売れる営業担当は、必ずしも話がうまいわけではありません。お客様のニーズを引き出し、そのニーズと商品・サービスをマッチングすることが上手なだけなのです。

それは、突きつめれば、お客様の役に立ちたいという気持ちを強く持ち、お客様のためにという姿勢(心構え)があるということです。心構えが変わると行動が変わる。行動が変われば結果が変わる。みなさんの大切な人が悩んでいたらどうしますか?いきなり「ああしろ。こうしろ。」というでしょうか?あなたが本当にその人のことを大切に思うなら、まずは相手の話にじっくり耳を傾けるでしょう。営業も同じです。当たり前のことなのです。

「あなたは、なぜ売れるのですか?」の問いかけに、トップセールスの多くはこういいます。「当たり前のことをしているだけです」と。売れている営業担当が当たり前に実践していることも、売れない営業担当には「目からウロコ」となるのです。そんなトップセールスの「考え方」や「ノウハウ」を2日間で体系的に学べるのがFOCUS(商談スキル向上研修)なのです。

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