【番外編】期待される成果を
生み出すもの

期待される成果を生み出すもの

SPIの能力検査の点数はどうやったら上がるのか、そもそも上げることができるのか、について、関心がある方は多いと思います。
本記事では、企業人が成果を生み出すことに関係する要素と構造を読み解きながら、能力検査の得点の向上につながる学びについて解説します。

企業人が成果を生み出すことに関係する要素と構造

企業で働く人には、職務行動を通じて成果を上げていくことが期待されますが、その過程では、数多くの要因が影響を与えます。弊社では、それらの要素と構造を下表のようなモデルで整理しています。
成果を生み出す行動能力のことを「コンピテンシー」と呼びますが、これを分解していくと、能力やスキルだけでなく仕事に対する姿勢・態度、志向・欲求(その人が重視していること、実現したいと思っていること)、仕事や組織に対する考え方などが複合的に関係し合っていると考えられます。さらにそれらの基底には、性格的な特徴や基本的な理解力・思考力があって、直接的・間接的に全体に影響を与えています。
また、人が能力を発揮するうえでは、これらの要素に加えて、上司や周囲の関わり、取り組む仕事の特徴、組織風土などやそれらの環境による心理状態も重要です。

【図表:企業人が成果を生み出すことに関係する要素と構造】 企業人が成果を生み出すことに関係する要素と構造

SPIは全体に影響し、短期間では変わりにくい性格特性や、知的能力といった資質的な側面を測定しているため、その人に関する重要な情報が得られますが、無論それだけでその人のすべてが説明できるわけではありません。

このモデルで取り上げている要素は上に行くほど変わりやすく習得が可能なものと考えられており、企業・組織の側では、さまざまな角度から個人の特徴や状態を把握して、一人ひとりがより成長し力を発揮できるようにするための施策を考える必要があります。個人の側でも、思うような成果を出せない、成長を実感できないと感じたとき時には、何が影響しているのかを一歩引いて考えるための参考にしていただきたいと思います。

能力検査の得点を上げるには

能力検査で測っている「基礎能力」は成長過程を通じて蓄積されてきた力で、知識量とは異なり短期間に大きく変化するものではありません。「対策本」も数多く出版されていますが、実験の結果でも、対策本による短期間の勉強では大きな得点の上昇は見られていません。これは、特別な解き方がある問題は出題されず、準備をしても問題の形式に慣れておく程度の効果しか期待できないためだと考えられます。
得点の向上に効果があるのは、付け焼き刃の受検対策ではなく、基礎能力自体を高める努力です。この種の能力は、高度な内容の文献や表現の豊かな文学作品を数多く読む、データを分析して解釈する、難しい課題を論理的に掘り下げて考える、他者との議論を通じて思考を深めるなど、学業やゼミ活動などの長期的な取り組みを通じて高めていくことができ、こうした努力を通じて身に付いた理解力や思考力は一生の財産になります。ぜひ、学生生活・学業を通じて取り組んでいただきたいと思います。

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