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特集

成長のKeyはトランジション

企業人の成長をデザインする

  • 公開日:2010/08/02
  • 更新日:2024/04/11
企業人の成長をデザインする

「新入社員の学生意識がなかなか抜けず、社会人への意識転換が進まない」
「若手社員が仕事の領域を広げていかない」
「職場の中堅社員が新しいことにチャレンジできず、小粒化している」
「マネジャーが部下に要望しきれない」
「事業を担うことができる次代の経営人材が不足している」

昨今企業の人事の方々から、上記のような悩みや相談をよくお聞きします。これらの問題は、対象となっている企業人の役割や階層は異なるものの、ある共通した人材育成上の問題をテーマとしています。

そこで弊社では、年間14万人を超える受講者に提供している研修現場での情報や、日々いただく経営・人事の方々からの相談、そして働く人々へのインタビューや人事の方々へのアンケートをもとにして、これらの問題を解消できる人材育成モデルとして「トランジション・デザイン・モデル」を作成しました。
今月の特集では、昨今多くの企業が抱えている人材育成上の問題とその解消につながる人材育成モデルについて紹介します。

「役割転換不全」への着目
「トランジション・デザイン・モデル」とは
意図して仕掛ける人材育成 ~トランジションのメカニズム~
Managerへのトランジション
企業人の成長を支援する

「役割転換不全」への着目

今回紹介するモデルは、企業人が新たな役割を担い、最も成長が期待される「役割ステージの転換期」(入社や昇進・昇格などの新たな役割を企業から求められるタイミング)に着目して作成したモデルです。なぜここに着目したかというと、昨今お聞きする悩みや相談を紐解いていくと「役割転換不全」がより顕著にみられ、この解消こそ人材育成上の問題を解決する大きなテーマであると捉えたからです。
では、この「役割転換不全」は新たに浮上してきた問題なのでしょうか? いえ、決してそうではありません。

【昨今の人材育成に関する悩み・相談の一例】

【昨今の人材育成に関する悩み・相談の一例】

「役割転換不全」自体はこれまでも存在していた人材育成上の問題です。「最近の新人は・・・」というようなことが言われ始めたのは今に始まったことではありませんし、「課長が課長の仕事をしない」というような話はこれまでもあった話ですし、それらに対してこれまでもさまざまな取り組みがされていました。しかしながら、改めてこうした問題が企業の現場で注目されるようになってきたのは、市場競争の激化や環境変化のスピードアップに伴い、企業の人と組織に関する構造的な変化が拡大してきたことが要因だと考えられます。

その内外の構造的な変化については後述しますが、この変化があまりにも大きいため、OJTやOff-JT、マネジメント強化などの施策を個々に取り組んでも、その効果があがりにくくなってきているのです。これらの構造的な変化に迅速かつ確実に対応していくためには、企業人の「役割転換不全」を解消し、より早期に転換できるよう支援・促進していくことが必要となってきます。その転換を支援・促進する人材育成モデルが「トランジション・デザイン・モデル」になります。

「トランジション・デザイン・モデル」とは

「トランジション・デザイン・モデル」は、企業が求める役割と本人の意識・行動にGAPが生じがちな、役割ステージの転換期に着目したモデルです。転換期を迎えた企業人の役割ステージへの転換を意図的・計画的に促進することで、役割に応じた成果を早期にあげてもらえるようにすることを目的としています。さらにこの人材育成モデルは、個々人が職場でも関わりあいながら役割転換を促進していくモデルであるため、人材育成にとどまらず組織の活性化にもつながるモデルであり、以下のような3つの特長を備えています。

1、企業の持続的成長と個人の成長をつなげた『人材育成モデル』です。

2、すでに役割を全うしているハイパフォーマーの行動を定点観測して網羅的にまとめた「静的なモデル」ではなく、役割ステージの転換メカニズムに焦点をあてた「動的なモデル」です。

3、役割転換を促進させるうえで「周囲の関係性」を重視して、その働きを明らかにしました。「本人の力だけで役割ステージを転換する」という、個人の資質や行動にのみ焦点をおいた人材育成の考え方ではありません。
では、その「トランジション・デザイン・モデル」はどのようなメカニズムになっていて、より役割ステージの転換を促進する上では、何が重要なポイントになっているのでしょうか? そのメカニズムとポイントを次にご紹介します。

【構造的な変化とその変化に対応した人材育成施策】

【構造的な変化とその変化に対応した人材育成施策】

意図して仕掛ける人材育成 ~トランジションのメカニズム~

企業人が、新たな「役割ステージ」を期待される場合には、強弱はあるものの何らかのサイン(例:入社・昇進・昇格・異動・任命など)が発せられます。これが「トランジションの入口」であり、その期待された「役割ステージ」を遂行できるようになるまでの期間が「トランジション」になります。環境変化も激しく、スピードを求められる昨今では、いかにはやく「トランジション」を抜けて、役割を遂行している状態にもっていくかが重要であり、「トランジション」の促進を意図的に仕掛け、デザインしていくことが人事の腕の見せ所でもあるといえます。

では「トランジション」のメカニズムにおいて何がポイントになるのでしょうか。ポイントは以下の3点です。

1、トランジションの期間を短くする
本人の成長と健全な組織運営のためにも、トランジションの短期化(成長の加速)が重要です。

2、トランジションの核心となる「必要な意識と行動」を伸ばし、「不要な意識と行動」を抑える
新たな役割ステージに必要な意識・行動を伸ばすだけでなく、不要なものを抑えるということが重要です。

3、トランジションを促進する「本人の体験」と「周囲の関わり」を意図的に仕掛ける
トランジションの核心となる意識・行動を短期間で身につけるためには、まず本人に新たな役割ステージを迎えたことを認識させた上で、本人の努力により経験すると、良い体験を積ませることが重要です。そしてそれらを自助努力に任せるのではなく、周囲から適切な関わりや支援を行うことで、本人がトランジションに必要な意識・行動をよりはやく身につけ、トランジションの期間を短くすることができます。

【トランジションのメカニズム】

【トランジションのメカニズム】

Managerへのトランジション

ではここで「トランジション・デザイン・モデル」の一例を、弊社にて作成した持続的成長企業に必要な企業人の「10の役割ステージ」の1ステージであるManagerにて紹介します。
Managerは「集団に働きかけて、組織業績を達成するとともに変革を実現する」ことが求められている役割ステージです。この役割ステージのトランジションを乗り越えたサインは、「メンバーに任せることの効果そして仕事の打ち手と職場のつながりを実感すること」になります。一方で乗り越えられない場合にも何らかのサイン・症状が表れます。

例えばManagerがメンバーの仕事を奪ってしまったり、メンバーにやらされ感が広まってしまったりして、組織力が大きく低下するというような症状です。それを未然に防ぐためにも、下図のような意識・行動を早期に身につけさせていくことが必要です。特にManagerにもなってくると、周囲からのフィードバックや過去の失敗体験を取り込んで、行動を早期に変えさせていくことがトランジションにはより効果的です。そのため転換期のManagerへの研修は、職場の現実とつないで、本人の意識や行動の変化を促す設計がおすすめです。

Managerへのトランジション

企業人の成長を支援する

さて、今回ご紹介した「トランジション・デザイン・モデル」は決して新しい考え方ではありません。
弊社がこれまでも大切にしてきた「企業人は常に変化し成長することを欲している。その成長には周囲との関係性が欠かせず、その関係性の中で、自分の経験を意味づけ評価し、自らの理想に向かって成長し続ける創造的な存在である」という人間観に基づく人材育成モデルです。高度で複雑化し、スピードが求められる昨今では、事業を前に進め、成長に導くには活性化された人と組織は不可欠です。そしてその原動力となる企業人の成長支援こそ、人事の重要な役割のひとつです。
企業人の成長を支援するために、さまざまな人事施策と職場の動きを統合し、意図的に人事施策を実行するデザイン力が、今人事には求められる時代になってきています。「次代を担う人づくり」に貢献していくことが、企業の持続的成長と発展に大きく影響を与えることになるのです。

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