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「分かる」と「できる」の間にそびえる高い壁

営業力強化のポイントとは

  • 公開日:2011/12/12
  • 更新日:2024/03/26
営業力強化のポイントとは

継続的に業績が上がる強い営業組織とは、営業本部の戦略を現場の状況にあわせて確実に推進できる組織だと考えます。弊社ではその強い営業組織を作る鍵を握るのはミドルマネジャーだと考え、様々な企業でお手伝いをさせていただいています。
最近のミドルマネジャーの課題を各社に伺うと、戦略遂行の知識やスキルがあっても現場で実践できていないために、結果として戦略推進力が低下していると感じていることが多いようです。
弊社が2012年1月に開催する営業力強化セミナーではこうした現状を踏まえ、ミドルマネジャーをはばむ壁にフォーカスしながら、確かな営業力強化へと至るポイントをお話します。

今、営業マネジメントの現場で何が起きているのか
「分かる」けれど「できない」現状
「分かる」から「できる」へと変わることが営業力強化につながる

今、営業マネジメントの現場で何が起きているのか

お客様と営業力強化について議論していると、「営業担当強化や組織強化等、課題はたくさんあるが、戦略遂行の要はミドルマネジメントの強化だ」という話になります。ミドルマネジャーに必要な知識には、「戦略立案」や「戦略推進のためのプロセスマネジメント」、「メンバーの育成」などがあげられます。けれどもこれら知識付与については、すでに実施している企業がほとんどです。問題はその先にあります。戦略遂行に必要な知識やスキルは十分持っているはずなのに、肝心の行動変容がみられないというのです。こうしたことから、「最近のマネジャーは戦略遂行へのこだわりがなさすぎる」といった声や、「営業本部の戦略をそのままおろしている」「決めたことをやりきることができない」「若いメンバーが全然育っていない」といった不満を口にする企業が増えています。

今、営業マネジメントの現場で何が起きているのか

 では、このような状況をマネジャー自身はどう考えているのでしょうか。伺ってみると、驚いたことに大半のマネジャーが「すべきことは分かっている」、けれど「できない」と言います。「分かる」と「できる」の間に大きな壁がそびえているのです。

「分かる」けれど「できない」現状

 マネジャーには「できない」事情があるのです。今のマネジャーは、組織のフラット化が進んだことで、主任や係長職を経験しないままマネジャー職に就いています。マネジャー経験が浅い上に、周囲に相談できるようなマネジャーも見当たらない。しかも、中途入社者や業務委託、また年上の部下の存在など、さまざまな雇用形態や経歴のメンバーがいる中で、多様な価値観をもったメンバーを束ね、前を向かせて短期業績を達成しなければならないというプレッシャーに日夜さらされています。

 そのような状況の中、日常業務は増加する一方で、営業本部が考えるような「あるべきマネジメント」を遂行できる余裕などないというのが本音であり、それが実態です。「できない」状況をマネジャー個人の資質の問題に帰するのではなく、戦略推進という本来の業務に取り組めるよう、マネジャーの前に立ちはだかる現実に目を向け、「分かる」を「できる」に変える環境作りをしていかなくてはならないのです。

「分かる」から「できる」へと変わることが営業力強化につながる

 さきほど、営業マネジャーを変えることの目的は、戦略推進を確実に行う事だとお話しました。背景には、市場環境が厳しさを増し、顧客のニーズ変化が激しい今日では、製品やサービスで競合との差別化をはかることが困難になっている現状が上げられます。つまり、競合との競争優位を獲得するためには、営業本部で立案された戦略をいかに確実に実施できるかがポイントなのです。●社には戦略推進力が高くほぼ90%実施できているのに△社は60%しかできていない。戦略そのものに大きな優劣がなくとも、この差が両社の差を生むことに繋がるからです。

 「分かる」から「できる」と変わるには、二つの側面からのアプローチが必要です。まず、一つ目は、営業プロセスを管理する「しくみ」を整備することです。すでに、SFA等、何らかの営業管理手法を取り入れている企業が多いと思いますが、現場でのデータ収集項目が多すぎて入力が遅れがちであるとか、管理項目が多すぎて報告事項が膨れ上がり、かえってマネジャーの負担になっているということはないでしょうか。さまざまな係数を管理すること自体が目的となり、肝心な現場でのプロセス管理や部下育成に利用されていないなど、本末転倒な状況も耳にします。

「分かる」から「できる」へと変わることが営業力強化につながる

 弊社が考える「しくみ」とは、その会社に合った戦略遂行や育成を行うことを目的と置き、絞り込まれたKPIの設定になっているか、現場での戦略作成、メンバーの個社戦略作成がフォーマット化されているか、それが営業部門で統一されているか、などの要素から成り立っています。ごく普通のマネジャーが負担なく運用できて、限られた時間を効率的に使えるようにすることがねらいです。標準化し共有することで、マネジャーの負担を軽減し、できた時間で部下と質の高いコミュニケーションを取れるようにします。

 二つ目はその「しくみ」を「運用」することです。「運用」を定着させるためには、「しくみ」を日常の業務の中で使う効果を実感してもらう事です。通常感じている負担感がいかに軽減されるか、戦略推進や部下育成がいかに効率的にできるかなどを実感してもらうような「しかけ」を構築します。具体的には弊社では、ワークショップと実践を何回か繰り返す形式で行います。

 このワークショップは、受講者が討議を通じて自らのマネジメントを振り返ったり、気づきが得られるよう各社の状況を事前にこちらでインタビューして、内容を設計しています。ワークショップの中で使用する事例は実際の現場に取材して作られているので、「事例に登場するA君やB君が、いつも現場で接しているメンバーのように思える」といった声をよく聞きます。A君やB君のことを本気で心配したり、受講グループみんなで対応を考えたりするなかで、自分のマネジメントの癖に気づき、思考が深まっていきます。その後、ワークショップで設定した課題を職場で実践してもらい、また一定期間後にワークショップを行う事を繰り返します。その一連の流れの中で、ある時、気づきの瞬間が訪れます。すると皆さん、雲が晴れたような顔になりますね。ワークショップ後、参加者に決意表明をしていただくのですが、大変すっきりした表情で、「知っていたはずなのに、どうして今までできなかったのだろう」「すぐ職場に帰って、あいつと話したい」「今まで混沌としていたものが、やっと良い方向に向かって進みだしたような気がする」と皆さんおっしゃいます。

 そこまでいけばもう、これまで培ってきた営業ノウハウや、身につけたスキルが黙っていても本領を発揮して、現場をぐいぐい引っ張っていけるようになるはずです。

 2012年1月開催予定の弊社セミナーでは、今ここで述べた共通基盤としての「しくみ」の見立てやフォーマットをご紹介するとともに、余裕をなくしていたミドルマネジャーが「分かる」から「できる」へと変貌することで、生き生きと躍動し始めた職場の実践例を中心にお話しします。営業力強化についてお悩みの人事部門・営業部門・企画部門のご責任者の皆さま、どうぞご参加ください。

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