職場の「所属流動性」と「関係流動性」の影響と要因とは 個人と職場の流動性に関する実態調査

公開日:2023/11/27
更新日:2023/11/27
職場の「所属流動性」と「関係流動性」の影響と要因とは

「個人と職場の流動性に関する実態調査」の実施概要は下表のとおりです。


調査概要


調査結果の詳細は、
・弊社機関誌 RMS Message vol.72 特集1「組織の流動性とマネジメント」調査報告(P.23〜30)
・調査レポート「職場の「所属流動性」と「関係流動性」――人の行き交う職場が得るもの、失うもの」をご参照ください。

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。


● 個人の流動性:転職・異動の経験、社外活動への参加経験、問題解決の重要な情報源


・本調査の回答者において、「転職経験」の数としては、転職経験が1度もない(0回)人が46.5%と半数弱いる一方、3回以上の人も20.5%と約2割を占める。「現在の所属企業における業務内容が大きく変わる異動経験」の数としては、1度もない(0回)人が44.8%、3回以上の人が13.3%。転職経験も現在の所属企業における大きな異動経験もない人は17.3%。

・新しい人との出会いの機会に関連する「社外活動への参加経験」(越境経験)について、「社外活動に参加したことがない」人が52.0%。活動の種類として選択率が高いのは、「3.趣味の集まりやサークルへの所属」(22.3%)、「5.勉強会・研究会・学会などへの所属・参加」(17.1%)、「1.PTA・自治会など、地域活動に、役員や中心メンバーとして参加」(15.7%)。

・仕事上で多様な所属の人と関わる機会に関連する「仕事の問題解決上の重要な情報源」として選択率が高いのは、「1.同じ職場の同僚」(71.2%)、「2.職場の上司」(60.7%)。職場外では「3.社内他部署の社員」(30.1%)や「4.社内他部署の管理職社員」(12.4%)、社外では「5.取引先企業の社員」(12.8%)や「10.社外の友人・知人」(10.5%)。


● 職場の流動性:異動方針、所属流動性、関係流動性


・全社の異動方針は、「(3)人の異動が比較的少ない方で、何年も同じ顔触れで仕事をする職場の方が多い」(33.6%)、「(4)人の異動がほとんどなく、個人にとっても異動はまれな経験である」(16.4%)と合わせると、半数の回答者が所属する企業では異動がほとんどないか少ない。

・職場における人の量的な入れ替わりを「所属流動性」として定め、直近の1年間で入れ替わった人の割合(「1年前から今の職場に所属している人のおよその割合(%)」を100%から引いて算出)を確認した。0〜100%に分布し、平均値は24.0%、半々の回答者数に分かれる中央値は10.0%、0%の割合が31.6%。3つの職場タイプ(プロジェクトチームなど/常設の課・チーム・グループで改組・再編あり/長期にわたり継続)間に統計的に有意な差はない。

・「関係流動性」は、「社会環境のなかで、必要に応じて新しい相手と相互作用をすることができる機会の多さ」と定義される。本調査では、その下位概念の1つとされる「新規出会いの機会の多さ」を取り上げた。職場の同僚全般について「彼らには、人々と新しく知り合いになる機会がたくさんある」などの3項目について「まったくあてはまらない〜非常にあてはまる」の6件法の回答を平均した。全体傾向は3.7。「所属流動性」同様、3つの職場タイプ間に統計的に有意な差はない。


● 所属流動性・関係流動性の高低群別 職場の信頼や助け合いの違い


・所属流動性の高低群と関係流動性の高低群の組み合わせの4群で以下の特徴に差があるかを確認した(所属流動性と関係流動性の相関係数は0.03であり無相関)。

・「信頼規範」(職場の人たちは信頼し合っているという信念)、「互酬規範」(この職場では困ったときは助け合えるという信念)、「組織市民行動」(回答者自身の協力行動)は、所属流動性の高低によらず、関係流動性が高いほど得点が高い。新しく人と知り合う機会が多いことが能動的な信頼形成と助け合いの行動を生むようだ。

・「冷ややかな職場」(職場に対する冷ややかでギスギスしているという認知)は、高所属流動性の職場同士の比較において、関係流動性が高い方が、統計的に有意に冷ややかさが高い。所属流動性と関係流動性が両方高い場合には、冷ややかな職場となるリスクがありそうだ。


● 所属流動性・関係流動性の高低群別 仕事・会社への動機づけ・愛着


・「モチベーション」(競争・協力・達成・学習に対する4種類のモチベーション)、「組織コミットメント」(組織への愛着の度合いである)についても、信頼や助け合いと同様に、所属流動性の高低によらず、関係流動性が高いほど得点が高い。人の出入りが多い、少ないにかかわらず、新しく人と知り合う機会が多く開かれた職場であれば、仕事や会社への思いが薄まってしまうことはないことが分かる。


●「冷ややかな職場」「関係流動性」の要因


・「冷ややかな職場」「関係流動性」を被説明変数として、企業属性、職場特性、職種、職務特性といった仕事の特徴に関連する変数からの影響を重回帰分析の手法を用いて、所属流動性の高低群別に確認した。

・「冷ややかな職場」に対する影響:
所属流動性の高群では、「関係流動性」「タスクの相互依存性」が「冷ややかな職場」の度合いを高め、「目標の相互依存性」が抑制する。
所属流動性の低群では、「タスクの相互依存性」が「冷ややかな職場」の度合いを高め、「職務自律性」「目標の相互依存性」が抑制する。

・「関係流動性」に対する影響:
所属流動性の高群では、「職務自律性」「多様性志向リーダーシップ」が「関係流動性」の度合いを高める。
所属流動性の低群では、「自律支援型リーダーシップ」「希望する研修や講習を受講できる制度」が「関係流動性」の度合いを高める。

調査結果の詳細は、
・弊社機関誌 RMS Message vol.72 特集1「組織の流動性とマネジメント」調査報告(P.23〜30)
・調査レポート「職場の「所属流動性」と「関係流動性」――人の行き交う職場が得るもの、失うもの」をご参照ください。

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