ハードの統合からソフトの融合まで M&Aの組織・人材マネジメント<前編>

弊社では、合併に伴う人事制度の設計・組織融合のお手伝いをさせていただくことがあります。その大半は、いわゆる「水平・対等」方式の合併になります。人事の観点からすると、社員のモラールやモチベーションに配慮した「水平・対等」方式の合併は、日本的なスタイルであり、風土・文化の融合も進みやすく現実的な方式であるように見えます。しかし、いざ、実際にそれぞれの組織や制度を統合しようとすると、難しい点も少なくありません。

本特集では、弊社がこれまでお手伝いしてきた事例をベースに、「水平・対等合併」の場合の、制度(ハード)の統合と、風土・文化(ソフト)の融合の方法を、具体的なツールの紹介を交えて提示してみたいと思います。

制度(ハード)の統合部分を前編、風土・文化(ソフト)の融合部分を後編としてご紹介いたします。今回の特集では前編の制度(ハード)の統合についてとりあげます。


水平・対等合併という形態の難しさ

平成16年度の『公正取引委員会年次報告』(独占禁止白書)によると、日本国内の合併形態は、製造業、非製造業によらず、水平関係での合併が過半数を占めています。また、統合比率に明らかな差がある場合であっても、案件公式発表では「対等合併」として広報され、それに基づいてその後のプロセスが進められる点も大きな特徴と言えます。つまり、統合比率によらず、「水平・対等合併」という形で、双方のやり方を尊重する事が求められます。

人事の観点からすると、対等合併という形態は、社員(時にOB・OGまでも含めて)のモラールやモチベーションに配慮した日本的なスタイルといえます。しかしその半面、実際に組織や制度を統合・融合するにあたっては、以下のような現象が少なからず見受けられます。

組織面
・役員・管理職ポストを平等に配分することに留意した結果、組織の重複が残ったままとなる
・対等関係で複数の企業がそのまま合併・統合したことにより、人員が足し算のまま残っている
・ポストや業務の重複により、組織が巨大化・複雑化してしまい、意思決定プロセスが煩雑となり遅くなる

人事面
・「いいとこ取り・残し」で制度を統合した結果、会社の方針や戦略と制度が乖離し、制度への疑義・不満がでる
・賃金水準の違いを解消すべく移行・調整措置を設けたが、あるべき姿からかけ離れた運用実態となっている
・統合前の駆け込み昇格・昇進により、資格のレベルと実際の仕事・役割内容とがねじれている

風土・文化面
・たすきがけ人事、業務の重複、明確なポリシーや方針の不在などで、組織・風土の融合が進まない
・価値観・考え方や業務の進め方の違いばかりが目立ち、シナジーよりもマイナスの現象が顕在化している
・融合の重要性を認識しつつも、融合のきっかけや兆しがなかなか見出せないまま現状に流されている

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