ビジネスパーソンにとって他人事ではないテーマ “Only One”のキャリアを集団で考え、個別に作りあげる

仕事柄か、最近スポーツ選手のキャリアのニュースに目が行ってしまう。30歳後半になって現役復帰を遂げた選手もいれば、メジャーで活躍する大リーガーも増えてきている。また北京オリンピックの開催が近づき、代表選考に合格する選手もいれば、代表の選からはずれる選手もいる。選からはずれた選手の中には現役を続行して次のオリンピックを目指す選手もいれば、引退を決め後進の指導者などに転じる人もいる。スポーツの世界でもどのようなキャリアを歩むかは一人ひとりにとって重要な問題だな、としみじみニュースを見てしまう。

一方、日常に戻ってみて、企業組織で働くビジネスパーソンについて考えても、社会環境は大きく変化し、自分の所属していた事業部門が別の会社になったり、トップの方針変更で想定していた路線から変更を余儀なくされることもある。また会社同士が合併して、それまで競合だった会社の従業員と机を並べるようになったりもする。そういった変化の中で一人ひとりのキャリアをどう考えるのかは、スポーツのような厳しい社会だけの問題ではなく、現実の企業組織に属するビジネスパーソンにとっても他人事ではないテーマではないだろうか。


企業でのキャリアデザイン研修の導入方法

個人にとってキャリアを考えることが必要で重要なテーマだと認識されるようになって、もう何年になるだろうか。企業側が従業員の自律的な能力開発やキャリアデザインのために、キャリアデザイン研修を導入することも確実に増えてきている
従業員にとってキャリアを考える場がこのような形で増えていくことは、研修などを提供する立場としてはとても嬉しい流れである。

そういったビジネスパーソンを対象としたキャリアデザイン研修の開発・運営に携わって、嬉しいことの一つは、研修を受講したメンバーが「自分らしさを改めて思い出しました」「これまでの自分と今の仕事とこれからの将来像とのつながりが見えました」などとコメントしてくださり、元気を取り戻すさまをいくつも見られることである。
また導入された人事の方からも「研修を実施して初めて受講したメンバーから、『こんな研修の機会を設けてくれてありがとうございました』と感謝の言葉をもらいましたよ」と喜びの声を聞くのもとても嬉しいことだ。

これは「キャリア」というテーマが企業での「役割」に焦点をあてる研修と違い、もちろん現実との接合を意識することは重要なのだが、あくまで個人としてどうありたいかに焦点をあてる研修だということが大きく起因しているのであろう。

企業でキャリアデザイン研修を導入する場合、当たり前のことではあるが、同じ会社に属する人と、また多くの場合がほぼ同じ世代のメンバーと受講することになる(多くの企業では同じ立場・役職や年齢で区切って導入する場合が多い)。そしてそのようなメンバーたちと自分たちのこれまで、そしてこれからのキャリアのことを語り合う。同じ会社だからこそ、また同じような時代背景を過ごしてきたからお互いの理解が促進されることがある一方、同じ会社だからこそ、キャリアの問題は個人個人のものなので、話しづらいことが生じるのも現実的には起こりうる。
そのため、同じ会社でのキャリアデザイン研修を行う場合は、メンバー構成を工夫したり、ここで話されることはあくまで研修の中にとどめるようガイダンスすることが重要となる。

もう一つの研修の形態

そのような企業内で実施する研修形態(インハウス)で行う形と、研修の形としてもう一つあるのが、弊社では公開コースといっているが、さまざまな企業から違ったバックグラウンドの人が集まり、キャリアを考えるという形式がある。

弊社では昨年から公開コース型のキャリアデザイン研修の提供を始めた。以前より弊社ではマネジメント系の研修や新人養成などをテーマにした公開コースの開催は行っていたが、キャリアデザイン研修については開催をしないできた。というのも1995年ぐらいに初めてキャリアデザイン研修を開発したときに最初に実施しようとしたのが公開コース型だったのだが、当時はまだ、社外の人と一緒にキャリアを考えるという機運もなく、参加者を募るのに相当苦労したと聞いている。しかし時代は変わり、キャリアをフラットにオープンに考える場もそろそろ作ってよいのではないかと判断して公開コースを設けることになった。

公開コースで起こること

公開コースのキャリアデザイン研修を2007年度は2回実施した。1回目は特に条件を付けず、広い対象層を集めたが、2回目は企業の女性活躍支援の文脈での相談事が増えてきていることから、弊社での初の試みとして、女性に限定した公開コースとすることにした。
研修は2日間で通いの形式で実施されたが、同じ女性同士といえども、他の受講生はどのような会社から来ているのか全く知らない中で研修がスタートしていくので、研修開始直後は緊張していた受講者の方も多かった。

キャリアデザイン研修では基本的に自分についての理解を深めていくのだが、そのプロセスの中では、3〜4名の小グループでのそれぞれのキャリアの共有を行うことによって自分と他者との違いを認識し、さらに自分についての理解を深める構成になっている。そのような受講メンバー同士の相互交流が中心の仕立てであるので、セッションを経るごとにグループのメンバー間に信頼関係が形成されていき、安心して自己開示しあえる環境が研修プロセスを経るごとに整っていく。

公開型コースのメリットの一つは、お互い違う立場、環境だからこそフラットに相手の話を聞けることがあると思われる。同じ会社や職場だと、ついつい勝手な思い込みで分かったつもりになってしまうこともあるが、知らないからこそ先入観なく相手の話が聞けたり、より分かろうと努力することもある。

研修終了した時点でのアンケートでの満足度は、全員に「とても満足」という最高点をつけていただくほど、受講されたメンバーには満足いただけた研修になった。

「違う会社、環境にいる人たちだからこそ話しやすかった」
「社外セミナーは最初緊張したが、社内セミナーだけでは得られない人たちとの出会いや発見があり、貴重な体験だった」
「職場も年齢も異なるグループのメンバーが同じような問題につきあたったことがあり、それを乗り越えてきたことを知りたいへん共感できた」
「結婚して仕事をされている方や女性としてのよき見本となる方に出会えてよかった
立場は違うけどみんな悩みがある。でも前に進みたいと思いました」
といったような声が研修終了後の受講メンバーの声からいただけた。

キャリアデザイン研修の一つの形として、他の企業の方と交流しつつ、考えるスタイルも効果が高いことが、お分かりいただけるだろう。


研修という集合の場と個別のパーソナルセッションという場

今回の公開コースに参加いただいた方には、研修後のフォローアップとしてパーソナルセッション(キャリアカウンセリング)を1回受けていただけるのだが、半数以上の方が利用されている。研修で整理できなかった行動計画を見つめ直したり、研修ではプライベートな側面で十分には開示できなかったことを話して解決の糸口を見出すために活用した方もいらっしゃった。
「研修で相互交流しながら理解を深めていくことと、グループとは違った専門家との対話を通じて見つめ直すことでまた違った側面が見えてきました」とのコメントを下さった方もいる。

キャリアデザイン研修の大きな目的は、本人の中でまだはっきりしていない自分らしさや志向を言語化することにある。
キャリアのことを考えるには、一人で悶々と考えるのはひじょうに苦しいし、視野が偏ってしまうこともある。自分のことをよりよく理解するためには、他者との照らし合わせを行ったり、その違いの中で自分らしさを言葉にして言語化していくことがとても重要である。その言語化を促進させる方法論としてキャリアデザイン研修のようなグループを活用した場はひじょうに効果を高める環境になる。

しかし、一方でキャリアは一人ひとりのもので、仕事の側面だけでなくプライベートも多く関わってくるデリケートなテーマでもある。そのために、グループと併せて、個別の専門家との対話を行うことで本人の今後のキャリアを考える上では役に立つことが多い。 
カウンセラーという専門家との対話で中心となるのは、本人の中でもまだ明確になっていない本人の課題を明確にし、その課題解決に向けて本人が取り組むべきことを明確にしていくことである。その対話のプロセスの中で、カウンセラーは専門的な援助技術を使い、本人の認識の視野を広げたり、改めて自分の問題や課題を言語化することによって明確にすることをサポートするのである。一人一人のキャリアに関する問題は個別性が高いので、専門家との対話も機会として持てれば、非常に高い相乗効果が発揮できるだろう。
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