連載・コラム
「今」の新入社員育成のヒント
新入社員の早期立ち上げを後押しする「8つの基本行動研修」とは? 実際の研修模様も紹介
- 公開日:2024/07/22
- 更新日:2024/10/08

「配属前に基本的なビジネスマナーを身につけさせたいけれど、効果的な方法が分からない」「人手不足で、新人の教育に手が回らない」……などなど、新入社員の人材育成に課題を持つ企業は多いのではないでしょうか。最近では「今どきの新入社員は難しい」という声もよく耳にします。
そのような企業の課題を解決すべくリクルートマネジメントスクールが提供しているのが、「8つの基本行動研修」です。この記事では、今の新入社員の傾向と併せて、研修の特長をご紹介。実際に研修に携わるトレーナーの声も交えて、新入社員を早期に育成するポイントを解説します。
◆前回コラムはこちら
Z世代の新入社員の早期育成に向けてどんな工夫をしたのか?
「8つの基本行動研修」とは?
「8つの基本行動研修」とは、社会人として必要な基本行動や姿勢を習得するための、対面型新入社員研修です。ビジネスマナーをはじめ、新入社員が不安に感じやすい「電話対応」や「顧客対応」、「報・連・相」といった、どんな業界・職種であっても必要となる基本行動を2日間かけて学びます。
社会人としての基礎力を早期に身につけることは、新入社員の不安を払拭できるうえ、本人の自信にもつながります。さらに、周囲からの信頼獲得、上司やクライアントとの円滑なコミュニケーションの土台づくりにもなるのです。
「相手の期待を考える」に着目した、8つの基本行動
「8つの基本行動研修」でトレーニングするのは、以下の8項目です。
- あいさつ・自己紹介
- 敬語・マナー
- 電話対応
- 指示を受ける
- 名刺交換
- 報告・連絡・相談
- 準備・計画・時間管理
- 結果をふりかえり次に活かす
どれも社会人に求められる基本的な行動ではありますが、本研修はこれらの知識やスキルをただ型通りに学ぶのではありません。「相手の期待を考える」姿勢を持って行動するトレーニングを実施します。
新人時代、仕事では周囲と協力する場面が多く発生します。そのなかで「顧客や取引先、上司や先輩たちは、自分に対してどのような行動を期待しているのか?」その期待に気づき、行動することがスムーズな仕事につながるのです。「相手の期待」から自分の行動を組み立てる姿勢を身につけることで、新入社員はどのような場面であっても相手に配慮した行動ができるようになります。
プログラムの特長
「8つの基本行動研修」には、大きく分けて2つの特長があります。
「相手基準」で考える力が身につく
本研修では、行動一つひとつにおいて「相手の期待を考える」ための工夫を凝らしています。例えば電話対応のセッションでは、まず「電話の相手はあなたに何を期待すると思いますか?」と受講者たちに問いかけ、そのうえで電話対応の必要性について解説。受講者は相手基準で考える力が身につき、「だから、この行動が必要なんだ」と納得感を持って学ぶことができます。
1人では得られない「気づき」による成長がある
本研修では、職場でのシーンを想定したロールプレイを繰り返すことで、基本行動の定着を図ります。合間には講師が巡回し、的確にサポート。さらに、研修に参加したメンバー同士でもアドバイスをし合い、結果を振り返ります。仲間と協力して研修に臨むことで、「相手に与える印象」や「行動の癖」に気づくことができ、自身のさらなる改善や成長につなげられます。
今の新入社員の特徴
新人育成においては、世代ごとの特徴を理解したうえで、学習効果を高める仕組みをつくることが重要です。ここでは最近の新入社員の特徴について、研修を通して実際に新入社員と接しているトレーナーの声を交えて解説します。

重要視するのは「自分基準」
今の若者世代は「自分基準」を大切にし、何ごとにも自分にとっての「意味」や「メリット」を強く求める傾向があります。
「今の新入社員には、さまざまな経験をしている方が多い印象です。ただビジネスマナーや基本行動については“本当に必要なのか”“自分にとってどれくらい大事なことなんだろう”と、学ぶ必要性をなかなか実感できない方もいますね」(森 叡人氏)
しかし「意味」や「メリット」に納得すると、俄然やる気や主体性が高まるのも、今の若者世代の特徴です。こうした現代の新入社員の特性を踏まえ、本研修は2024年春にリニューアル。「相手基準」で行動することの大切さをしっかりと伝え、研修の意味や本人にとっての必要性を理解してもらえるように内容をアップデートしています。
想像と現実の「ギャップ」に気づく力がある
トレーナーの隈 明日美氏は今の新入社員について、 “自分はできている”という思い込みと、“実はできていない”という現実のギャップに自ら気づく力を持っていると指摘します。
「最近の新入社員にはアルバイト経験が豊富な方も多いためか、 “(社会人としての行動が)すでに身についている”と思い込んでいる方も少なくありませんでした。しかし研修で実際にロールプレイングを経験すると、“実は自分はできていなかった”と気づく方が多かったんです。そのギャップに自分で気づくという点が新鮮でした」(隈氏)
自分の現状を客観視することは、自分を成長させる第一歩です。本研修ではロールプレイングを繰り返すことで、自分の行動を振り返り、気づきを得る機会を多く設けています。
トレーナーから見る、研修を終えた新入社員たちの「変化」
「8つの基本行動研修」は、新入社員たちにどのような成長をもたらすのでしょうか。実際に研修を担当するトレーナーたちに聞いてみました。
“なぜ、この行動が大事なのか?”を常に問いかける
——研修を終えた率直な感想や、研修で意識したことを教えてください。
「受講者の方たちの、キラキラした目でうんうんと頷きながら聞いてくださる姿勢には励まされました。
また研修で特に意識したことは、私が社会人として一番のモデルになることです。立ち姿、座る姿、話し方……こういった一つひとつが皆さんのお手本となるように心がけました」(隈氏)
「研修中は、形式張った学習ではなく“なぜ、この行動が大事なのか?”といった背景を、受講者に考えてもらう問いかけを意識しました」(森氏)
実践を繰り返し、社会人としての解像度を高める
——研修後、新入社員に変化や成長を感じたところは?
「研修では2日間にわたるロールプレイングを繰り返すのですが、実践を通して成長を感じる場面が多かったですね。基本行動の応用編として、自分で考えたセリフを交えて実践する場面では、受講者のカラーが出ていたと思います」(隈氏)
「実践を繰り返すなかで、自信を持ってアクションできるようになったり、顔つきが変わったりしていくのを感じました。“仕事ってこういうものなんだ”といった、社会人としての解像度が高まったのではないでしょうか。積極的にトレーナーへ質問したり、受講者同士でアドバイスし合ったりなど、取り組む姿勢が前向きに変化していったのも印象的でしたね」(森氏)
〈相手の期待を考える〉癖が、社会人として成長する重要なポイント
——研修を終えた新入社員たちに期待することは?
「研修を通して、できるようになったことがたくさんあると思います。まずはその経験を糧に、臆することなく何ごとも自分から発信して、いろいろなことに挑戦していただきたいと思います。そして何よりも、核としてお伝えしている〈相手の期待を考える〉癖を継続し、社会人としてのスキルをどんどん身につけていただきたいですね」(隈氏)
「職場に戻ったあと、研修では教わっていないことに遭遇したり、戸惑ったりする場面がたくさんあると思います。そういうときは〈相手の期待を考える〉という大事なポイントに立ち返っていただきたいですね。最初はぎこちなくて当たり前です。ぎこちないなりに“相手のために自分は何ができるんだろう”と考えながら頑張っていただきたいです」(森氏)
新入社員を受け入れる上司や先輩社員に向けて
研修を終えた新入社員たちは、強い意気込みを持って、それぞれの職場に戻っていきます。今後さまざまなことに挑戦するなかで、失敗することもあるでしょう。しかし頭ごなしに叱るのではなく、その積極性を褒めながら、可能性を伸ばしていただきたいと願っています。
リクルートマネジメントスクールでは、1年を通して新入社員の育成をサポートするサービスとして「新入社員8つの基本行動 フォローアップ研修」「新人・若手向けセルフリーダーシップ研修」をご用意しています。本研修を受講した数カ月後に受けていただくことで、職場での実践を後押しする研修です。ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化するなか、新人でも職務の難度が上がっています。基本行動を再学習することで、定着のスピードを上げることができるでしょう。

おわりに
「自分基準」ともいわれる最近の新入社員たちですが、自分が納得したことには高いモチベーションと主体性を発揮します。彼らには、仕事の意味やメリットをしっかり伝えたうえで、挑戦する機会をたくさん与えてほしいと思います。新入社員たちが果敢にチャレンジするには、不安要素をいち早く取り除いて自信を持ってもらうことも重要です。「8つの基本行動研修」をその一助としていただければ幸いです。
◆前回コラムはこちら
Z世代の新入社員の早期育成に向けてどんな工夫をしたのか?
◆次回の【8つの基本行動研修】は「10/3~4」「10/7~8」の2日程で開催!
詳細は下記をご確認ください。
2024年度新入社員研修 8つの基本行動
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