サポートし合う職場づくりを考える 職場におけるソーシャル・サポート実態調査

「職場におけるソーシャル・サポート実態調査」の実施概要は下表のとおりです。


調査概要

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。

※本調査で用いたソーシャル・サポートの4つの分類
【直接サポート】仕事を手伝ってくれる、折衝・調整など、問題解決に介入するなど、直接的な課題解決のサポートをする。
【情報サポート】情報提供、やり方やコツを教えてくれるなど、課題解決に必要な知識・情報を提供する。
【情緒的サポート】励ましてくれる、親身になってくれる、話し相手になってくれる、気にかけてくれるなど、精神的な支えとなる。
【評価的サポート】認めてくれる、高く評価してくれる、改善点を指摘してくれるなど、適切な評価やフィードバックをする。

<職場でのソーシャル・サポートについて>
●ソーシャル・サポートの必要度・十分度
・4種いずれも8割以上が必要と回答。
・十分度は約6割が十分と回答。「まったく十分ではない」という人も1割前後いる。
・4種間で必要度と十分度の乖離が最も大きいのは、評価的サポート。

●ソーシャル・サポートへの期待、サポートされた経験、サポートした経験
・情緒的サポート以外の3つのサポートは、上司への期待が最も高い。情緒的サポートは、同じ職場の同僚への期待が最も高い。社外の知人・友人や家族に対しては、情緒的サポートを求める回答割合が高い。
・過去半年間のサポートされた経験は、評価的サポートを除いて、上司よりも同じ職場の同僚からのサポートの方が多い。
・自分がサポートした経験は、サポートされた経験と比べると、上司に対しては下回ったが、同じ職場の同僚に対しては、大きく上回っている。
・期待とサポートされた経験では、年代が上がるほど「ない」の選択割合が上昇。40代の約2割が「必要ない」、3〜4割が「サポートはない」を選択。性別では男性の方が「必要ない」「サポートはない」の選択割合が高い。
・サポートした経験については、情緒的サポートのみ、年代が上で、男性の方が「サポートはしていない」という選択割合が高い。

●期待はずれだった上司や同僚からのサポート(自由記述)
・(1)知識・スキル不足によるもの、(2)自分本位、親身になってくれていない、もしくは精神論のみであると感じられるもの、(3)フォローがなく教えてもらえないといった、内容、態度、タイミングが期待と異なるといったものが散見された。

●うまくできなかった自分からのサポート(自由記述)
・(1)自分の知識・スキル不足によるもの、(2)相手の期待にそわない、ネガティブな反応があったというもの、(3)遠慮、自分の余裕のなさ、方法の失敗でうまくフォローできなかったというものが挙げられていた。


<職場での援助要請行動について>
●援助要請行動の実態
・必要な相手に、自分からサポートを求めるという行動ができているか、については、4人に3人は援助要請をしていると回答。
・援助要請している理由としては、「成果をあげる上で必要」「他者の意見を取り入れた方が、仕事の質が良くなる」といった成果に関する項目を過半数が、意識面での「困ったときにはお互いさま」を3人に1人が選択。「信頼関係」「すぐ声をかけられるような執務環境」「協働・助け合いをよしとする職場の風土」といった職場環境に関する回答がそれらに続いて多く選ばれた。
・援助要請していない理由としては、職場環境としての「皆、自分のことで手一杯で、声をかけづらい雰囲気があるから」「信頼関係が築けていない」が最も多く選択された。意識面では「助けを求めること=能力が低いと思われてしまいそう」が相対的には多く選ばれた。

●援助要請している人としていない人の特徴の比較
・援助要請している人の方が、サポートの必要度・十分度ともに高い。本人の適応感は高く、孤独感は低い。
・「思いやりとあたたかさ」「連帯感とチームワーク」「信頼関係」がある職場、「他者の仕事に無関心」「孤立している人がいる」ということがない職場、心理的安全性が高い職場では援助要請行動をとりやすいことが示唆された。

<職場での人間関係の希薄化について>
●人間関係の希薄化の実感(5年前との比較)
・44.6%が希薄化していると回答した。属性としては、男性、年齢が高い、社歴が長いほど希薄化していると回答。
・希薄化を感じる理由としては、労働時間や忙しさ、業績圧力、仕事以外の対話機会、人員構成に関するコメントなど。
・希薄化していないという理由のなかには、ずっと希薄で変わらないというコメントも散見されたことから、この結果よりも多くの割合の人が、現状、職場の人間関係は希薄であると感じていることが推察される。

<職場での貢献感や制度・仕組みとの関係について>
●年代(20代と40代)・適応感(力の発揮)別傾向
・20代と40代ごとに、適応感(力の発揮)の回答を用いて貢献感の群別傾向を確認した。
・サポート必要度、サポート十分度、援助要請ともに20代の方が総じて得点が高い。
・20代では貢献感が高いほど援助要請できており、サポート十分度も高い。
・40代では貢献感が低い群でのみ、サポート必要度、十分度、援助要請いずれもネガティブな傾向。職場の希薄化も感じている。

●人間関係構築や必要なサポートの獲得に役に立っている制度・仕組み
・導入割合・役立ち度ともに高いのは「上司との定期的な面談」「定期異動・ローテーション」「集合研修・ワークショップ」。
・導入割合がそれほど高くはないものの役立ち度が高いのは「社員同士での飲食の金銭的補助」「社員が集まる場所の設置」「社員による自主的な勉強会」「社内コミュニケーションツール」「業務以外の社内コミュニティ」「会社主催の懇親イベント」など。


調査結果の詳細は、
・弊社機関誌RMS Message vol.54 特集1「職場におけるソーシャル・サポート 希薄化する人間関係にどう向き合うか」調査報告(P.23〜30)
・調査レポート「職場でのサポートに影響を及ぼすのは何か」をご参照ください。

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