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調査サマリー
テレワーク環境下で職場の信頼は変わったのか
「会社・上司への信頼に関する実態調査」の実施概要は下表のとおりです。
今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。
●現在の会社信頼・上司信頼・今回の調査では、職場の信頼のうち、テレワーク環境下におけるマネジメントのあり方に関係していると思われる、勤務している会社に対する信頼(以下、会社信頼)と、直属の上司に対する信頼(以下、上司信頼)について聞いた。・現在の会社信頼・上司信頼について、それぞれ4項目に対する回答を得たところ、約半数が肯定的な回答(「そう思う」「ややそう思う」)。・仕事のやりがいなど適応感との関係は、会社信頼・上司信頼が高いほど適応感が高い。・テレワーク頻度との関係は、会社信頼・上司信頼が高・中群において、「ほぼ毎日」「月の半分程度」の割合が高い傾向があったが、統計的に有意な差ではない。
●会社信頼・上司信頼の変化・新型コロナウイルス感染症拡大前との比較をたずねたところ、会社信頼の57.2%、上司信頼の68.3%は「どちらともいえない」との回答。会社信頼が上がった(「上がった」「どちらかといえば上がった」)のは23.2%、下がった(「下がった」「どちらかといえば下がった」)のは19.6%、上司信頼が上がったのは15.3%、下がったのは16.4%。・変化に対して「どちらともいえない」と回答した人の現在の信頼の内訳を見ると、高・低群が各2わりずつ。もともと高い・低いままという人が一定数いる。・テレワーク頻度との関係は、会社信頼の変化のみ統計的に有意差があり、信頼が上がった群に「ほぼ毎日」がやや多く、下がった群に「現在は行っていない」がやや多い。
●会社信頼の変化に影響していること・会社信頼が上がった群は、「社員や関係者の健康や安全の重視度合い」を約6割、「雇用の安定」を約5割が選択。下がった群は、「社員や関係者の健康や安全の重視度合い」「会社・事業の業績」を過半数が選択。・上がった群に特徴的なのは「雇用の安定」、下がった群に特徴的なのは「会社・事業の業績」「経営層の人柄」「職場の人間関係」。・会社信頼に影響した出来事(自由記述)として多かったのは、ポジティブ面、ネガティブ面共に、テレワークなど施策導入の意思決定スピード、方針・中長期的視点の明確さ、経営トップからのコミュニケーション、情報開示に関するコメントや、従業員の健康・安全への配慮、雇用の安定や経営者の人柄などに関するコメントなど。
●上司信頼の変化に影響していること・上司信頼が上がった群は、会社信頼の場合と同様に、「上司による部下や関係者の健康や安全への配慮」が最多で7割近くが選択。「上司による部下へのメンタル面のサポート」「上司による部下への業績面のサポート」「上司の人柄」も4割以上が選択。下がった群でも、「上司による部下への業績面のサポート」「上司の人柄」「上司による部下や関係者の健康や安全への配慮」「上司による部下へのメンタル面のサポート」を4割以上が選択。・テレワーク環境下での上司コミュニケーション頻度の変化との関係は、上司信頼が下がった群では、コミュニケーションが減ったという人が約4割。・現在の上司信頼別では、上司コミュニケーション頻度の変化に違いが見られなかったため、半年間でのコミュニケーション頻度の変化やそれにまつわる出来事が信頼の変化と関係している人と、頻度そのものは信頼の変化と関係がない人と両方いることが推察される。・上司信頼に影響した出来事(自由記述)として多かったのは、ポジティブ面では、テレワーク環境下で、上司が意図してコミュニケーションを積極的にとろうとしていることや、配慮などコミュニケーションの内容が信頼形成に影響しているというもの。ネガティブ面では、能力、人柄に対する不信感に関するエピソードが複数見られた。日頃からの信頼がないのに、急に態度を変えてもそれがポジティブに受け入れられない様子も垣間見られた。
●テレワーク環境下で、仕事を円滑に進めることや職場の信頼構築に役に立つ仕組み・制度・「オンライン会議ができるツール」については、現在導入、役に立つと思うもの共に、選択割合が高く、両者の間でギャップが最も大きかったのは、「リモートワークのための金銭的補助」「労働時間よりも、仕事の成果がきちんと評価される仕組み・制度」。
●職場の信頼構築に関する意識・「テレワークで、職場での信頼関係を構築するのが大変なときがある」と回答したのは6割弱。・「職場での信頼を獲得するには、自分からの働きかけが重要だと思う」は8割弱で、会社信頼・上司信頼の高群ほど、自分からの働きかけが重要だという回答の割合が高かった。・信頼獲得のために意識していること(自由記述)として多かったのは、成果のアピール、コミュニケーション上の工夫、主体性を発揮した行動など。もともと意識していたことに加えて、テレワークだからこそのコミュニケーション上の配慮や工夫、主体的な援助要請、学びの還元など、仕事内容は異なっても同じような心がけをしていることが散見された。
調査結果の詳細は、・弊社機関誌RMS Message vol.60 特集1「リモート時代の職場の信頼」調査報告(P.23~30)・調査レポート「551 名の実態調査から見る、テレワーク環境下における会社・上司への信頼の変化と現状」をご参照ください。
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