調査サマリー

生成AIの学びにおける利用実態と効果実感

生成AIと学びの環境に関する調査

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更新日
生成AIと学びの環境に関する調査

「生成AIと学びの環境に関する調査」の実施概要は下表のとおりです。

調査概要

調査概要

調査結果の詳細は、
・弊社機関誌RMS Message vol.77 特集1「テクノロジーで変わる職場の学び(P.27~34)」
・調査レポート「生成AIが学びに与える変化の兆し —生成AIと学びの環境に関する調査」をご参照ください。

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。

●仕事、業務での生成AI利用方法(生成AI利用群のうち、「仕事、業務で使う」を選択した人)

  • 「1.文書作成」(41.2%)、「2.調査、情報収集」(35.3%)、「3.資料や文書の添削」(33.2%)、「4.要約」(30.4%)、「5.翻訳」(30.2%)、「6.アイディア出し、壁打ち相手」(28.6%)、「7.データの集計、分析」(21.7%)など。

●学びの領域についての生成AIの利用状況(生成AI利用群)

  • 仕事においては、「1.現在の仕事(副業除く)に役立てる学び・スキルアップ」(45.5%)、「2.将来担いたい仕事に向けての学び・スキルアップ」(28.0%)、「3.独立、起業、副業に役立てる学び・スキルアップ」(19.4%)。
  • 「4.趣味やスポーツ」(21.0%)、「5.語学習得、語学検定」(16.3%)、「6.資格取得」(13.7%)などさまざまな領域での利用が見られる。

●生成AIの活用方法と有効性実感(生成AI利用群)

  • 「1.自身があまり知らない領域についての基本的な情報を収集する」(43.7%)、「2.自身の職種・担当領域についての基本的な知識を得る」(31.2%)、「3.仕事中(業務中)に都度知りたいことを調べる」(28.2%)など、WEBサイトを検索するのと近い活用方法が上位。

    ※「何かを検索する場合、検索エンジン(ググる)より、生成AIを用いることが多い」(5.肢選択式)に「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した人は41.6%。

  • 「5.正解が1つでないことについて知見を得たり、考えを深める」(25.1%)、「8.人には相談できないことや知られたくないことへのアドバイスを得る」(11.0%)など、探索的・対話的な使い方も一定数見られた。
  • これらを含む16の活用方法ごとに、生成AIを用いることの有効性肯定派(「有効である」「どちらかといえば有効である」)の割合を確認したところ、「11.今後のキャリア計画を立てる」(有効性肯定派58.3%)を除いたすべてにおいて3分の2を超える人(71.2%~87.5%)が有効性肯定派であった。
  • 利用率は低いものの有効性肯定派が多かったのは「14.学習の到達度や今後の学習ポイントを確認する」(利用率9.0%、有効性肯定派82.1%)、「16.愚痴を吐露する」(同3.1%、87.5%)など。

●生成AIの学びにおける効果実感(生成AI利用群)

  • 「継続的学び群」「非継続的学び群」(「仕事またはプライベートで、継続的に自分の知識やスキルを向上させるために取り組んでいることがありますか」への回答で分類)別の、生成AIの学びにおける効果実感を集計した。
  • 9設問すべてにおいて、「継続的学び群」は「非継続的学び群」に比べて生成AIの学びにおける効果を感じていた。
  • 「継続的学び群」において効果実感が高いものとしては、「1.欲しい答えに素早くたどり着けるようになった」(69.8%)、「2.気軽に学べるようになった」(67.4%)、「3.新しい知識や視点を知ることができるようになった」(66.3%)、「4.自分が必要とするタイミングで学べるようになった」(64.6%)など学びやすさに関すること、「5.学んだ内容を行動に生かせるようになった」(64.6%)、「7.学ぶ内容の理解度が上がった」(60.8%)など学びの成果に関することなど。

●生成AIの見通し(生成AIの利用有無別)

  • 生成AIが自分に与える影響については、「1.生成AIは、私の仕事の生産性を上げてくれると思う」(生成AI利用群65.5%、生成AI非利用群37.3%)、「2.生成AIは、私の能力を高めてくれると思う」(同54.7%、31.1%)、「3.生成AIは、私の将来の可能性を広げてくれると思う」(同55.1%、37.7%)。いずれも2群間で統計的な有意差あり。
  • 生成AIのネガティブな側面については、「4.生成AIは、誤った回答をすることが多いと思う」(生成AI利用群40.4%、生成AI非利用群33.0%)、「5.生成AIは、私の仕事を代替したり、補完したりすることはできないと思う」(同41.8%、38.2%)、「6.生成AIが、仕事や生活に入り込んでくるのは好ましくないと思う」(同32.4%、29.2%)など一定数の回答が見られる(2群間で統計的な有意差なし)。「7.生成AIの高度化によって、人の考える力が低下するのではないかと思う」(同50.0%、40.1%)は、ネガティブな側面のなかで選択率が高く、生成AI利用群の方が多く選択している。
  • 生成AIの組織や職場に与える影響については、「8.生成AIの高度化によって、管理職は今ほど必要なくなるのではないかと思う」(同39.4%、31.6%)、「10.生成AIの高度化によって、『人にしかできないこと』や『人がやるからこそ意味があること』が重要になると思う」(同60.6%、46.2%)など、生成AI利用群の方が変化の兆しを感じている。
  • 「人にしかできないこと」や「人がやるからこそ意味があること」に関する自由記述を求めたところ、「人の気持ちに寄り添う」「感情を伴うもの」「気遣い」といった「感情・気持ち」という文言を含んだもの、「個々を見て対応する」といった「個別性」、「介護」「接客」など「身体活動が伴う業務」、「新しい企画」「無から有を作る」といった「創造系」のものに分かれた。

●人による対応との比較における生成AIの利用実感(生成AIの利用有無別)

  • 「1.有意義な答えが返ってくる」などの8項目それぞれについて、「生成AIを用いた方が、人に話したり相談したりするよりもそうであるか」を尋ねた。
  • 「ほとんどそうである」「そうであることが多い」の合計が多い順に並べると、「1.有意義な答えが返ってくる」(52.2%)、「2.回答に対して、嫌な思いをせずに済む」(51.8%)、「3.色々な選択肢を提示してくれる」(49.8%)、「4.回答を素直に聞くことができる」(49.6%)、「5.納得感が高い」(46.3%)、「6.バイアス、偏りのない回答をくれる」(46.1%)。
  • 「7.やる気が出たり頑張ろうと思えることがある」(40.0%)、「8.自分の気持ちに寄り添ってくれる」(37.0%)は相対的に選択率が低いが、上述の自由記述回答のように人の方が得意だろうと思われている「感情・気持ち」に関連する設問においても、約4割は生成AIの方がそうであるという利用実感があるという回答。

調査結果の詳細は、
・弊社機関誌RMS Message vol.77 特集1「テクノロジーで変わる職場の学び(P.27~34)」
・調査レポート「生成AIが学びに与える変化の兆し —生成AIと学びの環境に関する調査」をご参照ください。

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