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公開日:2024/03/25
更新日:2024/03/25

THEME 経営人材/次世代リーダー

連載・コラムさあ、扉をひらこう。Jammin’2023 trainer interview

「人生が変わった」と何人もの参加者が言う研修は他にない〈Jammin’トレーナーインタビュー〉

「人生が変わった」と何人もの参加者が言う研修は他にない〈Jammin’トレーナーインタビュー〉

共創型リーダーシップ開発プログラム「Jammin’」、5年目のJammin’2023が終了した。41社253名の次世代リーダーたちが全15コースに分かれ、「不」を基点に新価値を生み出すプロセスに取り組んだ。各コースには、専門家と共に参加者たちの半年間の活動を見守り、伴走するトレーナーがついている。トレーナーの目からは、Jammin’や参加者、オーナーの姿がどのように見えているのだろうか。初年度のJammin’2019からトレーナーとして関わり、現在は食料コースと介護コースのトレーナーを担当する毛利威之にインタビューした。

 

Jammin’は「分散型研修」の先駆け

●インタビューしたのは


毛利トレーナーの画像

毛利威之(もうり たけし)
弊社・研修トレーナー
大手情報・出版会社に入社。新卒求人事業でマネジャー任用。元就職情報サイト・情報誌編集長。戦略を設定し、メンバーの内発的動機と結びつけて実行し、成果を共有してキャリア観醸成へつなぐ、といったサイクルを実践すれば、スター選手がいなくとも事業の根幹に影響する大きな実績を生み出せると確信(事業内で年間最優秀マネジャー賞を2年連続受賞)。できないと悩むメンバーの気持ちを知り、寄り添って切磋琢磨するのがスタイル。



――毛利さんは他にもさまざまな研修を担当するベテラントレーナーですが、Jammin’は何がどのように違いますか?

毛利:2年ほど前から、研修の合間にフィールドワークを挟み、研修→フィールドワーク→研修→フィールドワーク→研修……という形で実施する「分散型研修プログラム」を担当する機会が増えています。従来のように研修が終わったら忘れてしまうのではなく、学んだことをもとに実際に行動してみることで学びがより鮮明になり定着するプログラムです。これだけ増えているのは、人事の皆さんが効果の高さを感じているからでしょう。

2019年に始めたJammin’は、まさに分散型研修の先駆けであり、最たるものです。Jammin’の場合は、集合研修よりもフィールドワークが主体になっています。参加者が自分たちで社会課題を設定し、フィールドワークで周囲を巻き込みながら事業案を創り上げることが、学びや気づきにつながるプログラムです。分散型研修のなかでも、特別なプログラムだと思います。

私たちトレーナーはJammin’終了後、担当するコースの参加者一人ひとりに「フォローインタビュー」をするのですが、毎年、何人もの参加者が「社会人になってから、これだけ何かに打ち込んだ経験はなかったかもしれない」「Jamminに参加してビジネスパーソン人生が変わった気がする」という感想を漏らします。他の研修でも、勉強になった、楽しかった、などの感想をもらうことはよくありますが、こんな感想をもらうことはありません。経験の質、成果の質が、他のプログラムとは明らかに異なります。


毛利さんは初年度の2019年からJammin’トレーナーとして参画。2023年度は食料コース、介護コースを担当した。

うまくいったチームはみんな「この5人だから実現できた奇跡です」と言う



――なぜJammin’では、他では起こらない変化が起こるのでしょうか?

毛利:「チームメンバーと本音で話し合う」からなのですが、そのレベルが従来型の研修とは異なります。Jammin'は共通の目的・目標に向かってチームメンバーと長期間活動をともにする中で、チームとして本気で納得のいく成果を出そうと思ったら避けて通れない「腹を割った遠慮のない本気の話し合い」レベルが求められます。

例えば、Jammin’は9月から始まり、翌年1月に事業案を完成させるわけですが、事業案の提出が迫る年末に、ゼロから考え直すチームが多くあります。クリスマスの頃に、チームの誰かが「社会課題から見直して、もっと良い事業案がないか考えてみよう」などと言って、パンドラの箱を開くのです。そうなったら、あとは全員がお互いの思いをぶつけ合い、誰もが納得のいく事業案を創り上げるほかになくなります。半月間、チーム全員で何度も話し合い、やり直し、心を1つにしていくのです。

こうして腹を割って話し尽くしたチームは、最終的にうまくいくことが多いです。コース代表に選ばれるのは、たいがいこのタイプのチームです。たとえ選ばれなくても、チーム全員がスッキリとした良い顔をして「やりきった」と話してくれます。面白いことに、こうやってうまくいったチームの人たちは、みんな「この5人だから実現できた奇跡です」と言うのです。それは真実ではありません。他の5人の組み合わせでも、実現できた可能性は十分にあるからです。でも彼らにとっては、自分たちの経験は「この5人の奇跡」以外の何物でもないのです。私が知る限り、そんなことは他の研修プログラムはもちろん、おそらく実際の仕事でもめったに起きません。

参加者の成長にはJammin’終了後の振り返りが欠かせない



――ところで、Jammin’トレーナーはどのような役割を?

毛利:実は、Jammin’のトレーナーは難しいのです。Jammin’の場合、主役は参加者であり、トレーナーはできるだけ動かずに見守る役割です。トレーナーが余計なことをせず、各チームの動きを阻害しない方が絶対にうまくいくのです。ですから例えば、参加者がコース全体に情報共有するときには、私はできるだけ「皆で話してください」と言って、ファシリテーションも含めたすべてを参加者の主体性に任せるようにしています。このように「やらないをやる」のが、Jammin’トレーナーの仕事です。

しかし、私たちにとってはこれが悩ましい。なぜなら、一般的な研修のトレーナーは、受講者にコンテンツを解説して、受講者にディスカッションしてもらい、受講者をまとめるのが仕事だからです。つまり、Jammin’と他の研修では、トレーナーの動き方が180度違うのです。

Jammin’初年度や2年目は、トレーナーの振り返り会で「トレーナーの動き方は本当にこれでいいのか?」「私たちトレーナーは果たして必要なのか?」といったことをずっと議論しました。正直なところ、私たち全員、Jammin’トレーナーの役割に戸惑っていたのです。4年経った今は、各トレーナーが「やらないをやる」にかなり慣れ、各自のスタイルで取り組めるようになりました。先日、同じく最初から関わっておられるあるトレーナーが「この仕事がやっと腑に落ちた」と話していました。実は私自身も最近ようやく、自分はJammin’トレーナーとして「やらないをやる」ために様々な工夫を実践する仕事をしているのだ、と思えるようになったのです。

――具体的にはどのような工夫なのでしょうか。

毛利:Jammin’は研修ですから、受講者のなかにはトレーナーの指示に従う必要があると考える人もいます。トレーナーが「やらないをやる」ことで、依存心から解放され、主体的に動いていい場なのだと認識が変わっていきます。

また、冒頭で触れたフォローインタビューなども、Jammin’トレーナーの大事な仕事の1つです。Jammin’で得た学びや気づきを1人で整理するのは難しく、話し相手が必要なのです。フォローインタビューでトレーナーと対話して数カ月を振り返らないと、学習は成立しません。

ですから、参加者が終了後に会社に戻って、オーナーや上司に報告したり、社内報告会を開いたりすることにも同様の効果があるはずです。オーナーの皆さんには、参加者が社内で経験を伝える機会を用意することをお薦めします。参加者があらためて新たな学びや気づきを得て、成長につながる可能性が大きいからです。

Jammin’参加者が意図どおりに変化するとは考えないでほしい



――豊かな学びを得る参加者の特徴はありますか?

毛利:学びの豊かさを最も左右するのは、「フィールドワークの経験量」だと思います。フィールドワークをしっかりやったかどうかで、事業案の質や完成度に差が出ることが多いからです。そのためには、本格的なフィールドワークを早く始めることが大事です。フィールドワークに力を入れると、チームに火がついて、具体的な問題意識が芽生え、説得力のある事業案につながる可能性が高まります。一概にはいえませんが、12月の第4回目セッションの手前で本格的なフィールドワークを始めていないと、間に合わない感じがしています。そのうえで、繰り返しになりますが、フィールドワークやチーム内で、腹を割ってホンネで話し合うことが欠かせません。

ただし、これは一般論に過ぎません。どのチームにも一発逆転が起こり得るのが、Jammin’の面白いところです。事実、私は途中で空中分解しそうだったチームが、最後に素晴らしい事業案を出してコース代表になったケースをこれまで何度か見てきました。

――参加者の成長や変化について、何か感じていることはありますか?

毛利:参加者には大きく分けて3つのタイプがいるように感じています。1つ目は、現業ですでにリーダーを務めている人たちです。このタイプはJammin’を腕試しの場だと考えており、「会社での経験をJammin’でも生かすことができ、手ごたえを感じました」「社外に仲間ができて楽しかったです」といった感想を語ることが多いです。これはこれで十分に良い学びになっていると思います。

2つ目は、何らかの理由で、会社で力を発揮しきれていない人たちです。このタイプには、Jammin’がちょうど良い機会となって、フルコミットする参加者が少なくありません。「Jammin’は吐きそうなほど大変だったけど、ビックリするほど楽しかった」という感想を漏らすのは、多くがこのタイプです。時間と労力をかけ、大きな学び・気づきを得てゴールにいたります。

3つ目は、チームワークにやりがいを覚える人たちで、このタイプも頑張ります。チームに強い愛着を覚えて、最終的には泣き出す人が少なくありません。

ただ、この3タイプに収まりきらない人も多くいます。Jammin’では、一人ひとりにそれぞれのドラマが展開するため、成長や変化にはかなりの幅があるのです。チームの組み合わせによっても体験の質は大きく変わります。おおげさにいえば、運命としかいえないようなことも毎年起こっています。なかには「私にはJammin’が性に合いませんでした。私はトップダウンのマネジメントのもとで働きたいです」と正直に胸の内を話してくれた人もいました。私は、それはそれで1つの気づきだと思います。ですから、Jammin’に社員を派遣する人事・人材開発の皆さんは、Jammin’参加者が自分たちの意図どおりに変化するとは考えないでください。参加者が何を学んでくるかを楽しみにしながら、期待をかけて送り出してもらえたらと思います。

――最後にメッセージをお願いします。

毛利:卒業生の皆さんは、Jammin’で変化した魂に蓋をしないで頑張ってください。そしてぜひ、この場で得た仲間たちとつながりつづけてください。なぜなら、仲間たちが今後もあなたの刺激になるからです。例えば、Jammin’卒業生のなかから、すでに起業家が何人も生まれています。こういう仲間の姿を見て、感じたり考えたりすることがたくさんあるはずです。これから参加する皆さんは、Jammin’で、きっとこれまでの人生で経験したことのない時間を過ごせるはずです。覚悟と期待をできる限り大きくして、思いきって飛び込んできてください。


【text:米川 青馬、illustration:長縄 美紀】


※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。



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