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連載・コラム自律的な学びの現場から トレーナー・講師インタビュー 第1回

「日々どうやって自分らしく生きるかを考える人を増やしたい」研修トレーナー 岡本浩幸

「日々どうやって自分らしく生きるかを考える人を増やしたい」研修トレーナー 岡本浩幸

公開型研修「リクルートマネジメントスクール」では、研修スキルと各分野の専門性の高さを兼ね備えた「トレーナー・講師」が受講者から人気を得ています。本連載では、トレーナー・講師の担当コースに対する考えや想い、感じていることなどを紹介していきます。また、自律的な学びの最前線で何が起きているか語っていただきます。第1回は、3時間研修コースの「伝わる企画書の極意」と「発想力の限界を超える」を担当する岡本トレーナーです。


トレーナープロフィール
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
研修トレーナー
岡本 浩幸(おかもと ひろゆき)

前職は大手情報事業会社。営業、編集、制作に従事。マネジャー就任後はマネジメントを行いながら、クリエイティブディレクターとして大手企業の採用プラン提案、事業戦略立案を兼任した。
2008年3月に退社。研修トレーナーに転身。米国CCE, Inc. GCDF-Japan キャリアカウンセラー。

■ リクルートマネジメントスクールの担当コース
伝わる企画書の極意
発想力の限界を超える
 

企画書づくりの基本戦略は「仲間になってもらう」こと



――簡単な自己紹介をお願いします。

岡本:1991年にリクルートに入社し、2008年まで在籍しました。リクルートでは、営業、雑誌編集、ポータルサイトのチーフプランナー、新規事業開発、クリエイティブディレクターなど、さまざまな業務に就き、心理学WEBサイト「キャラミル研究所」を開設したり、強み発見プログラム「R-CAPストレングス」を開発したりしました。また、仕事とは別に自主映画製作にも熱中していました。2008年に心機一転、リクルートマネジメントソリューションズの研修トレーナーに転身して、いまに至ります。


――トレーナーのやりがいを教えてください。

岡本:受講者の皆さんの気づきが生まれるプロセスに関わることがやりがいです。皆さんが気づきを得て、フレッシュな気持ちになる様子を見るのが嬉しいんですね。ただ嬉しいだけでなく、こちらも刺激をいただいて元気になれる。こんなに良い仕事はないと思っています。


――リクルートマネジメントスクールの担当講座について教えてください。

岡本:3時間研修コースの「伝わる企画書の極意」と「発想力の限界を超える」を担当しています。どちらも、3時間研修コースが始まった2012年から10年ほど続けている老舗コースですが、できるだけ新鮮さが失われないように工夫を重ねてきました。

私はリクルートで働いていたころ、数えきれないほどの企画書を作りました。その経験をベースに独自にメソッドを研究し、受講者の皆さんの要望を適宜反映して、実践的でシンプルな手法を用意したのが「伝わる企画書の極意」コースです。内容は、社会の変化に応じて少しずつ変えています。例えば、2020年以降はZoom時代に適した企画書づくりのメソッドをお伝えしています。

岡本さん1企画書づくりの基本戦略は、相手を説得するのではなく、「相手に仲間になってもらう」ことです。相手を味方につけて、一緒になって考えてもらうための企画書を用意するんです。私は一貫して、その極意をお伝えしてきました。

「発想力の限界を超える」では、最初に経済学・心理学・脳神経科学などのメソッドを提示し、ミニワークを行っていただきます。そのメソッドとワークをきっかけにして、受講者の皆さんで対話し、連想していただく3時間です。提示するメソッドは時期によって変えていますが、例えばエイミー・C・エドモンドソンの心理的安全性です。

発想力コースの目的は、自分で軽やかに考える人を世の中に増やすことです。そのために最も大切なことの1つは、「恐れを手放す」ことです。心理的安全性を高めて恐れのブレーキを外すだけで、新たな発想を生み出す力は高まるんです。そのための対話の場を用意している、と考えていただくのが一番分かりやすいと思います。


――他にはどのような研修を担当しているのでしょうか?

岡本:リクルートマネジメントスクール以外にもさまざまな研修の講師を担当しています。最近は、企業のキャリアデザイン研修を受け持つ機会が増えています。キャリアデザイン研修とは、キャリアは自らが創り上げていくものであるという意識醸成と、キャリアビジョン構築のポイント理解により、自律的に成長していくためのきっかけをつくる研修です。

発想力コースに希望を持ってやってくる人が増えている



――最近、3時間研修コースのなかで変化を感じることはありますか?

岡本:2020年以降、3時間研修コースの多くは対面からオンライン開催になりましたが、私が担当するコースはどちらもオンラインが向いていました。受講者の皆さんは、オンラインでも変わらず楽しく参加しています。

企画書コースも間違いなく雰囲気が良くなっていますが、目に見えて変化しているのは「発想力の限界を超える」コースです。1つ目の変化は、発想力コースに希望を持ってやってくる人、ヒントを求めている人が増えていることです。背景には、事業環境の変化が速く激しくなり、誰もが安泰でなくなってきた状況があります。また、自分なりに行動して世の中を良くしたい、という機運の高まりもあります。つまり、このまま漫然と働いているだけではマズイ、発想力を高めて自分の状況を変えたい、できることなら社会貢献へ向かいたい、という受講者が多くなっているんですね。最近は、そうした方々がこのコースで出会い、共感し合って清々しい気持ちになっているシーンをよく見かけます。

岡本さん2

2つ目の変化は、多くの受講者が多様性や共生を受け入れるようになり、「社外の知らない人とも積極的に話してみよう」「会ったことのないタイプとも接してみよう」という姿勢を持つようになったことです。これはすばらしいことです。私の考えでは、気の合う人とばかり話していると、多様性のある場でコミュニケーション取る能力を失います。多様性を実践的に受け入れる一番の方法は、さまざまな人と話すことです。発想力コースはそのための場を用意しているんですね。コミュニケーション力を鍛えることもできるわけです。

発想力コースでは、トレーナーの私自身も日々、受講者の皆さんとの共生を問われています。その結果、最近の私は、これまで以上に「さまざまな人がいるのが自然だ」と感じるようになってきました。例えば、以前は対話の場でなかなか話しださない受講者がいると、内心困ることがあったのですが、最近は、あまり話さないのも自由だと考えるようになりました。寡黙な方にはむしろ一言の重みがあり、その重みを魅力に感じることが増えています。

研修は面白いと思ったものを直感的に選ぼう



――近年、顕著に求められている「自律」をどのように捉えていますか?

岡本:キャリアデザイン研修では、まさに「キャリア自律」を伝えています。私の持論では、キャリアデザインにおいて最も大事なことは、自分のキャリアを自分で考えることです。時には、モラトリアムの期間もあってよいんです。しかし、モラトリアムのときにも「日々どうやって自分らしく生きるのか」という問いから目を背けてはいけないと思います。自分のキャリアを自分で考えることこそがキャリア自律の根本だからです。


――トレーナーとして心がけていることは何ですか?

岡本:勉強は欠かさないようにしています。例えば、コロナ禍でオンライン研修が主流になった当初は、何よりもまず対話の勉強をし直しました。オンライン上の対話の場をうまく回す手法を作り上げたかったからです。

岡本さん3

それから、あえて畑違いの研修のような「アウェイの場」に出向くようにしています。トレーナーにとって、自分の研修の場はホームです。だからこそ、ときどきアウェイの場で刺激を受ける必要があると思っています。例えば先日、演劇ワークショップに参加して、いつものくせでファシリテーションをしてしまって失敗しました。こうした失敗をおかしたり、違和感を覚えたりすることが学びにつながるのです。

今後の研修や対話の場についてもよく考えています。例えば今後、全員が外を歩きながらオンラインでつながって対話する場が出てくるのではないか、と思っています。オンラインでありながら身体性を持つという選択肢です。そうした可能性を追求したいという想いもあります。


――研修選びに悩む読者にアドバイスをいただけますか?

岡本:ズバリ、研修は直感で選ぶのがコツですね。「期待と希望が持てそうだ」とか「やってみたいな、挑戦したいな」と感じた研修を直感的に選んで受けてみてください。きっとそれが、あなたにとって必要な研修です。


――最後にメッセージをお願いします。

岡本トレーナー岡本:私にはトレーナーとして、日々どうやって自分らしく生きるかを考える人を増やしたい、という気持ちがあります。もう少し具体的に言うと、年齢を重ねても活躍し続ける人を増やしたいんですね。私には、90歳くらいになったらアート活動をしながら、フレンチレストランのギャルソンになる、という夢があります。そのように、人生の最後までイキイキと働き生きる方が多くなれば、日本はより良い国になるのではないか、と思うのです。

また、人事の皆さんには、社員が幸せになる会社づくり、組織づくりを期待しています。もちろん、私も人事の皆さんと一緒になって学び、考えたいと思っています。



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