適性検査「SPI」とは?
多くの企業の採用選考で利用されている適性検査「SPI」。
就職活動を進めていくと、一度は受ける可能性が高いテストです。

ここでは、SPIとは何のためのテストで、企業はどのように使っているか、SPIを受ける前にどのような準備をする必要があるのか、などその概要をお伝えしていきます。

SPIとは?

企業が人材の採用を行う際、応募者の能力や人となりを把握する目的で「適性検査」と呼ばれるテストを行うことがあります。2020年の調査によると、87.8%の企業が「適性検査」や「筆記試験」を実施しています。

▼採用活動ごとの実施率

選考方法 実施率
書類選考(エントリーシート、履歴書、作文など) 82.2%
適性検査・筆記試験(対面・Web含む) 90.1%
面接(対面) 87.0%
面接(Web) 78.4%
(就職みらい研究所『就職白書2022』より抜粋)

その適性検査の1つが、リクルートマネジメントソリューションズ(以下弊社)が独自に開発した「SPI」です。

SPIでは、性格特性や基礎的な知的能力といった、職務・職場行動の基礎となる、短期間では変化しにくい個人の資質を測定しています。応募者の人となりはもちろんのこと、どのような仕事に向いていてどのような組織になじみやすいのか、などが分かります。

企業はこのSPIの結果を、

  • 選考・面接で応募者を理解するための参考情報
  • 入社後の配属先を決めるための参考情報
  • 入社者を配属先の上司に理解してもらうための参考情報

として活用しています。

SPIの内容

SPIの内容は大きく2つに分類されます。
1つは働く上で必要となる知的能力を測る「能力検査」、もう1つは、応募者の人となりを把握するための「性格検査」です。

以下で「能力検査」「性格検査」それぞれについて詳しく解説していきます。

能力検査

能力検査は、どのような仕事をする上でも必要とされる、知的能力を測る検査です。

具体的には、「言語分野」と「非言語分野」の2種類の問題を通して、コミュニケーションや思考力、新しい知識・技能の習得などのベースとなる能力を測っています。

言語分野では、言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できる力を測る問題、非言語分野では、数的な処理や、論理的思考力を測る問題が出題されます。
具体的な問題のイメージは、「SPIの能力検査とは?」をご覧ください。

なお、企業では検査の結果を、その企業が求める能力水準を満たしているかどうかという観点で参考にしています。求める能力水準は、企業によって異なります。

企業によっては、能力検査に英語や構造的把握力の問題が出題される場合もあります。構造的把握力は「SPIの構造的把握力検査とは?」で紹介していますので、参考にしてください。

性格検査

性格検査は、日ごろの行動や考え方に関する質問から、その人がどんな人なのか、どのような仕事や組織に向いていそうか、などを把握するための検査です。

具体的には、日常の行動や考え方について複数の質問項目が提示され、どの程度自分にあてはまるかを選択していきます。

どのような質問がされるかについては、「SPIの性格検査とは?」をご覧ください。

SPIの4つの受検方法

SPIの受検方法には以下の4つがあります。どの受検方法になるかは応募先企業によって異なります。

テストセンター
弊社が用意する専用会場のパソコンで監督者の監督のもと受検する(リアル会場)、または、自宅などのパソコンで専用のシステムを通して監督者の監督のもと受検する(オンライン会場)形式です。指定された受検期間から都合の良い日程・会場を予約し、受検します。テストセンターに関しては、「SPIのテストセンターについて」で詳しく紹介しているので、ご確認ください。
※オンライン会場は2022年10月より新設されます。
WEBテスティング
インターネット環境に接続できるパソコンから受検する形式です。指定された受検期間内で都合の良い時間に自宅や学校などのパソコンから受検します。なお、スマートフォンからの受検は認められていませんので、注意しましょう。
※テストセンターの「オンライン会場」での受検とは異なります。
ペーパーテスティング
応募先の企業が用意した会場で、マークシートで受検する形式です。
インハウスCBT
応募先の企業に出向いて、企業内のパソコンで受検する形式です。

SPIを受検する前に準備しておきたいこと

能力検査には、特別な解き方はなく、漢字の読み書きを数多く暗記したり、数学の公式を覚えたりすることで得点が上がるというものではありません。

出てきた問題を正しく理解し、処理することが求められるテストですから、付け焼き刃で対策をしても得点はさほど変わらないことが実証されています。

それよりは、本番で自分の実力をきちんと出せるように受検方法や形式に慣れておくことが重要です。

具体的には、以下の準備をしておくのがお勧めです。

パソコンでの受検に
慣れておく
手元で計算して画面上で答えを選ぶ、次の画面に進むと前の画面には戻れないなど、パソコンでの受検には独特の回答方法や形式があり、何も準備せずに本番に臨むと勝手が分からず手間取ってしまう可能性があります。実際に受検するときに、「説明画面」や「練習画面」が用意されていますので、本番で実力を出せるよう、あらかじめ画面を確認して慣れておきましょう。
問題の形式を
把握しておく
どのような形式の問題が出題されるか全く知らないと、受検のときに焦ってしまい本来の能力を発揮できない可能性もあります。そのため、出題される問題の形式を事前に把握しておくとよいでしょう。
「SPIの能力検査とは」でいくつかの問題例を表示していますので、確認しておくことをお勧めします。
ただ、SPI対策のために勉強をしても、得点結果はさほど変わらないことが実証されていますので、必要以上に対策本などに取り組む必要はないでしょう。
性格検査は
率直に
性格検査については、準備は特に必要ありません。自分をありのまま出して、答えるように心がけることが大切です。
志望企業の求める人材像に合うような回答をするなど、変に取り繕って回答しても、その後の面接で回答内容と実際の人物とのかい離はすぐに明らかになってしまうでしょう。
仮に希望する企業に入社できたとしても、入社後、その企業に合わず、苦労する可能性もあります。
企業によって求める人材は異なりますし、1つの企業のなかでも特定のタイプの人材だけを必要としているわけでもありません。
自分の持ち味に合った仕事や企業に出会うために、率直に回答しましょう。

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