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マネジメントを劇的に変える

営業組織を強化する 〜育てるべきはマネジャーか営業か〜

  • 公開日:2010/12/06
  • 更新日:2024/03/25
営業組織を強化する ~育てるべきはマネジャーか営業か~

弊社は、2011年1月、営業力強化~競争優位性の確立~をテーマにしたセミナーを開催します。営業力・営業組織力強化のポイントをミドルマネジメントに置き、ミドルマネジメントを強化することによって“効率的、かつ効果的”なマネジメントを行い、成果につなげていこうという内容です。今回のコラムには、その仕組みの実践経験者であり、当日の講師を担当するコンサルタントが登場。マネジメントを劇的に変え、営業組織を強くする仕組みとは?

「営業力の強化=営業担当の強化」の落とし穴。
営業の基準を共通言語化すれば、マネジメントが劇的に変わる。
ミドルマネジメントの違いが、企業の勝敗を左右する。

「営業力の強化=営業担当の強化」の落とし穴。

自社を取り巻くマーケット環境が大きく変化する昨今、顧客の要望が高度化・多様化し、競合との明確な競争優勢が確立しにくい状況下では、価格競争に巻き込まれやすくなっています。そのような中、「自社の営業組織を強化し、競争優位性を確保する」目的で、営業強化のご要望をいただくことが増えました。
その際の具体的な方法として、営業担当一人ひとりの強化をご要望されることが多くなっています。
組織の人材構成はよく「2:6:2」といわれますが、ハイパフォーマーと呼ばれる上の2割はどんな環境下でもきちんと成果を出します。そのパフォーマンスをみんなでやれるようにすれば営業組織が強くなると考える。お気持ちはすごくわかります。しかし、これは理屈で考えるほど易しくはありません。例えば、営業組織全体の底上げを目的にある研修を行ったとしましょう。ここでも、学んだことを糧にできるのはハイパフォーマーだけなんですね。6割の層は、その場限りの場合が多い。知識としては得ても、現場での実践にはつながっていかないのです。上の2割のパフォーマンスが30%上がっても、全体としての変化は6%しか上がらない。つまりさほど変わらないのです。営業組織の強化は、やはりボリュームゾーンである6割のミドルパフォーマーがレベルアップしていかないと実現できないのです。
私は営業・営業組織強化のキーパーソンはミドルマネジメントの方々だと考えています。前記の研修の例で言いますと、6割の層は研修で学んだスキルを自分のスキルとして習得できなかったり、実践したとしても1回の失敗で諦めてしまいがちです。彼ら、彼女らを支え、習得させるまでサポートし、組織を強くできるのは、現場のミドルマネジメントだからです。

「営業力の強化=営業担当の強化」の落とし穴。

営業の基準を共通言語化すれば、マネジメントが劇的に変わる。

このように、ミドルマネジメントは営業担当個々人の力を強化するために重要な役割を担っています。また、その営業力を戦略に基づいて一つの方向に導いて、チームとして最大限の力を発揮させる営業組織力強化の役割も、ミドルマネジメントの仕事です。しかし、現状を見ると、なかなか十分に機能しないことが多いようです。
今のマネジャーたちは以前に比べてはるかに忙しく、厳しい環境にいます。市場環境・顧客変化に対応しながら、短期業績を上げる責任に加えて、社内のさまざまな制約条件に縛られて、思うように部下に踏み込めない状況下でマネジメントを強いられています。しかし、それでも「強い営業組織」を作ることが競争優位性の源泉として、求められ続けています。 私は現職の前に、およそ400名の組織を率いていました。その中の30名の組織は兼務で直接マネジメントをしていたのですが、彼ら、彼女らのために使える時間は月に7日が精いっぱいでした。こうした中で、“いかに効率良く、かつ親身で的確なマネジメント”ができるか。試行錯誤する中で辿り着いたのが、営業の基準を共通言語化して組織内で共有できるようにすることでした。ハイパフォーマーの営業プロセスを分解し、各プロセスでやるべきこと、またプロセスが次の段階に進む際に何が必要かを明確にする。それらを整理し、言語化して1枚のシートに落とすことで、誰もがわかるような形で現場に下ろしたのです。メンバーにはこのシートを渡し、営業として必要なことがどこまでできているか、チェックシートとして活用してもらいました。そのシートを見ながら、各人との面談において彼ら、彼女らの課題が営業プロセスのどの部分なのかを明確化し、その対応策を指導するようになりました。
当初は、このシートの意味や目的を理解するための時間が必要でしたが、この仕組みを取り入れることでマネジメントは劇的に変わりました。
まずマネジメントがものすごく楽になりました。以前はメンバーの悩みを聞くだけで30分といったことがよくありましたが、課題の核心から入っていけるようになった。一人ひとりへの指導内容もピンポイントでわかるので、時間が短くともお互いの充実度は高い。メンバーにとっても課題感を持ちやすく、成長していることがより実感できるようになったと思います。結果、メンバーの自主的な活動が生まれ、業績は大きく向上しました。

ミドルマネジメントの違いが、企業の勝敗を左右する。

ミドルマネジメントは、戦略と現場をつなぐシャフトのような役割を果たしています。わずかな動きの違いが、営業成果における5%、10%の違いとなり、最終的に企業の勝敗を分ける。組織の6割を占めるミドルパフォーマーたちも、マネジメントによって向かうべき方向と具体的な方法さえ示してあげればポテンシャルを十分発揮できるのです。
営業の基準の共通言語化は、そのための仕組みです。仕組みの前提にあるのは「営業組織全体で、共通のゲームをやりましょう」ということです。チームとして何のゲームを、どんなルールでやっているのかわかってはじめて、プレイヤーは周りを見て自分の課題を認識し、成長しているかどうかがわかり、マネジャーは各論で教えることができる。
この重要性を理解していない営業組織が多いと感じています。数値目標はあっても、みんなやり方がばらばら。例えれば、Aさんは野球、Bさんはサッカー、Cさんはバスケットボールをやっているようなケースが多いのではないでしょうか。これでは、個人技、職人技になってしまい、「ハイパフォーマーを見習って行動しよう」と言っても、「あの人のやり方は、あの人にしかできないから…」という答えが返ってきてしまい、そのノウハウが組織に浸透しないのも当然です。
来年1月に開催予定のセミナーでは、実際の事例はもちろん、共通言語化のためのツールやこの仕組みを取り入れることで起こりがちな問題点など、私自身の経験を踏まえてお話しさせていただきます。営業組織強化についてお考えの皆さま、どうぞ積極的にご参加ください。

ミドルマネジメントの違いが、企業の勝敗を左右する。
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