調査サマリー

社内外・接点の多寡から見る4種類の人的つながり

人的つながりに関する実態調査

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更新日
人的つながりに関する実態調査

「人的つながりに関する実態調査」の実施概要は下表のとおりです。

調査概要

調査概要

調査結果の詳細は、
・弊社機関誌 RMS Message vol.69 特集1「つながり」を再考する(P.23~30)
・調査レポート 「つながり」はデザインできるか-社内外・接点の多寡から見る4種類の人的つながりの実態 をご参照ください。

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。

 ● コロナ禍以前と比較した人との関わりの変化(テレワーク実施頻度別)

・直近半年間のテレワーク実施頻度は、「(ほとんど)実施していない」(63.7%)、「週に1日以下」(10.4%)、「週に2~3日程度」(12.5%)、「週に4日程度」(4.3%)、「(ほとんど)毎日テレワーク」(9.1%)。

・会社の内か外か、日頃の接点が多いか少ないかの掛け合わせにより4種類の人的つながりを想定し、それぞれについてコロナ禍以前と比べた関わりの変化を尋ねたところ、テレワーク頻度によらず「変わらない」との回答が最も多い。また、「増えた」「やや増えた」よりも、「減った」「やや減った」とする回答の方が多い傾向が全体的に見られる。

・「減った」「やや減った」の上位は、他部署の人や社外の知人など日頃接点があまりない人との関わり。「増えた」「やや増えた」の上位は、家族や友人、上司や職場の同僚といった接点の多い人との関わり。

・同じテレワーク実施頻度であっても関わりが減った人、変わらない人、増えた人が混在している。

・テレワーク実施頻度の現状と理想について確認したところ、それらが一致する対角線上に最も多く分布。回答者の多くはテレワークの均衡点を見出しつつあるようだ。

 ● 4種類の人的つながり 社内と社外、関係の濃淡

・会社の内と外、日頃の接点や共有情報の多い(濃い)・少ない(薄い)の掛け合わせによる4種類の人的つながりについて、直近半年間の関わりの程度についての複数項目を「1.全くなかった・2.あまりなかった・3.ややあった・4.大いにあった」の4点尺度で測定し、統計的手法によって因子構造を確認した上で尺度化した。

・社内の濃いつながり(上司や同僚に仕事上の相談や協力をし合う機会や、仕事外の話をする機会)を「職場内のつながり」、社内の薄いつながり(他部署の人と仕事上の相談や協力をし合う機会や、困っていることの支援を求める機会)を「社内越境のつながり」、社外の薄いつながり(社外・仕事外で人と知り合う、学び合う、たまにしか会わない友人・知人と話す、地域の活動に参加するなどの機会)を「社外越境のつながり」、社外の濃いつながり(家族や親しい友人と困っていることや悩みなどについて話す機会や、ゆっくり時間を一緒に過ごす機会)を「家族・友人とのつながり」と名付けた。

● 4種類の人的つながりの仕事生活への影響

・4種類の人的つながりが、仕事上の成果(「進捗」「アイディア」「生産性」)、仕事生活における心理的状態(「会社への愛着」「会社での孤独感」)、コミュニティ感覚(「理念共感と貢献意欲」「自己有用感」「居心地の良さ」)に及ぼす影響を確認した。

・「職場内のつながり」は、今回取り上げた仕事生活に関する指標のすべてに良い影響を与えている。

・「社内越境のつながり」や「社外越境のつながり」も、職場内のつながりに上乗せする形で仕事生活に影響を及ぼしている。「社内越境のつながり」は、特に、仕事の「進捗」と、コミュニティ感覚の「理念共感と貢献意欲」への影響が大きい。「社外越境のつながり」は、特に、仕事上で「アイディア」を生み出し、「会社への愛着」や「自己有用感」を高める点に特徴が見られる。

・「家族・友人とのつながり」は「生産性」「会社への愛着」を高め、「会社での孤独感」を低下させるやや弱い効果をもっている。

● 4種類の人的つながりへの影響要因

・職務特性(「関係的な職務デザイン」「チームベースの評価・報酬」)と会社のコミュニケーション施策(14施策)が4種類の人的つながりに及ぼす影響を確認した。

・「関係的な職務デザイン」は、4種類の人的つながりのすべてに、検討した変数のうちで最も大きな影響を及ぼしていた。「チームベースの評価・報酬」は、職場内と社外越境のつながりを弱い影響力で高めるのみだった。

・会社のコミュニケーション施策のうち、“1.社員同士の雑談を増やす施策(フリースペース、社内SNS、ランチ会など)”は職場内のつながりを、“6.社員の人柄や仕事外活動などを伝える施策(社内報、人物名鑑など)”は職場内のつながりを活性化する可能性がある。

● 自社のコミュニケーション施策へのイメージ

・自社のコミュニケーション施策に対するイメージや印象について確認した。

・“現場の助けとなる”施策がいくつか浮かび上がるが、それらは“現場の負担を増やす”というイメージと表裏一体のものも多い。

・現場の助けとなると同時に、“新しいことに取り組んでいる” “思いやりがある” “遊び心がある”など、受け手の感情を動かすイメージや印象があるのは、“1.社員同士の雑談を増やす施策” “3.部署横断の交流施策” “9.「社内異動者」に異動先部署でのつながりを作る施策”などであった。

・有効性を感じる一方、これらの施策のいくつかが、“手順やルールに細かい”という印象を与えていた。

調査結果の詳細は、
・弊社機関誌 RMS Message vol.69 特集1「つながり」を再考する(P.23~30)
・調査レポート 「つながり」はデザインできるか-社内外・接点の多寡から見る4種類の人的つながりの実態 をご参照ください。

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