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調査サマリー
正解のない時代における職場の学びを考える
「職場での個人の学びに関する実態調査」の実施概要は下表のとおりです。
今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。
※本調査では、「仕事に関する学び」について、以下のように提示した。「ここでいう学びとは、知識やスキルの習得だけでなく、経験や対人関係からの学びなども含め、広く捉えてお答えください。」
<過去1年間の新しい学びの有無の実態>●学びの有無と適応感との関係・過去1年で、学びが「あった」「どちらかといえばあった」と回答したのは、「現在の仕事に直結する学び(以下、現在の学び)」は59.7%、「中長期のキャリアに役立つ学び(以下、中長期の学び)」は50.1%。・高適応群の学びが「あった」「どちらかといえばあった」の割合は、「現在の学び」は78.9%、「中長期の学び」は67.6%で、低適応群に比べて大幅に高い。※適応群について:「期待どおりの成果を上げている」「今の仕事にやりがいを感じる」など適応感に関する7項目を尺度化し、高・低適応群に二分したもの。
●学びの有無と環境特性・個人特性との関係・「環境変化」「職務の重要度・自律度」「キャリア見通し」「専門職志向」の高・低群で、学びの有無に統計的に有意な差がある。一方、年代、役職、学歴による差は見られない。・月間労働時間によって学びの有無に有意差は見られない。過去1年間に労働時間が増えた群の方が学びの量が増えている。
<学び方の実態>●自分の得意な学び方・「自分にとって得意な学び方のパターンがある」と回答したのは約5 割。・得意な学び方がある方が学んでいる。・得意な学び方としては、「経験から学ぶ」「人と学ぶ」「仮説・想定をもつ」「言語化・アウトプットする」といった、正解のない時代に仕事を通じてより多くの学びを得るための有効な方法と思われる記述が多い。
●仕事を通じた学びにつながる行動・特に高適応群が高かったのは、「何事も成長機会と捉えて、目の前の仕事を大切にしている」「人に話をすることで、ヒントやアイディアを得ようとすることが多い」「仮説検証を意識的に行いながら仕事を進める」「新しい経験を積める環境、成長できる環境を求めて行動している」「自発的にスキル・能力開発に取り組んでいる」である。
●ITと学び・新しい領域についての情報収集の方法としては、「ネットで調べる」が最多で8割以上。次いで「人に聞いてみる」が約7割、「実際に経験してみる」が約6割で、「本で調べる」は半数に満たない。・効果的だと思っている学びのテクノロジー活用法について自由記述で回答を求めたところ、「チャットツールによるリアルタイム情報共有」「遠隔会議システムによる対話機会の増加」を挙げる人が多く、「学習教材のIT化」「情報記録・保管の効率化」も見られた。
<学びを支援する環境>●会社や職場は成長できる環境か・「とてもそう思う」「そう思う」と答えたのは全体の41.4%。・「現在の学び」「中長期の学び」の高群(学びが「あった」「どちらかといえばあった」を選択)は低群(学びが「なかった」「どちらかといえばなかった」を選択)と比べ選択率が高かったが、それぞれ58.6%、61.6%であり、必ずしも高いとはいえない。・成長できると思う理由として多かった記述は、「取り組みがいのある仕事」「同僚からの刺激がある」「教育制度がある」「成果主義」など。成長できないと思う理由としては「仕事に変化がない」「評価されない」「学習風土がない」など。
●学びにつながる職場風土・成長できる環境だと思うと回答した人たちが認識する職場風土として特徴的だったのは、「従業員が仕事を通して成長できることを重視している」「お互いの成長への関心が高い」「お互いの成果への関心が高い」「互いに切磋琢磨している」「お互いの仕事の成果やプロセスに率直にフィードバックし合える」。従業員同士が、お互いの仕事の成果と成長の両面に関心をもち、信頼し合い、共に成長していこうという関係性が学びを促進するのではないか。
●学びを支援する制度・仕組み・導入割合・役立ち度ともに高いのは「上司との1on1ミーティング」「上司・同僚からのフィードバックサーベイ」「勤務時間・場所の制度」など。・導入割合がそれほど高くはないものの役立ち度が高いのは、「自己学習のための金銭支援」「社内の多様な人との勉強・交流会」「社内外の人と情報交換する場所」「社外副業」「本業以外の仕事機会」など、目の前の業務を少し離れた越境的な学びをサポートするもの。
調査結果の詳細は、・弊社機関誌RMS Message vol.55 特集1「職場の学びはどう変わるか」調査報告(P.23~30)・調査レポート「20代~50代の会社員457名に聞く、仕事に関する学びの実態」をご参照ください。
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