ベテランぞろいのマネジャー陣で起きたすれ違い。――「気づき」がきっかけでコミュニケーションが変革する

プロジェクト概要

背景・課題

いくつかの受注生産プロジェクトにおいてコミュニケーションの問題が利益を圧迫。根底には上司とメンバーの間の性格タイプの違いが影響していました。その道何十年のプロが集まるなかで起きたすれ違い。通り一遍の研修ではなく、より踏み込んだ解決策が必要でした。

検討プロセス・実行施策

INSIDESを取り入れ、メンバーの性格タイプと仕事に臨む心理状態を可視化。それらが組織や個人にどのように影響していて、今後どのようなコミュニケーションを取れば改善するのかをディスカッションするという形で研修を実施しました。

成果・今後の取り組み

上司にフィードバックすると、予想外の結果に驚きの声があがりました。この「気づき」がきっかけになり、コミュニケーションが改善してきてます。ピープルマネジメントのプロでもあるマネジャーに対して人事が果たすべき役割は、「気づき」を与えることだと考えています。

背景・課題

性格タイプの違いによるすれ違いがプロジェクトの利益を圧迫

当社ABB株式会社は、スイスを本拠地としており1800年代から続く産業のデジタル化に関わるグローバル企業です。1907年に日本に参入し、産業用ロボットなどのオートメーション事業を手掛けています。

当社では、モノを受注して生産し、納品するまでに短くて3カ月、長いと1年くらいかかることがあります。実はいくつかのプロジェクトで、予定通りの予算で納品を完了できず、利益が圧迫されてしまったことがありました。その原因を探ると、どうやら上司と部下のコミュニケーションに問題があるような構図が見えてきたのです。根底には、性格タイプの違いが生むすれ違いがありました。メンバーのエンジニアはコツコツとまじめに積み上げていくことを好む性格なのに対し、上司は結論のみを求めるタイプ。エンジニアは、報告の際にプロセスを共有して手戻りがないように積み重ねていきたいのに対し、上司が結論や変更点の報告だけを求めることに不満を抱いていました。その結果、プロジェクトのなかで重大な問題が起きた場合でも、それが吸い上げられない状態も生まれてしまっていました。

当社は、約9割が工学系のバックグラウンドを持つエンジニアが多い会社。皆、それぞれの分野で高い専門知識を持った人ばかりです。そのなかでも管理職クラスはその道何十年のプロ。マネジメントに関する知識も当然持っています。そのようななかでも起きてしまったすれ違いを解決に導くためには、通り一遍の研修では到底不十分です。何かの知識を伝えて「上手にコミュニケーションしましょう」といったところで解決できるはずもありませんし、それは管理職に対する尊敬や理解が足りない。そんなことはできているよと。真の課題を解決するためには、もっと深いところで解決していかなければならないと考えました。

検討プロセス・実行施策

INSIDESにより個人の状態を可視化した上で研修を実行

それぞれの特性をアセスメントで可視化した上での研修をしようと思いました。最初はSPIを使おうと考えてリクルートマネジメントソリューションズに相談しました。人は十人十色でさまざまな性格があるのは大前提ですが、一方で複雑なアウトプットだと普段からアセスメントに慣れ親しんでいない人には理解しづらくなります。SPIには、「結果重視」「創造重視」「調和重視」「秩序重視」の4タイプで診断する機能があります。利益が圧迫された部署でいえば、メンバーのエンジニアは「秩序重視」なのに対して、上司は「結果重視」でした。この性格タイプを取り入れた研修をすれば、多様な個性を理解したコミュニケーションが具体的に促進されるのではないかと考えたのです。

すると、INSIDESという商品もあると営業の方から紹介を受けました。INSIDESは現場のマネジャーがメンバー一人ひとりの個性や状況に合わせたマネジメントができるよう、メンバー向けサーベイ機能と、その結果に基づくマネジャー向けレポート機能を有したサービスです。SPIほど細かな性格分析はできませんが、先ほど挙げた4つの性格タイプと窮々/悶々/淡々/懸命/充実という5段階のワーク・メンタリティ(仕事に臨む心理状態)が、負担が少ない約5分のサーベイで測定できます。

新しいサービスなので、正直、荒削りで発展途上な部分もありましたが、このサービスには大きな効果を発揮する可能性を感じ、導入を決めました。SPIも併用する形で、まず詳細にSPIの性格を見て、その上でINSIDESの結果からそれが組織や個人のコンディションにどのように影響し、今後どのようなコミュニケーションを取れば改善するのかをディスカッションするという形で研修を実施することになりました。

成果・今後の取り組み

ピープルマネジメントのプロでもあるマネジャーに対して人事が果たすべき役割は「気づき」を与えること

研修のなかでは、上司から見たメンバーの期待への到達度と、メンバー本人のワーク・メンタリティ(仕事に臨む心理状態)を比較しました。上司にフィードバックすると予想外の結果に驚きの声があがりました。上司からは問題ないように見えていた社員のなかに、余裕を失って状況を冷静に捉えられない人がいたり、上司からすればもっと頑張ってほしいのに、本人は職場や上司に対して不満を抱えており、素直には頑張れていない人もいたからです。

そこから、一人ひとりと面談をしていろいろなアクションをしながらマネジメントを工夫するようになりました。もともと皆さんコーチングなどの知識は持っているので、それらが実践の場で活用されていきました。とはいえ、すべてがいきなり上手くいくわけではありません。「面談したけど、今回はあまり本音が引き出せたように思えない。どうしたらよいだろう」といったように、マネジャーや人事の間で相談をしながら、少しずつではありますが、マネジメントが強化されてきています。

例えば、最もコンディションが悪い「窮々」状態の方でも、自分がしんどい状態であることを本人すら自覚していないこともあります。フォローの必要性を見逃しがちですが、丁寧に話を聴くコミュニケーションを続けると、ある日キャリアに関しての相談をしにきてくれるほど心を開いてくれることもあります。INSIDESは予知能力というと大げさですが、本人さえ気づいていない部分が見えてくるような、そういった示唆を与えてくれていると思いました。

また、不満ではないけれどもエンゲージメントは低いという「淡々」状態の人も要注意です。会社や職場に不満を抱いている人は、その不満が解消されればエンゲージメントの高まる伸びしろがあります。対処が難しいのはむしろ、何の不満もないのにエンゲージメントが低い人ではないでしょうか。取り組みを続けていくなかで、そういう人は結果的に離職のリスクも高いと分かってきました。

ピープルマネジメントのプロでもあるマネジャーたちに対して人事が果たすべき役割は、「気づき」を与えることだと考えています。またビジネスに寄与してこそ、人事の意味がある。ビジネスを促進させるために、人事として何ができるのかを考えることが重要です。相手の心情やタイプに合わせてコミュニケーションを取ることが大事だと理屈では分かっていても、日常業務に追われるなかでは、忘れてしまいがちです。だからこそ、継続的に「気づき」の機会を提供していく必要があると考えています。

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