仕事場面の感情は職場でどう扱われているか 仕事と感情に関する意識調査

仕事と感情に関する意識調査

「仕事と感情に関する意識調査」の実施概要は下表のとおりです。


調査概要

調査概要

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。

● ここ1カ月で仕事中に経験した感情

・調査対象は、20〜49歳の会社勤務正社員。営業系、事務系、技術系が均等になるように回収。「感情労働」と呼ばれるような感情のコントロールが要求される職務の代表的なものである接客・サービス系は、今回はあえて対象から外し、それ以外のオフィスワーカーの感情の実態を捉えることを試みた。
・10の感情リストに対して、「非常によく感じた」から「まったく感じなかった」の5段階で尋ねたところ、「非常によく感じた」「よく感じた」「ときどき感じた」の回答が多かったのは、「心配・不安(78.2%)」「怒り・嫌悪(71.6%)」「退屈・無意味(64.1%)」といずれも、ネガティブな感情。次いで、「嬉しさ・喜び・感謝(62.5%)」「親しさ・心地よさ(61.2%)」とポジティブな感情が続く。
・「非常によく感じた」「よく感じた」「ときどき感じた」と回答した感情の数の平均は1人あたり6.2個。
・ポジティブな感情のみ感じた人は全体の19.0%、ネガティブな感情のみ感じた人は7.2%で、約7割(70.7%)の人は、ポジティブ感情とネガティブ感情をそれぞれ1つ以上感じたと回答。
・「ここ1カ月で最も印象に残っている感情」として選ばれたのは、ネガティブ感情が約6割(59.7%)、ポジティブ感情が約4割(40.3%)。

感情労働の実態

・営業系・事務系・技術系のオフィスワーカーにおいて、感情労働がどのくらい行われているかを3要素(7項目)で確認。「とてもあてはまる」「あてはまる」「ややあてはまる」の割合で見ると、「感情の要求(職務遂行において感情を用いることを求められる)」は約8割、「感情の制御(本当の感情を抑える)」は約7割、「感情の演技(求められる感情を演じる)」は約6割と、いずれも半数を超えていた。
・職務系統別に見ると、7項目の平均値は、営業系4.09、事務系3.90、技術系3.82で、営業系のみ有意に高かった。
・「感情労働高群」は「感情労働低群」に比べて、「いろいろな種類の感情を感じる」「強く感情を動かされる」「感情にからむトラブルが多い」について多く選択し、ここ1カ月で仕事中に経験した感情については、ポジティブ感情もネガティブ感情もよく感じる傾向にあった。

「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」という考えについての賛否

・「あなたは、『仕事や職場に感情を持ち込むべきではない』と思いますか。」に対しては約7割が「持ち込むべきではない」と回答。
・「あなたの職場では、『仕事や職場に、感情を持ち込むべきではないと考えている人が多い』と思いますか。」に対しては「持ち込むべきではないと考えている人が多い」と思う人は約6割。
・職務系統別では、「持ち込むべきではない」と思う傾向は、事務系のみ有意に高く、「持ち込むべきではないと考えている人が多い」と思う傾向は、事務系と比べて営業系が有意に高かった。感情労働の程度別では、「感情労働高群」は「感情労働低群」に比べて「持ち込むべきではない」が有意に高く、「持ち込むべきではないと考えている人が多い」が有意に低かった。
・「持ち込むべきではない」についての肯定・否定の理由を見ると、持ち込み否定派が「成果を妨げる」「判断がぶれる」「組織がまとまらない」とするのに対し、持ち込み賛成派は「やる気や成果につながる」「理解し合うのに役立つ」「ストレスを防ぐ」「条件付きでOK」。成果をあげること、組織がまとまることに対して、感情を持ち込むことがプラスに働くかマイナスに働くかについて、職務の特性や個人の考え方により、正反対の意見があることがうかがえる。

仕事中に感じた感情を人に伝えたか

・「ここ1カ月で最も印象に残っている感情」の表出について尋ねたところ、「その場で自分の感情を出した」は、ポジティブ感情で33.6%、ネガティブ感情で11.3%、「あとで他の人にそのときの感情について話をした」は、ポジティブ感情29.5%、ネガティブ感情31.0%。
・伝える相手について「あとで他の人にそのときの感情について話をした」220名に尋ねたところ、ポジティブ感情、ネガティブ感情共に、「職場の同僚」が6割以上と最多。次に多いのは、ポジティブ感情は「職場の上司」(37.2%)、ネガティブ感情は「家族・友人・知人」(39.6%)。「話してよかったと思う」人は、ポジティブ感情では100%、ネガティブ感情でも83.5%。

職場・上司の感情配慮

・職場・上司に関して、お互いの気持ちや感情への配慮があるかどうかを尋ねたところ、「とてもあてはまる」「あてはまる」「ややあてはまる」の割合が特に多いのは「周囲に対する配慮や気遣いを忘れない」(70.8%)、「喜びや感謝を感じたことについて、共有している」(60.0%)。
・ネガティブ感情では、感情配慮高群の職場では、そうでない職場に比べ、社内の人に感情を伝える傾向が有意に高く、ポジティブ感情にも同様の有意傾向が見られた。

感情の交流や配慮を促進する仕組み

・「仕事上の成功事例・挑戦事例を共有する機会」「朝礼や社員全体会議を通じた会社のビジョンの共有」は導入率が約25%、次いで、社員同士の関係構築に関する「社内報などでの社員の活躍や人となりの紹介」「お互いの良いところやお互いへの感謝を伝え合う仕組み」や、感情配慮に関する「上司と部下の間の、評価面談以外の1on1ミーティング」が約20%。
・仕組みの有無と社内の人に感情を伝えたことの間に関係が見られたのは、「お互いの良いところやお互いへの感謝を伝え合う仕組み」「同好会や勉強会など業務外の交流機会や金銭的補助」「社員同士で接点をもちやすくするための社員情報の公開」など。

「職場・上司の感情配慮」「感情の交流や配慮を促進する仕組み」と他変数の関係

・「職場・上司の感情配慮」や「感情の交流や配慮を促進する仕組み」は、本人のワーク・エンゲージメントや職場の新価値創造とも、プラスの関係。項目別に見ると、職場・上司の感情配慮では、「喜びや感謝を感じたことについて、共有している」「悲しさやつらさを感じたことについて、共有している」、感情の交流や配慮を促進する仕組みでは「お互いの良いところやお互いへの感謝を伝え合う仕組み」との関係が強い。
・「職場・上司の感情配慮」は、バーンアウトを起こしやすいといわれる感情労働においても、消耗感を低減し、ワーク・エンゲージメントを高める傾向が見られた。


調査結果の詳細は、
・弊社機関誌RMS Message vol.65 特集1「仕事と感情」調査報告(P.23〜30)
・調査レポート「仕事場面の感情は職場でどう扱われているか ― 20〜49 歳の会社員826 名への実態調査」をご参照ください。

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