連載・コラム
営業を科学することから始まる
営業力強化を一緒に考えてみませんか?
- 公開日:2005/02/01
- 更新日:2024/03/25
顧客ニーズが多様化・高度化している昨今、企業収益の基盤となる営業部門の強化に悩んでいる企業は少なくない。今回は「営業力の強化」についてお話ししてみたい。
そもそも営業力って何?
営業力についての定義はいろいろあるが、私は「自社の商品・サービスを市場に浸透させる力」と考えている。
その営業力は、一般に「営業戦略構築力×商談遂行力×知識・情報収集力」という3つの要素から構成されている。
・営業戦略構築力とは、自社の商品やサービスの特性を考慮して顧客を選定し、その顧客の誰にどんなタイミングでどんなソリューションを提供して成約に導いていけばよいのか、その戦略(計画)を構築(作成)する力である。
・商談遂行力とは、顧客とどんな場面でどんなコミュニケーションをとっていけば成約率を高めることができるのか、そのコミュニケーション力である。
・知識・情報収集力とは、自社の商品やサービスに関する知識だけではなく、顧客や顧客の業界、顧客が対象としているお客様、顧客の競合についてどれだけ情報が収集でき、それに関する知識を持ち合わせることができるかの力である。
こうして解き明かしてみると、営業力は様々な要素から構成されていることが理解できる。
営業力を強化する上での課題は何?
ある企業において、「○○君は営業力があります。なんといっても目標未達はこれまで一度もありませんからね!」と、営業マネジャーが上司に話していたとする。その上司が、「○○君はほかの営業と何が違うの?」と営業マネジャーに尋ねても、他の営業との違いを語れる営業マネジャーは多くない。業績のよい○○君自身でも、自分の何がほかの営業より優れているのか、語れないだろう。 優れた営業力を持っていてもそれについて語れなければ、営業の何をどう強化していけばよいのか強化ポイントを明確にすることはできない。自分自身の営業、営業マネジャーとして部下の営業について語れないことが課題である。
営業を科学すると営業について語れるようになる
ここで言う営業を科学するとはどういうことか。それは、トップパフォーマーのセールスフェーズに則り、自分自身の営業フローを分析し、暗黙知であった自分自身の営業力を形式知に変換して、顧客接点時における営業世界の構造を把握することである。営業世界の構造(仕組み)が把握(解明)されれば
・これまでの自分自身の商談を振り返ることができる。その結果として、自分自身の営業上の強みや弱みが把握できる。
・これから取り組もうとしている重要な商談について、今後どう進めていけば、どんな情報があれば成約率を高めることが可能になるのか戦略構築(計画立案)することができる。
・つまり、自分自身の営業について語れるようになるのである。営業マネジャーもこの構造を把握することで、部下の営業について語れるようになる。営業について語れることは武器になる。それは、自分個人の営業課題や営業マネジャーとして組織の営業課題が明確にでき、自分にとって、あるいは組織にとっての重要な商談を計画的に進められるようになるからである。
さらなる向上のために
企業単位で研修を受講していただくことで、学んだ共通言語(研修時に使われる用語)を使って情報の共有化が図れるようになる。その情報共有を組織内で繰り返すことによって、個人の形式知を組織の形式知(企業知)に変換することも可能になる。現場で精練された企業知を持つ企業は強い
研修会場において、「自分の営業に自信が持てそうです」「これからの営業が楽しくなりそうです」と晴れやかな表情で話してくれる受講生に出会うたびに、本当にこの仕事をやっていてよかったという“心の躍動感”をおぼえる。そして、その一方で、この仕事の社会的意義を痛感する。
今、競合のない営業は存在しない。いち早く、個人の営業力・組織の営業力(企業知)強化に真剣に取り組める企業が将来の勝ち組企業として生き残れるのではないだろうか。それは、自社の商品・サービスを市場に浸透させる力(営業力)こそが企業の収益源であるからだ。
みなさんと研修会場でお会いできることを楽しみにしています。
執筆者
人材開発トレーナー
武田 豊
大学卒業後、大手証券会社に入社 個人の富裕層や中堅企業を対象に、株式、債券、投資信託、などの営業業務に携わる。 その後、外資系証券会社に勤務。 機関投資家(生・損保、銀行、証券会社など)を対象に米国債券営業に携わる。 41歳の時に人材開発トレーナーとなり、現在に至る。
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