連載・コラム
「リクルートラーニングクラブ」開講に寄せて
“学び”を楽しもう
- 公開日:2012/03/12
- 更新日:2024/03/26
ビジネスに必要な知識やスキルの多様化・広範化が進む中、個々人に合った学びの機会がますます求められています。弊社では、2012年4月―より多くの人に、より気軽に・手軽に、一人ひとりのニーズに合った学びの場を提供する新サービス―『リクルートラーニングクラブ』を開講します。今回のコラムは、本サービスに構想時から関わり、自身も講師としてプログラムを担当するトレーナーからの開講直前メッセージです。
個人にとっても、企業にとっても、学びの突破口になれる
『リクルートラーニングクラブ』のプロジェクトは2009年末から動き始め、構想時からプロジェクトリーダーといろいろと話をしてきました。コンセプトが「1名から気軽に参加できる実践的なプログラム」であることを聞いて、直感的に「いい!」と思いましたね。
その理由は、まずビジネスパーソンの"学ぶ"ということに関して、新しい切り口を提示できるのではないかということ。いまの職場では、日常の仕事の中から学ぶ機会がどんどん少なくなっている。学びのための本はたくさんあるけれど、読むだけでは何も変わらない。かといってアカデミックで本格的なセミナーのようなものは敷居が高い。そうした個人が、学ぶことに感じている閉塞感を破れるきっかけになれるんじゃないかと思ったのです。実際、話を聞いてから他社が開催している同種のセミナーのいくつかを体験してみました。内容については玉石混交の世界でしたが、受講生の立場からしてみるとやはり面白いと思えることが多かった。マインドマップという思考・発想法を提唱したトニー・ブザンが言うところの"楽しい学習のサイクル"が回り出す感じでしたね。一方で、企業にとってもこのコンセプトは非常に共感できるものだと思いました。「しっかりした教育を、みんなに受けさせたいが予算に余裕がない」といった悩みを抱えていらっしゃる中小企業は非常に多いですからね。
ビジネスのスキームが固まっていく中、実際のプログラム開発を担当する人間として考えたのは、限られた時間の中で行う具体的なプログラムの中身です。ここは自分なりに突っ込んで研究しましたが、辿り着いたのは次の3点です。(1)わかりやすく、面白いこと。(2)ユニークで、ありがたみがあること。(3)すぐにやってみようと思えること。この3つは自分の担当するプログラムだけでなく、『リクルートラーニングクラブ』が提供するプログラム全般にもいえることだと思います。
ビジネスの実践の中でつかんだことを、わかりやすく
リクルートラーニングクラブで私は、『伝わる企画書の極意』と『発想力の限界を超える』(仮題/5月スタート予定)という2つのプログラムを担当する予定です。いずれもオリジナルのプログラムです。『伝わる企画書の極意』は、サービスのコンセプトの設計段階で自分は何をやろうかと考えていた時に、まっさきに思いついたものです。
私は研修トレーナーになる前のキャリアにおいて、クリエイティブワークに関わる時間が非常に長く、その中で発想やアイデアを企画にまとめてプレゼンテーションする機会が頻繁にありました。企画書はわかりやすくしようとすればするほど分量が多くなり、いざプレゼンテーションする時には「このページは飛ばして…」と場あたり的になってしまいがちです。私自身、何度も痛い目にあっています。どうしたらもっと考えていることをうまく表現できるか、もっと相手に伝わりやすくできるかを日々考えながら、実践していました。『伝わる企画書の極意』は、こうした実践の中でつかんだことをひもとき、プログラムに落とし込んでいったものです。いわゆる企画書を切り口にした書籍も読みましたが、結果的にはあまり参考にはならず、私なりの極意が詰まったプログラムになりました。
昨年秋に第一弾のプログラムが完成した後、継続的にトライアルを行い、これまで数百名を超える人に体験してもらっています。「最初のフリーディスカッションが、最悪の企画書って何?から入るのはわかりやすい」「これ、すぐに真似できますね。早速使ってみようと思います」といった声はほぼ狙い通りですね。手応えを感じることができました。現在は開講へ向けてより完成度を高めているところです。『伝わる企画書の極意』というタイトルを見て受講したいと思ったという方が多いのには、ちょっとびっくりしました。私が思っている以上に、企画書で悩んでいる方は多いのかもしれません。
仕事の大変さを突破するには、仕事を楽しむしかない
2つのプログラムを開発した根底にあるのは、社会人のみなさんに仕事をもっと楽しんで欲しいという想いです。トレーナーとして受講者のみなさんと接して思うのは、いまの社会人のみなさんは本当に大変だということ。任される仕事のレベルや量が、昔とは比べられないほど高く多くなっています。余裕のなさ、逼迫感を日々感じ、仕事をつまらないと感じている人は驚くほど多い。こうした状況を突破するには、仕事を面白くするしかないんじゃないかと思うんですね。スティーブ・ジョブズ(故人)だって自分の仕事を心から楽しんでいたからこそ、あれだけの激務をこなすことができたのではないかと思います。
『伝わる企画書の極意』を受ける目的が、仕事を楽にしたいでもいい。でも、いい企画書ができて、プレゼンテーションがうまくいくと仕事が断然面白く楽しめるようになるんです。『発想力の限界を超える』(仮題/5月スタート予定)をやりたい理由も同じです。仕事を楽しむことを発想力という切り口を考えることから始めましょう、仕事を知的生産行為にしましょうというのが狙いです。
リクルートラーニングクラブにある80以上のコースは、いずれもその道のプロが本気で伝えたいという思いを持って、プログラムを開発しています。若手・中堅・ベテランを問わず、もう限界だなと思いながらも、何とかしたいという意志のある人にぜひ来てほしいですね。そういうポジティブな意志は、筋肉と同じで早い時期に手を打たないと固くなってしまいますから。事前の準備は特に必要ありません。普段着のままでいい。あ、今日何だっけ。そうか、リクルートラーニングクラブの日か。そんな感じで、自分なりの学びのサイクルが回り始めてくれると嬉しいですね。
執筆者
HRDトレーナー
岡本 浩幸
1971年生まれ。1991年、大手情報事業会社入社。クリエイターとしてキャリアを積む。99年、巨大ポータルサイトのチーフプランナーとして従事。コンテンツ制作だけでなく、国内外ベンチャーとのアフィリエイト企画や、新サービス開発に携わる。02年に心理学WEBサイト「キャラミル研究所」開設。開始5ヶ月で会員200万人を突破する話題のサービスに。これをきっかけに社会心理学/キャリアに活動範囲を拡げる。03年に、若年就職支援「ジョブカフェ」開設、強み発見プログラム「R-CAPストレングス」開発に参加。04年よりグループマネジャーに就任。30名の制作メンバーのマネジメントを行いながら、クリエイティブディレクターとして大手企業の採用プラン提案、ならびに事業戦略立案を兼任。2008年3月に退社。研修トレーナーに転進。 米国CCE, Inc. GCDF-Japan キャリアカウンセラー ブザン教育協会認定 マインドマップ・アドバイザー
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