ポストオフ後の適応感を高める環境と本人の行動とは ポストオフ経験に関する意識調査

ポストオフ経験に関する意識調査

「ポストオフ経験に関する意識調査」の実施概要は下表のとおりです。


調査概要

調査概要

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。

●ポストオフ後の変化
・半数以上が「下がった・減った」を選択していたのは、「賃金」(82.8%)、「周囲からの期待の大きさ」(56.1%)、「仕事量・労働時間」(52.9%)、「人事評価」(51.2%)。
・「一日に会話する人の数」は「下がった・減った」と「変わらない」の割合が半々程度。「自分で判断し、主体的に進める度合い」「顧客満足や組織業績の向上への影響力」「仕事の成果の見えやすさ」「新しいことを勉強する時間や機会」は、変わらないとする割合の方が多い。
・自由記述回答で、ポストオフによって失ったものと得たものを尋ねたところ、給与や期待や情報が減り、時間や自由や余裕を得たという趣旨の回答が散見された。

●ポストオフ後の実際の仕事内容・希望・周囲からの期待
・これまでの経験を生かして仕事をしている人は半数弱で、本人の希望や周囲の期待とも比較的一致しているが、希望が実際を上回る項目もある。
・半数弱が現役世代の邪魔をしない仕事を担っている。本人も邪魔をしたくないと希望している様子もうかがえるが、課長ポストオフ群では本人希望を実際が大きく上回る。
・自身の関心や好奇心を生かし、第一線で活躍したい、新領域や自身が問題意識をもつテーマに取り組みたいという希望は、いずれも実際を上回っている。
・周囲からの期待の選択率は全体的に低い。期待が本人の希望や実際を上回るのは、課長ポストオフ群の「若い世代の育成に関わる」のみであり、ポストオフ後の期待の曖昧さが示唆される。

●ポストオフ前後の労働価値観
・仕事をしていく上で重要と考えるものを3つまで、ポストオフ前と現在についてそれぞれ選んでもらったところ、役員・部長・課長ポストオフに共通して選択率が大幅に高まるのは、「自分が楽しめる、面白いと思える」(役員:13.0%→26.1%、部長:13.0%→30.7%、課長:11.6%→27.0%)。
・ポストオフ前に重視されていた価値観で大きく低下するのは、「十分な賃金を得る、良い生活をする」「自分が成長する、能力が生かせる」「所属組織に貢献する、組織のために力を尽くす」など。

●ポストオフ後の仕事に対する意欲・やる気の推移
・回答者数の多い部長・課長ポストオフを見ると、やる気は変わらないとする人が3割弱いる一方で、一度はやる気が下がったとする人が6割近い(「下がったまま」が4割前後、「一度下がって上がった」が2割前後)。
・「一度下がって上がった」を選んだ人に、仕事に対する意欲・やる気が回復したきっかけ・理由について尋ねたところ、「仕事で成果があがった」(部長ポストオフ33.3%・課長ポストオフ24.1%)、「会社や仕事に対する自分の考え方が変わった」(部長ポストオフ30.4%・課長ポストオフ37.9%)などが上位に挙がった。

●ポストオフ前の準備・行動
・役職についていた期間に、ポストオフに向けて、あなた自身が準備していた/意識して行っていたこと、準備しておけばよかった/行っておけばよかったと思うことをそれぞれ尋ねた。
・ポストオフ前の準備や意識していたことについて、ポストオフ後の新環境への好適応群と、普通・適応苦労群を比較し、ポイント差が大きかったものとしては、部長ポストオフでは、「専門性の高い知識やスキルを身につける」「最新の知識を学び続ける」「過去の経験とは異なる新たな専門領域を身につける」「役職や地位などの権威を振りかざすことがないように心がける」「社内の人脈を広げる」。
・同様に課長ポストオフでは、「プレイヤー業務を手放さない」「役職や地位などの権威を振りかざすことがないように心がける」「社内の人脈を広げる」「社内の人脈を広げる」「過去の経験とは異なる新たな専門領域を身につける」「先輩に話を聞く」。
・好適応群が準備しておけばよかった・行っておけばよかったこととして選択した上位は、部長ポストオフでは、「若い世代から学ぶ」(18.9%)、「シニア世代が職場で力を発揮できるようにする」(17.9%)など、課長ポストオフでは、「キャリア相談やガイダンスの受講」(17.6%)、「若い世代から学ぶ」(16.5%)などであった。

●適応感に影響する環境要因・本人要因
・重回帰分析を用いて、現在の仕事への適応感(成果実感・居場所感・やる気・成長感など)を高める要因を探った。環境要因については会社の仕組みや風土、業種、企業規模、上司の特徴を、個人要因については年齢、性別、職種、ポストオフ前役職、ポストオフ後の経過期間、ポストオフ前の準備、現在の価値観、本人の適応行動が影響すると考え、分析に取り入れた。
・最も影響が大きかったのは、本人要因のうち「拡張・協同ジョブ・クラフティング」。強みや関心を生かす、同僚と共感し助け合いながら役割範囲や人との関わりを広げる、社会的・個人的に意義ある仕事と捉え直すといった仕事の拡張が、ポストオフ後に成果をあげ、居場所を作り、活力を生み出すことが示唆された。
・続いて適応感を高めたのが、環境要因である「上司からの尊重と高い期待」と「インクルーシブ(包摂的)な風土」(誰の発言も真摯に受け止められ、独自の才能が生かされ、年齢によらず良い仕事が評価されるといった風土)。
・ポストオフ者に対する上司のマネジメント行動については、(1)放任型、(2)伴走型、(3)放置型といった3つのタイプが見いだされた。(1)放任型と(2)伴走型の上司のもとではいずれも適応感が高く、(3)放置型では低い水準にとどまる。キャリア停滞感を低い水準にとどめたのは、(2)の伴走型のみであった。


調査結果の詳細は、
・弊社機関誌RMS Message vol.62 特集1「アフターミドルの可能性を拓く」調査報告(P.23〜30)
・調査レポート「ポストオフ・トランジションの促進要因―50〜64歳のポストオフ経験者766名への実態調査」をご参照ください。

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