「働きやすさ」と「働きがい」は両立するか 『働き方改革』と組織マネジメントに関する実態調査 2019

『働き方改革』は、「労働時間の適正化」「同一労働同一賃金」「リモートワーク」「生産性向上」「ダイバーシティ」……など多様なキーワードで語られており、展開される施策や目的の範囲は広く、相互に関連しあって複雑です。そこで、2017年に続き、『働き方改革』推進の全体像を把握し、今後の方向性を検討するための調査を実施しました。
159社から回答を得て、『働き方改革』推進の目的、施策への着手状況、成果実感、推進課題などを明らかにしています。


調査概要

調査結果サマリー

今回実施した調査の結果から、以下のような実態を確認することができました。 

■「働き方改革」の進捗と成果実感

  • ●労働時間圧縮は進むも、半数は取り組みに苦戦
  • <成果実感>
  • ―「働き方改革」を通じた成果実感を得ている企業の割合は、2017年度調査と比較して増加
  • ―しかし内訳をみると、「労働時間減少」に対する成果実感(62.3%)の半数程度しか、「業務効率・生産性向上」の成果を実感(36.5%)できていない

  • <達成状況>
  • ―「当初の目的を達成して、改革推進をほぼ終えた」とした企業はわずか1%未満
  • ―「苦戦」する企業が半数(52.2%)ある一方、27.0%が「順調」、13.8%は「拡張」に取り組む

  • <重視する目的>
  • ―「拡張」群では目的が広く捉えられており、「法改正や世論の変化への対応」(100%)だけでなく、「業務の効率化」(90.5%)「企業競争力の向上」(81.0%)「従業員の生活の質的向上」(85.7%)を高め、「社会的責任」(66.7%)を果たすことを重視している
  • ―「順調」群では、「従業員の生活の質的向上」(90.2%)を重視するとの回答が最も多い

  • ●部門・職種による状況の違い、管理職の負荷が共通の課題
  • <推進課題>
  • ―「部門・職種による状況の違い」「管理職の負荷」は共通の課題
  • ―「順調」群では、「長時間労働の風土改革」「商習慣の変革」に成功している(課題とする割合が低い)
  • ―「苦戦」群では、「予算や権限」「改訂ノウハウ」が不足、「現場や他部署との連携」が課題

  • <推進・運用体制>
  • ―「拡張」群は、「指標化」「協働的な体制」「対話的な推進」のいずれにも積極的

  • <特徴的な施策>
  • ―「拡張」群では、生産性向上の深層部にあたる「業務改善・効率化」や「組織・事業デザインの見直し」に積極的。かつ「多様化」「柔軟化」の施策も同時推進している

■個別制度の動向
<2017年調査からの変化>

  • ●「増員配置」など、組織・事業デザインの見直しにまで踏み込む企業が増加
  • ―「労働時間管理・指導」の施策の多くは定着期へ。「勤務間インターバル」の導入率が14.9%から26.4%へと11.5ポイント増加
  • ―「業務改善・効率化」の施策では、「業務フローの改善」「知識・スキル教育」などが増加
  • ―「組織・事業デザインの見直し」は全体に検討率が高い。「増員配置」が11.1ポイント増加も、「ビジネスモデル・戦略の見直し」は検討率が高いまま着手進まず
  • ―「生産性基準の評価」の検討率が36.0%から22.0%へと低下。ルール構築から事業課題解決へのテーマシフトか

  • ●「処遇格差の是正」「副業・兼業の解禁」の検討率・導入率が大幅に増加
  • ―「均等処遇」は障害・性別・年齢などの属性を切り口とした施策が先行、「正規/非正規雇用従業員の間の処遇格差是正」の検討率が39.8%から52.8%へと大きく高まる
  • ―「育児両立」「介護・傷病治療両立」施策では、属性を問わず、授業員のライフイベントと仕事の両立を支援する取り組みが進む
  • ―「働く場所の柔軟化」施策の導入が進む
  • ―「副業・兼業の許可・促進」は導入率(8.1%から20.1%へ)・検討率(10.6%から23.9%へ)ともに倍増

■組織マネジメントへの影響

  • ●個人の働きやすさと働きがいは、組織の協働・共創を高める
  • ―「働き方改革」による組織マネジメントへの影響に対する懸念が、フリーコメント回答から伺われる
  • ―しかし、「働きやすさ」と「働きがい」が同時に高まるような「働き方改革」を行っている企業群では、むしろ組織に「協働・共創」が生まれている

  • ●事業/現場との対話による一歩踏み込んだ改革で、「働きやすさ」と「働きがい」が高まる
  • <推進・運用体制の特徴>
  • ―「働きやすさ」と「働きがい」が同時に高まっている企業群では、「複数部署の連携・協働体制」、事業現場との「対話的な推進」を行う割合が高い

  • <導入施策の特徴>
  • ―「働きやすさ」と「働きがい」が同時に高まっている企業群では、「業務改善・効率化」「組織・事業デザインの見直し」への取り組み割合が突出して高い
  • ―「高年齢者雇用の促進」「男性を対象とした子育て支援」など、対象者の広い多様化施策が導入されている割合が高い
  • ―「フリーアドレス」「在宅勤務」「転勤見直し」「長期休暇制度」「OB・OGネットワーク」「副業・兼業の許可・推進」などの柔軟化施策が導入されている割合が高い

具体的な内容は、サマリー版報告書をご参照ください。学習院大学名誉教授 今野浩一郎先生、首都大学東京大学院経営学研究科経営学専攻准教授 西村孝史先生からの識者コメントも掲載しております。 下記リンク先よりダウンロードしていただけます。 

サマリー版報告書(9,030KB)

サマリー版報告書(詳細数値入りバージョン)(9,827KB)
※上のサマリー版報告書では、視認性の観点から、図表のグラフ中の数値が一部省略されています。こちらのバージョンではそれらの数値がすべて表示されています。

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・前回調査「『働き方改革』の推進に関する実態調査 2017
・レポート「『働き方改革』とは?いまさら聞けない基本から、今後のトレンドまで

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