テレワークの実態、オフィス勤務時との違いとは テレワーク緊急実態調査

公開日:2020/05/18
更新日:2020/05/18

「テレワーク緊急実態調査」の実施概要は下表のとおりです。


調査概要

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。[テレワークの利用経験と意識]●本調査におけるテレワーク経験の実態

  • ・「終日の業務」27.1%、「数時間から半日程度の業務」25.2%、「メール・資料確認など、ごく一部の業務」28.5%。
  • ・いずれも、一般社員よりも管理職で経験者率が高い。所属企業の従業員規模が大きいほど経験者率が高くなる。職務系統別に見ると、販売系の職種では著しく経験率が低い。
  • ※所属企業で「働き方改革」を推進していたり、働き方に何らかの変化を感じていたりする人に回答を依頼している本調査の特性上、この水準は社会一般の実態より高いことが推測される。
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  • ●管理職が感じるテレワーク・マネジメントの「不安」と「機会」
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  • <不安>
  • ・テレワークで仕事をする部下をマネジメントする際、半数以上の管理職が、「部下がさぼっていないか心配である」と考えている。
  • ・未経験者の方がより不安を感じているのは、「部下に必要なときに業務指示を出したり、指導をしたりしづらい」「チームビルディングができない」こと。しかし経験者でも、6割以上が不安に感じている。
  • ・経験者の方がより不安を感じているのは、「部下の心身の健康の悪化の兆候を見逃してしまうこと」。7割近くの管理職が不安に感じている。
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  • <機会>
  • ・テレワークを「部下が自己管理の習慣をつける」「無駄な業務を減らす」「生産性を高める」「ワーク・ライフ・バランスを改善する」「管理職がマネジメント能力を高める」いい機会だと捉える割合は、いずれも経験者において大きく高まる。
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  • ●テレワークの効用と課題
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  • <効用>
  • ・管理職、一般社員ともに、テレワーク経験者の半数以上が、「生産性が向上し、業績にプラスの効果があると思う」「仕事へのやる気が高まると思う」と回答。半数弱が「会社への愛着が増すと思う」と回答。
  • ・経験者と未経験者の比較では、いずれも経験者の方が多く選択している。
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  • <課題>
  • ・管理職、一般社員ともに、テレワーク経験者の半数以上が、「テレワークを利用できる人と、できない人がいて、不公平感が生じている」「テレワークで利用するコミュニケーションツールに未習熟な人がいるため、業務遂行に支障がある」「通信回線・セキュリティ・パソコンなど、インフラやツールの整備が不十分なので、業務遂行に支障がある」「オフィスに居る人に業務が偏り、不公平感が生じている」と回答。
  • ・管理職においては半数以上が「管理職の負荷が高すぎて、業務遂行に支障がある」と回答。

[テレワーク環境下とオフィス勤務時との比較]●テレワーク環境下の心理的変化、生活の変化、生産性の変化

  • <心理的変化>
  • ・いずれの項目においても、変わらないと考える人が最も多く、6割前後である。
  • ・増える(高まる)人が、減る(低下する)人を上回るのは、「さびしさや疎外感を感じる気持ち」「仕事のプロセスや成果が適正に評価されないのではという不安」「会社に対する好意的・肯定的な感情(感謝、貢献意欲、誇りなど)」。
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  • <生活の変化>
  • ・「労働時間」は、減る人の方が多いが、増える人もおり、2極化している。
  • ・増える(高まる)人が、減る(低下する)人を上回るのは、「家事や家族とのコミュニケーションに使う時間」「生活の質や家族との関係性の質」「自身の身体的な健康度」「自身の精神的な健康度」。
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  • <生産性の変化>
  • ・減る人が、増える人を上回るのは、「人から話しかけられて仕事を中断する頻度」「仕事に関連するストレス」。
  • ・増える(高まる)人と減る(低下する)人の割合が拮抗するのは、「業務や作業の能率・効率」「アイディアや企画の質」「仕事への責任感や成果への意識」。
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  • ●テレワーク環境におけるコミュニケーションの変化
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  • <チャネル>
  • ・約6割が「ビデオや音声での会話」「メールなどでの情報共有」「チャットなどの同時性の高いテキストコミュニケーション」が増える・やや増えると回答。
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  • <内容>
  • ・減る人が、増える人を上回るのは、「感謝の言葉をかけたり、かけられたりする機会」「雑談や思いつきレベルのアイディアの共有」「同僚と、お互いの仕事の進捗を気にかけ、助け合う機会」。
  • ・減る人と増える人の割合が拮抗するのは、「ちょっとした問題や困りごとの相談」「配慮に欠けると感じる指示や言葉を受ける機会」「上司への報告・連絡・相談の機会」。
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  • ●テレワーク環境下で必要度が高まるスキル
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  • <必要度が高まるスキル>
  • ・最も必要度が高まると考えられているのは、「文章で、人に情報や要望を、分かりやすく伝えること」で8割弱が選択。
  • ・次に続くのが、「集中力を保ち、自己を律すること」「仕事の計画を自分で立て、進捗を管理すること」「上司や関係者への報告を適切に行うこと」などセルフマネジメントのスキルである。
  • ・「文章で、人への思いやりや気遣いを伝えること」「気分転換や休憩を適切にとること」など自他をケアするスキルも半数以上が選択。
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  • <スキルの充足度>
  • ・いずれのスキルも、充足していると考える人は、必要と考える人の半数程度。
  • ・最もギャップが大きいのは「集中力を保ち、自己を律すること」。
  • ・「文章で、人への思いやりや気遣いを伝えること」「気分転換や休憩を適切にとること」など自他をケアするスキルも半数以上が選択。

[テレワーク環境下におけるワーク・ライフ・バランスの変化]●ワーク・ライフ・バランスの変化のタイプ

  • ・テレワーク下の変化の3因子「ワークの質の変化」(4項目の平均)、「ライフの質の変化」(3項目の平均)、「業務ストレスの増減」(5項目の平均)の組み合わせで、「タイプ(1)ワーク上昇・ライフ上昇・業務ストレス減」(12.4%)、「タイプ(2)ワーク上昇・ライフ上昇・業務ストレス増」(10.7%)、「タイプ(3)ライフのみ上昇」(21.0%)、「タイプ(4)変化なし」(40.3%)、「タイプ(5)ワーク低下・ライフ低下」(15.5%)という5つのタイプの変化パターンが確認された。
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  • ●テレワーク経験との関係
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  • ・テレワークを初めて経験したタイミングが半年以内(TW歴浅)/それ以前(TW歴長)、現在の実施頻度が月2回未満(頻度低)/2回以上(頻度低)で群分けし、ワーク・ライフ・バランス変化の5タイプの分布を確認。
  • ・「テレワーク(TW)歴浅・頻度低」<「TW歴浅・頻度高」<「TW歴長・頻度低」<「TW歴長・頻度高」の順に「タイプ(1)ワーク上昇・ライフ上昇・業務ストレス減」の出現率が高く、「タイプ(2)ワーク上昇・ライフ上昇・業務ストレス増」が低くなる。
  • ・「TW歴浅・頻度高」群において、「タイプ(5)ワーク低下・ライフ低下」が最も多い。
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  • ●本人のセルフマネジメント、管理職のマネジメントスタイル、外部環境・組織特性との関係
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  • <ワークの質の向上に関係があるもの>
  • ・一般社員では、「セルフマネジメント」「自律的な職務設計」「柔軟性志向のHRM」。
  • ・管理職では、「柔軟性志向のHRM」「セルフマネジメント」「自律的な職務設計」。
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  • <ライフの質の向上に関係があるもの>
  • ・一般社員では、「自律的な職務設計」「セルフマネジメント」「自律支援的マネジメント」。
  • ・管理職では、「柔軟性志向のHRM」「自律的な職務設計」「セルフマネジメント」。
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  • <業務ストレスの増減に関係があるもの>
  • ・一般社員では、「職務の相互依存性」「直接接点重視マネジメント」「大企業病傾向」。
  • ・管理職では、「職務の相互依存性」「直接接点重視マネジメント」「大企業病傾向」。

[協働志向コミュニケーションの変化に関連する職場の特徴]●本人のセルフマネジメント、管理職のマネジメントスタイル、外部環境・組織特性との関係

  • ・協働志向のコミュニケーション(相談、アイディアの共有、感謝、助け合いに関する5項目の平均)の増加に関連を確認。
  • ・一般社員では、「直接接点重視型のマネジメント」「柔軟性志向のHRM」「職務の相互依存性」。
  • ・管理職では、「柔軟性志向のHRM」「直接接点重視型のマネジメント」「セルフマネジメント」。
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  • ●通信インフラやコミュニケーションツール等の利用と習熟に関連する項目との関係
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  • ・一般社員では、「管理職の負荷の高さ」「オフィスに居る人への業務の偏り」「通信回線等のインフラやツールの未整備」の順で相関関係が見られた。
  • ・管理職では、「ビデオや音声での会話の増加」のみ、統計的に有意な相関関係が見られた。

調査結果の詳細は、 
・調査レポート「温かく明快なコミュニケーションで、誰も孤立させないテレワークを」「テレワークがあぶりだすマネジャー依存の限界と、自律・協働志向組織への転換」 をご参照ください。

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