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調査レポート

導入の課題を乗り越え、効果的な実施をするために

1on1ミーティングに関する実態調査

  • 公開日:2022/04/25
  • 更新日:2024/05/16
1on1ミーティングに関する実態調査

近年マネジメント施策の一環として1on1ミーティングを導入する企業が増えています。
弊社でも導入をご支援することが増えている一方、すでに導入されている企業から、より有効に活用していくためのご相談をいただくことも増えてきました。
今、1on1ミーティングはどれぐらい導入・活用されていて、導入している企業はどのような課題に直面しているのでしょうか。 調査結果をもとにひもときます。

目次
調査概要
1on1ミーティングを導入している企業は約7割、3年以内の導入が多い結果に
導入の目的は「社員の自律促進」
導入後の課題は上司の負荷軽減と面談スキル向上
1on1ミーティング導入に際して外部の活用も進んでいる

調査概要

全国主要都市圏に存在する企業において、1on1施策の実施実態を確認するために実施した。

調査概要

1on1ミーティングを導入している企業は約7割、3年以内の導入が多い結果に

実際どれぐらいの割合の企業が1on1ミーティングを実施しているのでしょうか。

図表1は、「1on1を施策として導入していますか」という質問に対する回答結果です。従業員規模3000名以上企業では75.6%、700~2999名企業では69.9%、100~699名企業では57.7%となり、全体では7割近くの企業が1on1ミーティングを施策として導入している、という結果となりました。

<図表1>1on1施策の導入状況

<図表1>1on1施策の導入状況

また、その導入時期について聞いたのが図表2の結果です。導入している企業のうち、約6割が「3年以内に導入した」という結果となりました。

ちょうど書籍『ヤフーの1on1』(本間浩輔 著、ダイヤモンド社、2017年)が出版され、1on1に一気に注目が集まりました。また、2020年からのコロナ禍の影響でリモートワークが一気に増え、意図的に部下と話す機会の必要性が感じられたことも、導入が進んだ要因の1つだと考えられます。

<図表2>1on1の導入時期

<図表2>1on1の導入時期

導入の目的は「社員の自律促進」

1on1ミーティング導入の目的について聞いた結果が図表3です。実際の導入目的は多様であり、施策のねらいが多岐にわたる事例も少なくないため、今回は特に重要なものを3つまで選択する形で質問しました。その結果、選択率の1位は「社員の主体性・自律性の向上」、2位は「自律的キャリア形成の支援」となりました。

近年、VUCAと呼ばれる変化の大きなビジネス環境のなかで、企業ではトップダウン型のマネジメントは通用しづらくなり、一人ひとりの従業員が自律して課題設定、業務遂行をしていくことが求められています。さらに各自が仕事の意味や担当する範囲を主体的に捉え直し、自律的にキャリアを設計していくスタンスも期待されています。一方で、職場の実態としては、業務の細分化により、課題や取り組むテーマが小粒だったり、課題の前提条件がすぐに変わってしまったりということが多発しています。一生懸命取り組んでも報われない雰囲気が、社内で醸成されてしまうと、職場へのエンゲージメント低下に繋がります。

1on1という「上司と部下による1対1の定期的な面談機会」を通じて、この今日的な職場課題へ対応することが現場に期待されていると推察されます。

<図表3>1on1施策の導入目的

<図表3>1on1施策の導入目的

では、実際に導入された1on1ミーティングはどのように効果を出しているのでしょうか。

図表4にあるとおり、60%以上が「上司と部下のコミュニケーションの機会が増えた」、また40%以上が「部下コンディションの把握ができている」「上司と部下が本音で話せる関係になっている」と回答しています。特定の人に接する回数が増えることで、その対象への印象が良くなることは、「単純接触効果(ザイオンス効果)」と呼ばれ、よく知られているところです。上司と部下においても1on1ミーティングを設定し、意識的にコミュニケーション機会を設けることで、関係性の向上に寄与していることがうかがえます。基本的なことですが、この関係性の構築ができていることが大事な一歩と考えられます。

次に、職場・組織にどのような影響が出ているかを質問した結果が図表5です。「上司と部下の関係性が良くなった」が40.9%となっており、両者の関係性にポジティブな影響が出ている様子がうかがえます。また、「部下のモチベーションが上がった」が36.4%となっており、先に図表3で示した施策の導入目的である「社員の主体性・自律性の向上」のきっかけができつつある企業もあるようです。反対に、「上司のモチベーションが上がった」は24.8%にとどまっています。

<図表4>1on1施策の導入効果

<図表4>1on1施策の導入効果

導入後の課題は上司の負荷軽減と面談スキル向上

ここからは、効果を感じている一方で、課題と感じていることを見ていきたいと思います。

現時点での課題を挙げてもらう質問に対して、選択率の1位は「上司の面談スキルの不足」、2位は「上司負荷の高まり」でした(図表6)。

1on1という、「上司と部下による1対1の定期的な面談機会」は、一見すると容易に導入できる施策のようにも感じられます。しかしながら、実際に導入すると、「上司が話しすぎてしまう」「多様性のある部下一人ひとりと関係を構築する術が分からない」「何を話していいかわからない/特に話すことがない」といったように想定通りに行かないことも多く、上司は面談スキル習得の必要性に迫られます。これは上司からすると当然のことで、部下の主体性・自律性の向上を目的として1on1を実施するということは理解していても、いざ実践となると、具体的な関わり方は分からないのです。

さらに、1on1ミーティングの実施は、上司にとって、質も量も負担になっている様子が浮き彫りになりました。実際に、個別の企業に実態をヒアリングしてみると部下の人数が多いマネジメント層にとっては、「全員と実施しようと思うと1日が終わってしまう」という声が聞かれたり、「一定期間実施してみると部下の話は一通り聞いてしまった。さらに話を引き出したいが、どんなアプローチをすればよいか分からない」という声が出たりなど、悩みは尽きないようです。

1on1をより効果的に活用するうえで、上司に集中する負荷の軽減は、早急な対応が求められます。具体的には、1on1をプラスアルファの仕事としてではなく、マネジメントの一環として位置付けることを推奨します。組織の成果を最大化するために、1on1の場を生かすというイメージです。さらに、実際の運用では、部下の年次や仕事内容によって、1on1の頻度を変更することをお薦めします。大切なのは、1on1の実施そのものを目的にしないということです。

<図表6>1on1施策を進めるうえでの課題感

<図表6>1on1施策を進めるうえでの課題感

次に、企業では上記の課題をどのように解決しようとしているかを見ていきます。

1on1ミーティング導入に際して外部の活用も進んでいる

1on1ミーティングを自社の施策に導入する際に外部ベンダーを利用している企業の割合は、全体で33.6%にのぼります。従業員規模別に見ると700~2999名規模の企業が38.5%と、最も外部ベンダーを活用しています。

<図表7>外部ベンダー利用状況

<図表7>外部ベンダー利用状況

具体的には、どんな目的で外部ベンダーを活用しているのでしょうか。

図表8でその内訳を見ると、選択の多いものから「1on1制度の導入ガイダンス」(63.4%)、「上司向けのスキル向上(研修・個別コーチングなど)」(60.1%)、「1on1の制度設計」(58.7%)となっています。

3年以内の比較的直近で1on1施策を導入している企業が多かったことから、初期導入時の制度設計や導入ガイダンスで外部ベンダーを活用したことが想定されます。

先の図表6で課題として挙がっていた「上司の面談スキルの不足」については、「上司向けのスキル向上(研修・個別コーチングなど)」施策が一部実施されている様子が確認できますが、外部ベンダーを活用して取り組みを行っている企業自体がまだ限定的であることから、今後さらに外部ベンダーの専門知見やリソースを活用するニーズは増えていくことが予想されます。また、「上司向け実践支援(スーパーバイズや個別相談など)」は35.7%程度であり、現場上司のより個別性の高い悩みへの対応も求められることが予想されます。

<図表8>1on1推進のために外部ベンダーを活用してきた場面

<図表8>1on1推進のために外部ベンダーを活用してきた場面

ここまで企業における1on1ミーティングの導入や活用、導入後の課題について調査結果をもとにお伝えしてきました。御社の人事施策の参考になれば幸いです。

弊社でも1on1ミーティング導入のご支援や、導入後の課題解決のお手伝いをしています。

● 詳しくはこちらのコラムもご覧ください。

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シニアソリューションアーキテクト

星野 翔次

ベンチャー企業・商社勤務を経て、2013年に現在の株式会社リクルートに入社。 管理職として、部下がパフォーマンスを最大限発揮できるコミュニケーションを追求。 最近では、コーチングサービスを提供する部門にて、部長職の育成やコミュニケーション変革などに携わっている。

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