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調査サマリー
ワーク・エンゲージメントの実態、効果と要因とは
「ワーク・エンゲージメントに関する実態調査」の実施概要は下表のとおりです。
今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。
<ワーク・エンゲージメントの実態>
●ワーク・エンゲージメントの実態【使用尺度】ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度の9項目版「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りややりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の各要素3項目ずつについて、「最近1年くらいにおいて、どのくらいの頻度で感じているか」を、0:まったくない~6:いつも感じる、の7段階で聴取
・約4割が1週間に1回以上の頻度で「仕事に熱心である」、3割強が「仕事に誇りを感じる」「仕事をしているとつい夢中になってしまう」。「活力がみなぎるように感じる」「さあ仕事へ行こう、という気になる」は約2割。・9項目を平均したワーク・エンゲージメントのスコアは2.62(活力2.35、熱意2.92、没頭2.57)・スコアが高いのは営業職の20代男性(3.05)、40代女性(3.03)、低いのはサービス職の30代女性(1.98)、40代女性(2.33)・ワーク・エンゲージメントが高まるのは、「成果が出たとき」「良いものを目指して工夫しているとき」など貢献や達成といった場面に加え、仕事が段取りどおりに進む、作業に集中している、といった日常的な場面(自由記述)・反面、仕事が面白くない、仕事がくだらない、意味がない仕事だ、と感じるのは、「誰のためにもならないと感じるとき」「誰でもできる仕事だと感じるとき」「上司からの理不尽な扱い」など(自由記述)
●バーンアウトの実態【使用尺度】日本版バーンアウト尺度情緒的消耗感に関する3項目を用い、ワーク・エンゲージメントと同様に最近1年間の状況を0:まったくない~6:いつも感じる、の7段階で聴取
・「仕事のために心にゆとりがなくなった」「心身ともに疲れ果てた」と1週間に1回以上の頻度で感じている人は約4割・5項目の平均スコアは3.26・サービス職でバーンアウトのスコアが高い・バーンアウトの理由について、バーンアウト高群(上位33%)で多かったのは、「賃金の低さ」「突発的な業務の多さ」「顧客応対の大変さ」・バーンアウト高群のうちワーク・エンゲージメントも高群である51名では、仕事や処遇に対する満足度は低くないが、「仕事の責任・権限の重さ」の選択率が高い
<ワーク・エンゲージメントの効果>●幸福感・適応感。離職意向との関係・個人の幸福感、組織や仕事への適応感、離職意向はいずれもワーク・エンゲージメント高群(上位33%)と低群(下位34%)間に有意な差
●組織コミットメントとの関係・目的的コミットメント(組織の理念や目的へのコミットメント)、功利愛着的コミットメント(愛着感情に功利的なニュアンスを含むコミットメント)について、ワーク・エンゲージメント高群と低群間に有意な差・規範的コミットメント(社会規範的なニュアンスを含むコミットメント)、功利存続的コミットメント(損失を回避/利益を重視するコミットメント)は、ワーク・エンゲージメント高低群で有意な差が見られなかった
<ワーク・エンゲージメントを高める要因>●本人の態度・スキル・ジョブ・クラフティングやキャリア適応への認知に関する6項目について、いずれもワーク・エンゲージメント高群が低群に対して有意に高い
●職務特性・職場特性・上司支援・ハックマン=オルダムのモチベーションを高める職務特性の5側面、心理的安全性・成果志向などの職場風土6項目、意味づけ・個別配慮などの部下に対する上司支援5項目について、いずれも、ワーク・エンゲージメントの高低群で有意な差・特に上司による仕事の意味づけや、職場における質の高い成果を志向する風土は差が大きい
●制度や仕組み・ワーク・エンゲージメント高群で導入が多かったのは、「自己申告、社内公募など、本人の希望ができるだけ尊重される配置を実現する制度や仕組み」「評価結果とその理由の本人へのフィードバックと説明」、次いで人材育成の「自分の希望に応じ、特定のスキルや知識を学べる研修」(ただし、ワーク・エンゲージメント低群においても導入が多い)・ワーク・エンゲージメント高群と低群で導入度の差が大きかったのは、「経営の重要な情報の従業員への開示」「朝礼や社員全体会議を通じた会社のビジョンの共有」「仕事上の成功事例を共有する機会」・「あなたの仕事のやりがいや意欲を高めると思うもの」を選んでもらったところ、「お互いの良いところやお互いへの感謝を伝え合う仕組み」「自分の希望に応じ、特定のスキルや知識を学べる研修「」従業員が幅広いスキルを獲得できるようなジョブローテーションの機会」が上位に並んだ。
●働き方改革・労働時間削減、生産性向上、働き方(時間・場所)の柔軟化のいずれも、ワーク・エンゲージメント高群が低群に比べて進展している・両群の差が大きいのは働き方の柔軟化
調査結果の詳細は、・弊社機関誌RMS Message vol.57 特集1「ワーク・エンゲージメントを高める」調査報告(P.23~30)・調査レポート「一般社員624名に聞く、ワーク・エンゲージメントの実態」をご参照ください。
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