調査サマリー

昇進・昇格および異動・配置に関する実態調査 2024

結果サマリー:昇進・昇格制度における課題と取り組み

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更新日
結果サマリー:昇進・昇格制度における課題と取り組み

本調査は、昇進・昇格の仕組み、またそれを支える人材開発状況などの実態を明らかにするために、1991年、2009年および2016年に引き続き4回目の調査として実施いたしました。
今回はそのサマリーをお知らせします。

執筆者情報

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サービス統括部
HRMサービス推進部
パフォーマンスアセスメントグループ
ソリューションアーキテクト

佐藤 亮一(さとう りょういち)
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調査概要

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。

人事制度設計は、管理職層では「職務・役割等級ベース」が、一般社員層では「混合型」が主流

  • 管理職層に対する人事制度は1位「職務等級ベース(ジョブ型など)」26.1%、2位「役割等級ベース(ミッショングレード制など)」25.6%でした。
  • 一般社員層では1位「職能・職務・役割等級いずれか複数の要素の混合」28.0%、2位「職能資格ベース」26.1%でした。

複線型人事制度の拡充が進む

  • 管理職相当の専門職がいる企業は約80%に達し、専門職制度を運用している企業は58.0%でした。いずれも2016年から30ポイント近く増加しています。
  • 管理職登用時に、管理職と専門職に分化する企業は47.1%でした。
  • 複線型人事制度を運用している目的のなかで重視しているものを見ると、1位「管理職ポストが一杯なので、同等の能力を有する者を処遇する必要があるため」33.8%、2位「特定分野のスペシャリストの育成とエンゲージメント向上のため」30.9%でした。

管理職志向の低下が、企業の課題に

  • 昇進・昇格に関連する問題意識のうち、「現在感じている問題」は1位「女性の管理職登用が進まない」33.3%、2位「管理職になりたくないという人が多い」28.5%、3位「将来の管理職候補者が不足している」26.1%でした。
  • 昇進・昇格に関連する問題意識のうち、「今後高まりそうだと感じる問題」は1位「管理職になりたくないという人が多い」 28.5%、2位「女性の管理職登用が進まない」25.1%、3位「ポスト詰まりが進行しており、社内の活性化に悪影響を及ぼしている」20.3% でした。

課長・部長職ともに、「部下・後輩の指導・育成・動機付け能力」が最も重要視される結果に

  • 部長職への昇進・昇格時において特に注視している要件は、1位「部下・後輩の指導・育成・動機付け能力」43.0%、2位「目標達成に向けての実行力」42.0%、3位「戦略的・革新的思考力」40.6%でした。
  • 課長職への昇進・昇格時において特に注視している要件は、1位「部下・後輩の指導・育成・動機付け能力」53.1%、2位「目標達成に向けての実行力」38.6%、3位「担当職務に関するスキル・知識」38.2%でした。

人材を多角的に評価するため、さまざまな手法の導入が進む

  • 部長職・課長職への昇進・昇格にあたっては、「人事考課(業績評価)」「人事考課(コンピテンシー評価・行動評価)」「直属上司の推薦」が依然として重要視されています。
  • 昇進・昇格時の選考手法として、「自己評価・自己申告」や「多面(360度)観察評価」を選択する企業の割合が増えており、多角的に人材の評価を行うことに注目が高まっています。今回の調査を通じて、企業は従来の評価手法に加え、多様な視点から人材を捉え、適切な育成とキャリアパスの提供に取り組んでいる実態が浮き彫りになりました。

なお、今回の調査結果から見えてきた昇進・昇格の現状や対応策、評価手法の実態といった考察は、後日コラム記事(前後編)にて解説します。

▼コラム前編はこちら
昇進・昇格制度の現状:管理職志向の変化と対応策【前編】

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