学会レポート

L&D(学習と能力開発)のトレンド

ATD2021 バーチャルカンファレンス参加報告 学習経験のデザインと未来を創るリーダーシップ

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ATD2021 バーチャルカンファレンス参加報告学習経験のデザインと未来を創るリーダーシップ

本稿では8月29日~9月1日にかけて開催されたATD2021バーチャルカンファレンスについてご報告します。(ATD【*1】については こちら

*1 ATD(Association for Talent Development:タレント開発協会)は、1943年に設立された産業教育に関する世界最大の会員制組織(NPO)。2014年にそれまでのASTD(American Society for Training and Development)からATDに名称が変更された。会員は世界中の企業、公共機関、教育機関で学習と開発に携わる人々で、その数は120カ国約4万人におよぶ。学習と開発に関する国際的なネットワークを有し、調査研究、出版、教育、資格認定、およびカンファレンスを展開している。本部はバージニア州アレクサンドリア。年1回開催されるICE(International Conference and Exposition:国際大会)は学習と開発に関する世界の潮流をつかむ機会でもある。

※国際的に著名なスピーカーを招いて今年も「ATD 2021 ジャパンサミット」が12月6~10日に開催されます。ぜひご参加ください。 >詳細はこちら

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サービス統括部
HRDサービス推進部
トレーニングプログラム開発グループ
主任研究員

嶋村 伸明(しまむら のぶあき)
プロフィールを⾒る

リアル、バーチャル、ハイブリッドの3つの形式での開催

L&D(学習と能力開発)に関する世界最大の会員制組織ATDによる2021年の国際大会はリアルとバーチャル、およびそれらのハイブリッドという3つの形式で開催されました。「ATD2021HQ」と名付けられたリアルな大会は米国ユタ州ソルトレイクシティにて行われ約3000人が参加。その様子のライブ配信に自宅から参加できる「ATD2021@Home」と世界各地域の会員がリアルに集った場で参加できる「ATD@Regional」には約3600人が参加しました。筆者を含めて日本からの参加者150名はほとんどが自宅からの参加です。

パンデミックに見舞われた昨年の大会は急遽バーチャルで開催されましたが、今年は複数のオプションを用意しハイブリッド型の学習デザインにチャレンジしています。ただし、参加可能なセッション数はリアル参加とバーチャル参加では異なり、リアル参加のほうがより多くのセッションを体験できるようになっていました。

実際に、会場からのライブ配信セッションは、スピーカーがステージ上を歩きながらダイナミックなプレゼンテーションを展開する様子が映し出され、昨年の録画セッションよりも格段にひきつけられるものになっていたと思います。ATDによればリアルとバーチャルを融合した今年の大会は70年の歴史のなかでももっともチャレンジングなものだったということです。

<図表1>ATD2021@Home セッション・トラックとセッション数

<図表1>ATD2021@Home セッション・トラックとセッション数

ハイブリッド労働への対応

ここ数年、ATDでは学習の俊敏さ(Learning Agility)が重要なスキルとしてクローズアップされています。いわゆるVUCAの世界では、計画的な戦略の推進よりもスピーディに変化する状況に素早く対応しつつより良い方法を見つけ出していく学習力が組織と個人の持続的成長のカギであるという認識は、多くのビジネスリーダーが共有しています。今年の大会では長引くパンデミックのなかで組織が直面しているハイブリッド労働にいかに素早く効果的に対応していけるかが重要なテーマとして挙がっていました。

マイクロソフト社が行った大規模な調査(2021 Work Trend Index: Annual Report)によれば、リモートワークは、従業員に柔軟性を与え、新しい場所での仕事の機会を生み出した半面で、チームのサイロ化と労働者のデジタル疲労(digital exhaustionあるいはdigital fatigue)が現実的な脅威になっていると分析しています。同社のOutlookやTeamsのデータによれば会議に費やす週単位の時間は前年比で2倍以上に増加しており、時間外のチームチャットも42%増加、50% の人が Teams のチャットに 5 分以内に応答しているとのことです。結果として、54%が働き過ぎだと感じており、39%が疲れていると感じていると報告しています。従業員はリーダー層との断絶を感じており、従業員の41%が今年中の辞職を検討、46%が転職する可能性が高いと回答しています。これは企業にとってショッキングな結果です。

Wayne Turmel氏とKevin Eikenberry氏による「The Challenges and Realities of Hybrid Teams(ハイブリッドチームの課題と現実)」というセッションでは、ハイブリッド労働という未経験の状況が含む諸問題と無意識のバイアスの影響、犯しやすい過ち、そしてハイブリッドチームを成功させるカギについて体系立った説明が展開されました。Turmel氏は、ハイブリッド(Hybrid)という言葉がもつ「異なる2つの種の子孫」という意味を引き合いに出しながら、それぞれの長所を生かしたチームにしていくために、自分の仕事は担当職務+チームワークだという意識をメンバー全員がもつこと、コミュニケーションは単なるトランザクションではないという認識に立つこと、成員相互の期待を明確にして場所を問わず意図的な関係構築を行うこと、などのいくつかの重要なマインドセットを提示してくれました。

また、リーダーシップの研究で著名なKen Blanchard氏とScott Blanchard氏は「Virtual Stream of Leadership in the New Hybrid Work Environment(ハイブリッドな労働環境におけるリーダーシップ)」というタイトルで、従業員が変化を乗り越えていくのを支援するリーダーシップの要素について研究に基づいた知見を展開してくれました。ハイブリッドな労働における組織パフォーマンスの開発は、パンデミック後も継続する課題と思われます。

インストラクショナルデザインからラーニングエキスペリエンスデザインへ

L&Dの主眼がトレーニングの提供から従業員の学習支援に移行するにつれて、学習という行為そのものへの理解を深めようというメッセージは毎年強くなっています。具体的には認知心理学、神経科学、ポジティブ心理学、行動経済学などの知見から人の学習のメカニズムをひもとき、それを促進するような学習経験をデザインしていこうというものですが、今年はその実践がさらに進んだ印象です。

「Virtual Stream of Classroom Dilemma: Reimagining the Future Workplace Learning Landscape(クラスルームのジレンマ:未来の職場の学びの風景を再構築する)」というセッションでは、学習に関するコンサルタントとして著名なJonathan Halls氏が、「クラスルーム(教室)での学習は産業革命によって発明された学習方法であり、悪いものではないが、今日の状況においては明らかな限界がある」として、L&Dは「学習者に対して何をするか」ではなく「学習者の行動をどう支援するか」にマインドセットを切り替える必要があると主張しました。Halls氏は、学習はConceptualize the Task(課題の概念化)、Perform the task(課題を実行する)、Master the task(課題に習熟する)というは3つのプロセスを通じて行われ、「これらの3つを通過している限り学習者はどこでも学べる。クラスルームを超えて、学習者が学んだことを『実行』し、『回復』し『フィードバックをもらう』少なくとも数週間のカリキュラムを前提に考えるべきだ」という持論を、認知心理学からの知見を活用しながら分かりやすく展開してくれました。

プログラムではなく学習者を中心におく

こうした学習を「イベント」と捉えてしまいがちな伝統的なマインドセットを見直さなければならないというメッセージは、Halls氏以外にも多くのスピーカーから聞かれました。

TEDスピーカーにも選ばれたコンサルタントCrystal Kadakia氏のセッション「Virtual Stream of Learning Cluster Design: The New L&D Model Driving Digital Age Leadership(学習クラスターデザイン:デジタル時代のリーダーシップを推進する新しいL&Dモデル)」では、L&D業界には今日的な現実に適合する学習を戦略的に設計するための確実な方法論がないという問題意識が提示され、クラスとコースだけの設計をやめて「学習クラスター」の設計(行動変容のゴールを明らかにした上で多様な学習者のペルソナを想定し、複数の有効な学習リソースを、学習者が自己選択できる形で提供していく設計方法)を始めるための新しいモデルが紹介されました。

「Virtual Stream of Disrupting Design: How Behavioral Science Drives Learning That Lasts(デザインを破壊する:行動科学はいかにして永続的な学習を促進するか)」では、認知心理学、脳科学、およびデザイン思考の知見をどのようにインストラクショナルデザインに活用できるかについて、The Coca-Cola Company社の学習ディレクターJon Thompson氏、Morningstar社のGlobal Head of Employee ExperienceであるMary Slaughter氏、Mind Gym社のChief Behavioral Science Officer であるJanet Ahn氏の3名がパネルセッションを行いました。提示された「CLICS(Capacity、Layering、Intrinsic enablers、Coherence、Social connections)」と呼ばれるフレームワークは効果的な学習経験をデザインしていく上でシンプルかつ有効なものです。

データを活用した学習のパーソナライゼーションへの取り組みで有名なJD.Dillon氏は、今年は「Evaluating Impact(学習の効果測定)」のトラックでセッションを展開しました。このセッションで印象的だったのは、全米でブームとなっている室内エクササイズプラットフォームPeloton【*2】のアナロジーです。

*2 オンラインで専門トレーナーからのフィットネスレッスンが受けられる室内エクササイズバイクのサブスクリプションサービス。ウェアラブルデバイスを通じてエクササイズ中の心拍数、消費カロリーなどの情報がクラウド上にアップされリアルタイムで自身の状態が把握できるとともに、次に何をするとよいかがレコメンドされる。

Dillon氏は、人々がPelotonに夢中になる理由は、このシステムが学習者の3つのニーズに見事に応えているからだといいます。それは「How am I doing?(私の調子はどう?)」「Is it working?(うまくやれている?)」「What should I do next?(次にどうすべき?)」という3つのニーズであり、氏は、これが今日的な学習デザインの本質であるとします。そして、プログラムではなく個人を中心において、個人の周辺に一貫した体験を提供し、データをモニタリングして次に何が必要かを予測し、ステークホルダーが指摘する前に戦略をアジャストしていくためのメソッドを紹介してくれました。イベントベースの考え方から脱却すれば、「効果測定」というイベント自体も不要になるということでしょう。

没入型学習におけるファシリテーション

没入型学習(Immersive Learning)とは学習者が仮想対話に没頭する学習方法(Wikipedia)とされており、VRなどのテクノロジーを活用した学習という側面(技術的側面)と、個人の想像力によって物語に引き込まれていくような認知的側面があるとされています(同)。すでにVRやARを活用したトレーニングは多くの企業で行われており、安全な環境のなかで現実に近いシミュレーションができるという点で大いに利点があることが確認されています。

バーチャルトレーニング研究の第一人者といってもいいCindy Huggett氏は、今年「Virtual Stream of The Immersive Virtual Classroom: Facilitator Skills for Success(没入型のバーチャルクラス:成功するファシリテーターのスキル)」というタイトルでVRなどのテクノロジーを活用した学習経験におけるファシリテーターの役割について語りました。Huggett氏によれば、没入型の学習経験においてもファシリテーターが必要なときがあるといいます。1つはAIではなく人間による介入が求められるとき(AIとの会話には限界がある)、もう1つは学習者に信頼が欠如しているとき(ここでの情報がクラウド上に行き利用されてしまうのではないかという不信感)、そして、仮想経験をともにディブリーフするほうが有効なとき(特にVRの場合には感情的な反応が起きることがあるため注意)です。

ニューロサイエンスの専門家であるPaul Zak, Ph.Dのセッションは、没入型学習の認知的側面を扱ったものといえるでしょう。氏のセッションでは、クレアモント大学と米国防総省の協力を得て開発した学習プラットフォームが紹介されました。このシステムでは、ウェアラブルデバイスを使って学習者の脳神経からの情報をリアルタイムで取得しながら、学習者の情報の受信状況を把握することができます。つまり、学習者が学習に没頭しているのか、集中力が欠如しているのかをリアルタイムで把握することができ、必要に応じて学習経験をピボットすることができるというものです。およそSFのようなシステムですが、セッションではシステムそのものよりも、その開発過程で発見されたいくつかの事実のほうが興味深いものでした。Zak氏によれば、さまざまな情報の移送の方法を試したなかで、人々を情報に没入させる最も効果的な手法はストーリーテリングだったということです。また、アクセンチュア社との協働では、20分のインプットと20分のプラクティス、そして20分のディブリーフが最も有効である(20‐20‐20ルール)ことが発見され、さらに、心理的安全性が脳の情報処理能力を高めることも分かったということです。これらの知見は私たちも十分活用できると思います。

ポジティブ心理学はL&Dの確固たる支柱に

ポジティブ心理学とは、一般に「人生を最も生きる価値のあるものにするものに関する科学的な研究(Positive psychology is the scientific study of what makes life most worth living)」 (Peterson, 2008)とされています。ATDでは2000年代に入ってからポジティブ心理学を背景にもつ人材開発や組織開発の手法が紹介されるようになりましたが、今大会ではタレント開発の理論的支柱としてあらゆる分野のセッションで引用されている印象です。

基調講演者の1人でベストセラー『GRIT The power of Passion and Perseverance(邦題:やり抜く力) 』の著者Angela Duckworth氏の講演は、傑出した人材を生み出す能力に関する自身の研究に関するものでしたが、随所にAnders Ericsson氏(限界的練習理論)やMartin Seligman氏(学習性無力感)、そして、Carol Dweck氏(グロースマインドセット)などのポジティブ心理学の知見が引用されていました。Carol Dweck氏(スタンフォード大学)のグロースマインドセットは近年のATDでは非常に多くのセッションで引用される重要な知見です。加えて、今年はAnders Ericsson(フロリダ州立大学)のdeliberate practice (自分のコンフォートゾーンを超えた高い集中力での意図的な練習)理論を引用したセッションが複数ありました。

最終日の基調講演者Mell Robbins氏(テレビ司会者であり作家)の講演は、ポジティブ心理学の知見の引用こそなかったものの、自分が本来やるべきことを実行するのを躊躇させる5秒間を乗り越えるシンプルな方法(5 Second rule)がテーマであり、その主張は正しい選択に向けて自分を活性化しコンフォートゾーンを抜け出してみることで人生は一変するというもので、GRITの内容と極めて親和性の高いものだったと思います。

破壊的な変化のなかで未来を創るリーダーシップ

リーダーシップ開発はATDのなかでも毎年セッション数が多いテーマです。今年はチーミング(Teaming)リレーショナル・リーダーシップ(Relational Leadership)の重要性に言及したものが多かった印象です。

基調講演でチームを再生する重要性について語ったPatrick Lencioni氏[コンサルタントでベストセラー『The Five Dysfunctions of a Team(邦題:あなたのチームは機能してますか?)』の著者]は、「Virtual Stream of Three Steps to Regenerate Your Team(チームを再生させるための3つのステップ)」というタイトルで機能するチームの作り方について語ってくれました。氏は、「チームワークが究極の競争力であり続けるのは、それが非常に強力で稀なものだからだ」として、真に機能するチームの土台となるのはバルネラビリティ(Vulnerability:弱さをさらけ出せること)ベースの信頼(Trust)であると強調していました。その信頼を創るにはまずリーダーからバルネラビリティを示す必要があります。バルネラビリティは近年、関心が高まっている「心理的安全性」とも密接に関係するリーダーシップの能力です。

不確実で誰も正解をもたない今日の環境では、リーダー自身が「知らないことを知らないと言える」ことが大切になりますが、これまでのヒエラルキー型の組織システムはリーダーやマネジャーに「有能な意思決定者であり主導者であらねばならない」というマインドセットを育んできました。このマインドセットの変革に組織を挙げて取り組んできたノバルティス社のセッションでは、好奇心(Curiosity)がテーマでした。著名なコンサルタントであるJosh Bersin氏がモデレータを務めたこのパネルセッションでは、ノバルティス社のCLOのSimon Brown氏が、好奇心をキーワードとした同社の数年間にわたる企業文化変革とそこから得られた知見について、2人の協働者とともに語ってくれました。Brown氏は、「答えを知っていなくても好奇心があれば、良い質問をして実験をして学ぶことができる。誰も答えを知らない世界では好奇心が1つのカギだと思うようになった」と言います。答えにこだわっていると物事を単純化してしまう罠にはまってしまい、今日の環境下ではむしろマイナスに働くことが多いため、これからのリーダーは答えを教えるのではなく、変化に対して自ら好奇心をもってメンバーの好奇心を刺激するような質問をすることが大切な行動だというのです。これはシンプルなようで、組織のリーダーに大きなマインドシフトを求めるものだと思います。

リーダーシップそのものについても新しい見方が必要になりそうです。リーダーシップアドバイザーとして国際的な活動をしているJill Birch氏によるセッション「Emergence Leadership in a Post-Pandemic World(ポスト・パンデミックの世界における創発リーダーシップ)」では、破壊的な変化を乗り越えて組織の未来を創り出すためにリレーショナル・リーダーシップの重要性が高まっているとして、それを組織に育んでいくための7つのステップを紹介してくれました。リレーショナル・リーダーシップとは「ポジティブな変化を実現するための、人々の関係的で倫理的なプロセス」(Komives, S., Lucas, N., & McMahon, T. ,1998)とされており、包容的(Inclusive)、権限付与的(Empowering)、目的(Purpose)、倫理的(Ethical)、そしてプロセス(Process)の5つの要素から構成されます。リレーショナル・リーダーシップはリーダーシップを個人の能力や行動ではなく、集団のプロセスと見なします。5つの要素を備えた集団によって「何が起こったのか、何が起きているのか、将来何が起きるのか」という意味生成が行われることでより飛躍的、革新的な意思決定や行動が生まれるというもので、単なる人間関係の良さとは異なります【*3】。この「関係性から新たな意味が生成される」という考え方はチームが学習していく上で極めて重要な示唆を提供するものです。

リーダーシップに関するセッションではこのほかに、リーダーシップ研究と開発で長年の実績をもつZenger Folkman社の共同経営者Joe Folkman氏(氏のこれまでの功績にATDは今年、生涯功労賞を送っています)がLearning Agilityをテーマにしたセッションを行いました。Folkman氏はLearning Agilityをリーダーシップの「Xファクター(成功の決め手となる要素)」であるとして、独自のアセスメントに基づく調査結果からその開発方法を提示しています。

リーダーシップ・ストラテジストで著述家のDan Pontefract氏からは、共感性(Empathy)のもつ力について多くの実例を交えた紹介がありました。共感性も近年注目されるようになったリーダーシップの重要なスキルのひとつです。Pontefract氏は個人が共感性を発揮するには主体性(Agency)の開発を経なければならないとして、主体性の説明に多くの時間を使いました。氏によれば主体性とは、状況に対して「声を上げ(Voice)」「選択し(Choice)」「世界の見方を引き上げる(Hoist)」という人間本来がもつケイパビリティ(才能)のことで、自身の主体性に意識を向け開発していくことで、自然と他人に対する共感性も高まっていくという説明がありました。

Vulnerability、Curiosity、Learning Agility、そしてEmpathyが、リーダーシップに関する今年のキーワードだったと思いますが、これらはいずれも、変化に対して、チームメンバーと創造的に対処していく学習型の関係性開発に必要なものであると考えることができます。そこでは、従来のリーダーとフォロワーというマインドセットとは異なるものの見方が必要となるでしょう。リーダーシップの役割はチームに学習のプロセスを創り出すことになっていくと思われます。

以上、今年のATD国際カンファレンスについてふりかえりました。弊社では引き続き情報収集に努めてまいります。

*3 参考資料:スーザン・R・コミベズ、ナンス・ルーカス、ティモシー・R・マクマホン 著/日向野 幹也 監訳(2017)『リーダーシップの探求:変化をもたらす理論と実践』早稲田大学出版部

■ 国際的に著名なスピーカーを招いて今年も「ATD 2021 ジャパンサミット」が
  12月6~10日に開催されます。ぜひご参加ください。 >>詳細はこちら

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